マイクロモーメント
スマートフォンが普及し、私たちの生活は大きく変わりました。買い物をするとき、何かを調べるとき、料理をするときなど、スマホで「ちょっと調べよう」と思う瞬間って多いです。
この「今すぐ知りたい!」「今すぐ買いたい!」と感じた瞬間を「マイクロモーメント」と呼びます。マーケティングでは、この瞬間をうまく捉えることが成功のカギになります。
ここでは、マイクロモーメントの4つのタイプや重要性、活用方法を紹介させていただきます。
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マイクロモーメントとは?
マイクロモーメントは、「スマホを使って瞬時に情報を探したり、行動したりする瞬間」のことです。これを理解すると、消費者の行動をうまく活用できるようになります。
マイクロモーメントの4つのタイプ
人は日常のちょっとした瞬間にスマホを手に取り、直感的に情報を探します。これを「マイクロモーメント」と呼び、大きく4つのタイプに分けられます。
1. 知りたい瞬間(I-want-to-know)
気になることをすぐに調べたい時です。
例:テレビCMで見た新しいスマホの機能を、その場で検索して確認する。
活用例: 製品紹介ブログやFAQページを整備し、ユーザーがすぐに答えを見つけられるようにする。
2. 行きたい瞬間(I-want-to-go)
どこかに出かけたい時や、近くのお店を探す時です。
例:外出先で「近くのカフェ Wi-Fiあり」と検索して、すぐ行けるお店を探す。
活用例: Googleマップで店舗情報や口コミを充実させ、来店につなげる。
3. したい瞬間(I-want-to-do)
やり方を知って行動に移したい時です。
例:急に5歳の子どもから「スライム作りたい!」と言われ、その場で作り方についてyoutubeで動画を検索する。
活用例: 料理やDIYの動画をSNSやYouTubeに載せ、ユーザーの行動を後押しする。
4. 買いたい瞬間(I-want-to-buy)
購入を検討している時です。
例:友達から薦められたシャンプーが気になり、ネットでレビューや最安値を検索して購入を検討する。
活用例: ECサイトの商品レビューや価格比較を整備し、購入の後押しをする。
なぜマイクロモーメントが重要なのか?
理由1:消費者の意思決定が迅速化している
スマートフォンの普及により、消費者は「今すぐ知りたい」「今すぐ買いたい」と感じた瞬間に即座に検索を行い、行動に移すようになりました。
Googleの調査によれば、スマートフォンでローカル検索を行った人の76%が24時間以内に実店舗を訪れ、そのうち28%が購入に至っています
(参照元:消費者インサイト、Think with Google)
このことから、その場で探したことを直ぐに実行に移すので、その瞬間に対してどのように影響力を与えることができるかが
重要となります。
理由2:検索結果での上位表示が購買行動に直結する
検索結果の上位に表示されることは、クリック率(CTR)に大きな影響を与えます。Backlinkoの調査によると、
Googleのオーガニック検索結果で1位に表示されたページの平均CTRは27.6%であり、10位のページに比べて10倍以上のクリックを獲得しています。
(引用元:オーガニッククリックスルー率について学んだこと、BACKLINKO)
つまり、検索結果の上位に表示されることで、より多くの消費者の目に留まり、購買行動につながる可能性が高まります
理由3:顧客体験がブランドロイヤルティに影響を与える
顧客体験の質は、ブランドへの忠誠心に大きな影響を与えます。Forbesによると、95%の消費者がカスタマーサービスがブランドロイヤルティに影響を与えると回答しています。
(参照元:2023年の顧客体験に関する100の統計、Forbes)
つまり、消費者は、今抱えている問題やしたいことに対して即座に対応してもらえると、その商品が好きになる可能性が高くなります。
マイクロモーメントを活用するための具体的な方法
マイクロモーメントとは、ユーザーが「今すぐ知りたい」「今すぐ行きたい」「今すぐやりたい」「今すぐ買いたい」と思った瞬間に生まれる行動のことです。こうした一瞬の判断を捉えるためには、企業側の準備が欠かせません。ここでは、実務に直結する具体的な活用方法を紹介します。
モバイルフレンドリーなウェブサイトを整える
マイクロモーメントはほとんどがスマートフォンで発生します。ページの表示が遅い、操作が分かりづらいといった理由で離脱されないよう、サイトの読み込み速度やデザインをモバイル向けに最適化しましょう。
例: 「近くのカフェ」と検索したユーザーが、表示に5秒以上かかるサイトを開くことはまずありません。素早く情報にたどり着ける設計が必須です。
検索意図に合ったコンテンツを用意する
ユーザーは「◯◯の使い方」や「◯◯とは」といった具体的な疑問を持って検索します。その意図を正確にとらえ、答えとなる記事や動画を準備することが重要です。
例: 「スマホのカメラで夜景をきれいに撮る方法」と検索された場合、設定方法を分かりやすく説明した記事や短い解説動画を用意しておくと効果的です。
ローカルSEOを強化する
「行きたい瞬間」にはGoogleマップに対する最適化(MEO)が成果を左右します。Googleビジネスプロフィールに最新の住所、営業時間、口コミ、写真を掲載し、検索結果で選ばれやすい状態をつくりましょう。
例: 髪を3ヶ月切っていなくて、大分長くなったと鏡で見て思った時に、スマホで「美容室」」と検索すると、地図上に点在するマークと一緒に、店舗名、口コミ評価点数・口コミ件数、店舗画像が表で表示されます。ユーザーは、口コミ評価点数と件数のバランスを見て、良さそうな美容室から順番に見ていきます。
AI音声検索に対応する
chatGPTなどのAIアプリをインストールしていると、音声でchatGPTに話しかけることが多いと思います。例えば、「簡単にできるカレーの作り方は?」と音声で話しかけると、その回答がチャットで返信されます。その回答の参照元になるような工夫が必要となっています。
動画コンテンツで「すぐ知りたい」に応える
ユーザーは「やりたい」と思った瞬間、文字よりも短い動画を選びやすい傾向があります。How-to動画やレビュー動画をSNSやYouTubeに配信し、特に60秒以内で理解できるものを用意すると効果的です。
例: 新しい掃除機を買った人が「フィルターの掃除方法」を検索したとき、1分以内で見られる動画があればすぐに行動に移せます。
まとめ
マイクロモーメントは、消費者がスマホを使って瞬時に情報を求める瞬間を捉えるマーケティング戦略です。これを効果的に活用するには、①即時情報提供、②モバイル対応、③リアルタイム対応が重要です。これらの取り組みにより、消費者のニーズに迅速に応え、競合との差別化を図り、売上の向上や顧客ロイヤルティの強化が期待できます。