フルフィルメント by Amazon(略語:FBA)とは、アマゾンが指定するフルフィルメントセンター(配送センター)に商品を預けておけば、アマゾンが商品のピッキング、梱包、出荷の全てを手配してくれます。また、カスタマーセンターとしての役割も担ってくれます。
つまり、出品者は通常アマゾンからの注文に対して自分たちで購入者に対して商品を届ける手配をしなければなりませんが、発送作業を全てアマゾンが代行してくれるサービスになります。
今回、フルフィルメント by Amazonについて、基礎知識としてこのサービスの仕組み、設定から解約の手続き方法、手数料などを紹介させていただきます。
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フルフィルメント by Amazon(略語:FBA)とは、フルフィルメント作業を全てアマゾンが代行するサービスとなり、具体的にはアマゾンが指定するFBA専用倉庫に出品者が商品を納品しておけば、アマゾンが納品までの作業(商品のピッキング、梱包、出荷)だけでなく、返品作業などの注文からの後工程業務を全て担ってくれます。
フルフィルメントとは、注文作業後の工程となります。注文処理、商品のピッキング、倉庫からの出荷作業、配送、返品対応の業務となります。
この一連の作業を全てアマゾンが担ってくれます。さらには、FBAマルチチャンネルサービスという、アマゾンだけでなく自社のECサイトやアマゾンでないモールで購入された商品に対するフルフィルメント作業を担ってくれるサービスもあります。
出荷件数が増えてくると、このフルフィルメント作業が煩雑となるため、FBAや他社のフルフィルメントサービスも含めてフルフィルメント業務のアウトソーシングをご検討されるのはいかがでしょうか。
フルフィルメント by Amazonの基本的なサービス内容から説明させていただきます。
FBAを利用するとアマゾンが全てのフルフィルメント作業を担ってくれますが、具体的にはどのようなサービス内容なのでしょうか。FBAを利用すると以下のようなサービスを受けることができます。
FBA Amazon定期おトク便:継続購入される購入者に対して割引価格で販売できます。
・マルチチャネルサービス:アマゾンだけでなく、自社ECサイト、他のモールで販売されている商品も全てアマゾンがフルフィルメントを代行してくれます。
・FBA海外配送:追加料金なしで、越境ECができます。アマゾンが67か国以上に対して、海外販売の煩雑な手続きを全てになってくれます。
フルフィルメント by Amazonにおけるメリットとデメリットについて解説をさせていただきます。
FBAにおけるメリットは以下の8つになります。
出荷作業の軽減
出荷作業は売上拡大とともに、煩雑となります。具体的には以下の作業負荷が大きく下がります。
・受注処理、商品のピッキング、梱包、検品、配送手続きという一つ一つ出荷のための作業から解放される
・倉庫が必要でなくなる。特に自社内で倉庫スペースを確保している場合、そのスペースが必要でなくなります。
・マルチチャンネルサービスを利用すれば、自社ECサイト、楽天等のモールで販売した商品も全て対応してくれるので、複数の販売経路からの納品作業管理をする手間が軽減されます。
・FBA Prepサービスを利用すれば、商品ラベル貼り付けや梱包をAmazonに代行してもらうことができます(別途手数料)。
・FBAパートナーキャリアサービスを使えば、Amazon提携運送会社を割安で利用してFBA倉庫へ納品できます。
送料の無料化、即配送による販売機会の向上
FBAを利用すると、対象商品は「prime」のマークがつきます。送料無料の商品として認識されるので、送料を支払いたくないというユーザーに対して売り逃しがなくなります。また、当日お急ぎ便、お急ぎ便などアマゾンプライム会員ユーザーを対象とした送料特典が利用できるため、消費者の購入しようという意欲が高まりますので、商品の販売につながる可能性が更に高まります。
アマゾンブランドを活用できる
アマゾンプライム会員の多くは、アマゾンに対する配送のクォリティを信頼しております。直ぐに届く、間違いが少ないという認識を持たれている方が多くいらっしゃいます。FBAを利用すると「Amazon.co.jpが配送します。」と表記されます。そのため、販売元の認知度が低い場合、似たような商品を購入される場合、比較対象をしたときに認知度の高い販売元に流れがちですが、アマゾンブランドを利用する事によりこのような離脱がなくなります。
代金の回収
商品をご購入していただいたけど、代金を回収できなかったというご経験はございませんでしょうか。このリスクは通信販売をされている企業様には必ずつきまとうリスクで回避することが非常に難しいです。ただ、FBAを導入することによりアマゾンが代金回収を請け負ってくれるため、このような手間や心配をすることがなくなります。
24時間365日で販売の機会ロス防止
ECサイトは当たり前ですが、24時間稼働しています。消費者も土日祝日関係無しに商品を購入します。もっと言うと土日祝日のほうが多く購入される商品も多々ございます。土日祝日に購入された商品を月曜日に発送するというのも合理的ですが、今直ぐ必要な方にとっては、購入した当日遅くとも翌日には発送してもらい、早くご自宅に届けて欲しいというニーズも非常に多いです。
