コンバージョン率(CVR)を上げることは、
サイト運営の成果を最大化するための重要な目標です。
このCVRを向上させるために、
ランディングページ(LP)をユーザーにとってより使いやすくする施策のことを
LPO(ランディングページ最適化)と呼びます。
このLPOの中でも、
コンバージョン率を上げるために大きな影響を与える要素が
CTAボタンです。
CTAボタンは、購入、問い合わせ、資料請求など、
ビジネスにとって大切な行動は、このボタンを通じて始まります。
このボタンのデザイン、配置場所、メッセージを調整することで、
コンバージョン率に大きく変わる可能性があります。
このCTAボタンの最適化はどのように行うのでしょうか?
実は、ユーザーの行動を"見える化"するヒートマップを活用することで、
CTAボタンの効果を飛躍的に高めることができるんです。
この記事では、LPOの一環としてヒートマップを使って、CTAボタンをどのように改善し、
コンバージョン率を向上させるかについて紹介します。
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ヒートマップは、ユーザーの行動を視覚的に分析できるツールであり、
CTAボタンの改善において必要なツールになります。
このヒートマップツールを活用することにより、
どこにCTAボタンを配置すれば効果的なのか、
どのようなデザインやメッセージがより多くのクリックを生むのかを
具体的に分析することができます。
ヒートマップには幾つかの種類があり、
CTAボタンの改善に対しては以下の2つの種類を活用して分析することができます。
1. クリックヒートマップ:CTAボタンのクリック状況を確認する
クリックヒートマップは、ユーザーがどこをクリックしたのかを視覚的に表示します。
これにより、もしCTAボタンがあまりクリックされていない場合、ボタンの位置やデザイン、
メッセージを変更することが必要かもしれません。
また、予想外のエリアが多くクリックされている場合、
そのエリアに新たなCTAボタンを追加することも検討できます。
2. スクロールヒートマップ:CTAボタンの位置を改善する
スクロールヒートマップは、ユーザーがページをどこまでスクロールしたかを示します。
CTAボタンが適切な場所に配置されていない場合、多くのユーザーがスクロールせずに
離脱してしまう可能性があります。
そのため、最初のCTAボタンまでのスクロール率が目標値より上回るか下回るかで把握して、
その数値によって適切な対策を打つことができます。
ヒートマップを活用して、どのようにCTAボタンを改善するか、
具体的なステップをご紹介します。
LPOにおいて、ページのどこまでユーザーがスクロールしているかを知ることは重要です。
スクロールヒートマップを使って、ユーザーが最初のCTAボタンにたどり着いているかどうかを
確認しましょう。
もし、最初のCTAボタンが多くのユーザーに見られていない場合、その位置を調整する必要があります。
CTAボタンの位置が適切でない場合、ユーザーがページをスクロールする前に離脱してしまうことがあります。
最初のCTAボタンがページの50%以上のユーザーに表示されていない場合、
次の改善策を検討しましょう。
改善策1:CTAボタンをページ上部(離脱率50%前)に配置する
ユーザーがスクロールして50%ぐらいで離脱するエリアまでで
コンテンツの内容が一段落つく場所にCTAボタンを移動することが有効です。
改善策2:ファーストビュー内にCTAボタンを設置する
ファーストビューにCTAボタンを置くことで、ユーザーがページを開いて
このサービスが良いと思った瞬間にアクションを促すことができます。
その際、キャッチコピーとサブキャッチコピー、ファーストビューに使われる画像で
ページ全体のメッセージやデザインとCPAボタンにて統一感があるか確認しましょう。
➤CTAボタンの配置改善に関心のある方:CTAボタンの配置が決め手!ランディングページ最適化の秘訣
クリックヒートマップを活用して、CTAボタンが実際にどれくらいクリックされているかを確認しましょう。
もしクリック率が低い場合、次の改善策を検討する必要があります。
改善策1:CTAボタンの文言を見直す
メッセージを少し変えるだけで、クリック率に大きな影響を与えることがあります。
たとえば、「資料を無料で請求する」よりも「無料で資料を請求する」のほうが、
ユーザーの関心を引きやすく、クリック率を高めることができます。
改善策2:CTAボタン周辺のコンテンツを強化する
