UPCコード
UPCコードは、商品を管理し、スムーズな販売を実現するための重要なバーコード規格です。アメリカやカナダ内のスーパーやコンビニなど小売業で活用されています。ここでは、UPCコードの基本的な仕組みや取得方法、活用方法について解説させていただきます。
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UPCコードとは?
UPCコード(Universal Product Code)は、アメリカやカナダのスーパーマーケットやコンビニなどで見かけるバーコード の一種です。商品についている黒い縦線(バーコード)をレジでスキャンすると、商品情報が読み取られる仕組みです。
このUPCコードがあることで、レジでの会計がスムーズになり、在庫管理もしやすくなります。
UPCコードの構造
UPCコードの番号は12桁で構成されており、以下のような意味を持ちます。
桁数 | 役割 | 例(仮) |
---|---|---|
1桁目 | 商品のカテゴリー(食品、日用品など) | 0(食品) |
2〜6桁目 | 会社ごとの番号(メーカーコード) | 12345(仮の会社コード) |
7〜11桁目 | 商品ごとの番号 | 67890(仮の商品コード) |
12桁目 | エラーチェック用の番号 | 3(自動計算) |
例えば、もし「A社のミネラルウォーター500ml」のUPCコードが012345678903だった場合、
レジでこのコードをスキャンすると、システムが「A社のミネラルウォーター500ml」と認識し、価格や在庫情報がすぐに分かるようになっています。
UPCコードの利用メリット
UPCコードを導入すると、以下のようなメリットがあります。
① レジでの会計が速くなる
UPCコードをスキャンするだけで商品を識別できるので、手入力の手間がゼロになります。
例えば、1つの商品をスキャンするのに1秒かかるとすると、手入力で5秒かかる場合に比べて5倍のスピードで会計ができます。
大規模なスーパーでは、1日あたりの会計件数が5000件以上になることもあるので、UPCコードがあるだけで1日の作業時間を約5時間短縮できる計算になります。
② 在庫管理が自動化できる
UPCコードを使えば、商品がいつ、どれだけ売れたかをリアルタイムで記録できます。
例えば、あるスーパーで「A社のミネラルウォーター」が1日に100本売れた場合、UPCコードを使って在庫を管理すれば、残りの本数を自動計算できます。
この仕組みがないと、スタッフが目視で数えたり、手作業で記録しなければなりません。
③ 売上データが活用できる
UPCコードを活用すると、「どの商品がどれだけ売れているか」のデータが簡単に取れます。
例えば、あるスーパーで「チョコレートA」と「チョコレートB」を販売していた場合、UPCコードを使ったデータを分析すれば、「チョコレートAの方が1.5倍売れている」ことがすぐに分かります。
このデータをもとに、次の仕入れの量を調整することで、売れる商品を多く仕入れ、売れない商品を減らす ことができます。
UPCコードの取得方法
UPCコードを利用するためには、以下の3つのステップを踏む必要があります。
① GS1(国際標準機関)に申し込む
UPCコードはGS1(Global Standards 1)という国際的な組織が管理しています。そのため、まずはGS1に登録して、会社ごとに割り当てられる「メーカーコード」を取得する必要があります。
GS1に登録すると、自社専用のメーカーコード(5桁の番号)が付与されます。これが、商品のUPCコードを作るためのベースになります。
② 商品ごとにUPCコードを作成する
メーカーコードを取得したら、自社の商品ごとにユニークなUPCコードを作成します。
例えば、「A社のミネラルウォーター500ml」と「A社のミネラルウォーター1L」は、異なる商品なので、それぞれ別のUPCコードを割り当てる必要があります。
UPCコードを作成する方法は以下の2通りです。
1. GS1が提供するオンラインツール を使う(推奨)
2. 自社でルールを決めて作成 し、GS1の基準に従って登録
作成したUPCコードは、バーコード(黒い縦線のコード)として印刷する必要があります。
③ バーコードをパッケージに貼る
作成したUPCコードをバーコードとして印刷し、商品のパッケージに貼ります。
バーコードを付けることで、店舗のレジやECサイトでスキャンして商品を管理できるようになります。
まとめ
UPCコードは、アメリカやカナダで流通しているスーパーマーケットやコンビニなどでスムーズに会計や在庫管理を行うために必要なバーコードです。レジのスピードアップ、在庫管理の自動化、売上分析などのメリットがあり、多くの小売店で活用されています。
もし自社の商品をアメリカやカナダで販売したい場合は、UPCコードを取得することで、スーパーやECサイトでも販売しやすくなるというメリットもあります。
今後、QRコードやRFIDのような新しい技術が登場しても、UPCコードは「商品識別の基本」としてしばらくは使われ続けるでしょう。