ただ、そのような対応をすることはある程度人手が多くないとシフトとして組めないのが現状ではないでしょうか。直ぐに商品を届けて欲しいというニーズにFBAなら簡単に応えてくれます。
また、年末年始、ゴールデンウィークなどの長期休暇の際には、発送はお休み明けということで売り逃していたケースも多々発生していたと思います。このような長期休暇に注文が発生しても、FBAを利用することで販売機会のロスを未然に防ぐことができます。
カート獲得率の向上
1つの商品ページに対して複数の販売業者が出品している場合、アマゾンはユーザーにとって購入条件が良いと判定された出品者が「カートに入れる」ボタンのトップを獲得します。そのため、このトップを獲得できるかどうか非常に重要となります。
条件が同じな場合(販売価格が同じ等)、FBAの出店者のほうがカートを獲得しやすくなります。ただ、FBAを利用していれば必ずカートを獲得できるわけではないことを留意しておく必要がございます。
決済方法がマルチ化による販売機会の拡大
更には、クレジットカードでの決済がEC・通販では一般的ですが、消費者の中にはクレジットカードでの決済を好まない層が一定数以上いらっしゃいます。このような方たちにクレジットカードしか決済手段がないと、折角欲しいと思った商品をカートに入れて購入しようとしても決済手段を確認したときに離脱してしまいます。このような機会ロスを起こさないためにも他の決済手段を取りそろえる必要がございます。FBAでは代金引換の決済手段も用意されているので、それをご利用されることで販売機会を増やすことができます。
お手軽に越境ECが可能になるから販路の拡大
FBA海外配送を使えば追加料金が発生することなく、海外販売における煩雑な手続きをすることなく67カ国以上に対して販売を拡大することができます。そのため、海外進出に向けたテストマーケティングとしての越境ECも手軽に行うことができます。
ただし、国や商品カテゴリによる制限があるため、対象外の商品には注意が必要です。
フルフィルメント by Amazonにおけるデメリットは以下の4つになります。
倉庫内に預けている商品状態の確認がNG
商品を一旦アマゾンが指定する倉庫に納品したら、商品の保管状況を確認することができません。そのため、長期保管が適していない商品、保管に対して特別な管理が必要な商品は適していません。
商品の状態を確認するには、一旦倉庫に預けている商品を返却してもらう必要があります。その返却費用は出品者が支払うことになります。また再度倉庫に預けてFBAを再開する場合、再納品の際の運送費用は出品者が支払うことになります。
手数料の発生
FAB在庫手数料とフルフィルメント手数料が発生します。細かく規定されているので、詳細は別途解説させていただきます。
納品のための準備作業負荷
FBA対象商品をアマゾンの倉庫に納品する際には、商品ラベルであるバーコードを印刷して1商品事に貼り付ける作業が発生します。アマゾンが倉庫で商品を管理するために必要なラベルとなります(別途費用がかかります)。
FBAでは保管してもらえない商品
以下のジャンルに該当する商品は預けられないです。
動植物
常温管理できない商品
医療機器
医薬品、お酒、金券・商品券
危険物および化学薬品
ゴールドなdの貴金属
他商品に影響を及ぼす恐れのある強力磁気をおびた商品
記念コイン、古銭・古札など
フルフィルメント by Amazonでは以下のような手数料が発生します。
在庫保管手数料
FBAのフルフィルメントセンターに保管される全ての商品に適用されます。手数料は、1日平均の在庫容量に基づいて算出されます。
長期在庫保管手数料
365日を超えて保管される場合にかかる手数料です。
配送代行手数料
1商品に対するピッキングから配送、カスタマーサービス、返品の料金になります。
納品不備受領作業手数料
ラベル貼付なしなど適切な納品準備がされていない商品が納品された場合、アマジンが想定外の作業が発生した場合に請求されます。
・返送/所有権破棄手数料
返送や廃棄する際に発生する1商品あたりの手数料となります。
購入者返品手数料
アマゾンユーザーが返品時の送料を無料にする場合にかかる費用となります。
上記の費用は、「フルフィルメント by Amazon料金シミュレータ-」で御見積を出すことができます。
利用できるまでの大まかな流れは以下になります。
1.Amazon出品用アカウントを作成します。
2.販売したい商品に関する情報をセラーセントラルに登録します。
管理画面にてFBA倉庫に指定してください。
3.Amazonの商品ラベルから印刷して商品にレベルを貼り付けます。
4.商品を指定倉庫に納品します。
FBAを解約するためには、以下の状態が必要になります。
・未出荷の注文がないこと
・最終注文日から90日間経過していること
・倉庫内の商品を返送もしくは破棄
・FBAに関する手数料の精算が終わっている
上記の状態からアカウントを解約すれば作業完了です。
アマゾンのテクニカルサポートに相談すると解約がスムーズに進みます。
フルフィルメント by Amazonについて、注文を受けた後の煩雑な納品作用などにとらわれることがなくなるため、マーケティングや顧客対応にマンパワーを注力することができます。特に海外に対して越境ECで商品を販売したい。複数のモールを活用しているといった場合、FBAを検討するのは如何でございますでしょうか?費用との兼ね合いになりますが、ワンストップでサービスを受けられるため、事業拡大の時期には他のフルフィルメントサービスも含めて。ご検討されることをお薦めします。