ボタンの周辺に、ユーザーの行動を後押しする要素を加えることも有効です。
「期間限定で10%オフ!」や「残りわずか」など、緊急性や希少性を強調するメッセージを追加することで、
クリック率を一層高めることが期待できます。
スクロール率が低い場合でも、クリック率が高ければ、無理にスクロール率を上げる必要はありません。
最終的に重要なのはコンバージョンが達成されることです。
LPOでは、目的が達成されていれば大きな変更は不要です。
スクロール率とクリック率のバランスを確認し、
必要に応じて改善を行いましょう。
仮に、美容サロンのオンライン予約サービスを提供するサイトを例に取ってみましょう。
このサイトでは「予約する」というCTAボタンが設置されており、
ヒートマップを使ってユーザーの行動データを分析し、
LPO(ランディングページ最適化)の改善プロセスを進めていきます。
最初にスクロールヒートマップを確認したところ、
訪問者の多くがページの上部で離脱していることがわかりました。
さらに、クリックヒートマップを確認すると、主要な「予約する」ボタンのクリック率が予想以上に低く、
特にスマホユーザーのクリック率が顕著に低いことが判明しました。
このような分析の結果の場合、以下のような2つの課題が浮かび上がったと仮定します。
・CTAボタンがファーストビューから遠いため、多くのユーザーがボタンにたどり着かずに離脱している。
・「予約する」というシンプルな文言が、サービスの魅力を伝えきれておらず、ユーザーの関心を引きにくい。
これらの課題に対して以下のような対策を打つことが考えられます。
ファーストビューからCTAボタンが離れすぎていて到達できないという課題に対しては、
CTAボタンの位置やデザインの変更という施策が考えられます。
ファーストビュー内にCTAボタンを目立つ位置に配置することができます。
また、ボタンのデザイン変更にて見逃せないのが、スマホ用にデザインを調整することです。
具体的には、多くのユーザーがスマホからアクセスすることが想定できるため、
指でタップしやすい大きさのCTAボタンを設置し、
ファーストビューに馴染むようなモバイルフレンドリーなデザインに修正することができます。
余談ですが、ファーストビューにCTAボタンを設置させた後に、
スクロールの離脱率が50%以内の別エリアにておすすめメニューや割引情報が表示させ、
その直下にボタンを目立つカラーで配置することも有効な対策として実施することができます。
CTA文言のテストと改善
先ほど書かせていただいた「「予約する」というシンプルな文言が、
サービスの魅力を伝えきれていない」という課題に対しては、
CTAボタンの文言変更が最も有効な施策の一つとなります。
「予約する」ではユーザーに具体的な魅力を感じてもらえないと考え、
いくつかの文言をテストします。
例えば、「今なら10%オフで予約する」や「特別プランをチェック」など、
予約のメリットや特典が一目で伝わるものを用意することができます。
A/Bテストを実施すれば、「今なら10%オフで予約する」と「特別プランを予約する」のどちらが
高いクリック率かを見極めることができます。
クリック率高い文言を採用することによって、コンバージョン率を上げることができます。
周辺コンテンツの強化
さらに、CTAボタンの効果を高めるため、周囲のコンテンツも強化することができます。
具体的には、ユーザーに急いで行動を起こしてもらうために、
「限定!10月末までのキャンペーン」や「残り3枠!」といった
緊急性を強調するメッセージをCTAボタンの近くに配置すると訪問者に具体的な行動に
促すことが可能になるかも知れません。
また、社会的証明として「すでに100名以上がこのプランを予約しています!」という
メッセージを加えることにより、ユーザーに対して安心感を与え、
「自分も今すぐ予約しなければ」という心理的な後押しを提供することができます。
これらの改善を実施した後、再度ヒートマップを確認すれば、
結果がどうだったかを確認することができます。
その結果に合わせて改善を繰り返すことにより、
より高いコンバージョン率を獲得することが出来るようになります。
LPOの取り組みとして、ヒートマップを使いCTAボタンを改善することは、
コンバージョン率向上のための非常に有効な方法です。
ユーザーの行動データを可視化し、ボタンの配置、デザイン、文言を最適化することで、
ユーザーがアクションを起こしやすいCTAボタンに変更することができます。
ヒートマップを活用した効果的なCTAボタンの改善を試みてみましょう。