Webサイト運営において、成果を最大化するための最重要課題はコンバージョン率(CVR)の向上です。
このCVRを高めるために、
ランディングページ(LP)をユーザーにとってより使いやすくする施策のことをLPO(ランディングページ最適化)と呼びます。
LPO対策の中でも、特にコンバージョン率に大きな影響を与えるのが「CTAボタン」の改善です。
CTAボタンは、購入、問い合わせ、資料請求など、
あらゆるビジネスチャンスはすべてこのボタンがクリックされるかどうかから始まります。
つまり、ボタンのデザイン、配置、メッセージを最適化することは、
売上に直結する非常にインパクトの大きい施策なのです。
では、このCTAボタンの最適化はどのように行えばよいのでしょうか?
その答えは、ユーザーの行動を"見える化"するヒートマップを活用するにあります。
データに基づいた分析を行うことで、勘に頼ることなく、
CTAボタンの効果を飛躍的に高めることが可能になります。
この記事では、LPOの一環としてヒートマップを駆使し、
CTAボタンをどう改善してCVRを向上させるか、その具体的なノウハウを詳しく紹介します。
➤LPOを全般的に知りたい方は、この記事「LPOとは?8つの改善施策と実行する時の注意点、おすすめツール、成功事例も紹介」を読んでみてください。
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CTAボタンを最適化するためには、ただ「ボタンが押されているか」を見るだけでは不十分です。
「なぜ押されていないのか」「どこで迷っているのか」という
背景を探るために、以下の3つのヒートマップを使い分けることがLPOの肝となります。

LPOにおいてCTAボタンを最適化するためには、
ユーザーの行動を「到達・関心・行動」の3つのフェーズで捉える必要があります。
それぞれのフェーズに対応するヒートマップの使い分けを詳しく見ていきましょう。
【LPO視点の目的:CTAボタンがそもそも見られているか?】
スクロールヒートマップは、ページのどこまでユーザーがスクロールしたかを確認します。
・チェックポイント
CTAボタンが設置されているエリアの「到達率」を確認します。
・改善のヒント
もしCTAボタンがある場所で到達率が激減しているなら、
ボタンのデザインをいくら変えても意味がありません。
ボタンの位置を上に移動させるか、そこまで読ませるためのコンテンツ改善(記事構成の見直し)が必要です。
【LPO視点の目的:CTAを押すための「動機付け」ができているか?】
ユーザーがページのどこをじっくり読み、どこを読み飛ばしたかを色(赤〜青)で表示します。
・チェックポイント
CTAボタンの直前にある「ベネフィット」や「CTAボタン周辺のコピー」が赤くなっているかを確認します。
・改善のヒント
ボタン周辺が青い(読まれていない)場合、ユーザーはボタンを押すための十分な情報を得ていない可能性があります。
マイクロコピー(ボタンに添える一言)を工夫したり、目線が止まるようなアイコンを配置して、
ユーザーの視線をボタンへ誘導する必要があります。
【LPO視点の目的:CTAボタンは「正しく」認識されているか?】
ユーザーが実際にクリック(タップ)した箇所を特定します。
・チェックポイント
CTAボタンがしっかりクリックされているか?
リンクではない画像やテキストが、ボタンと間違えてクリックされていないか?
・改善のヒント
ボタン以外の場所が多くクリックされているなら、それはユーザーの「迷い」のサインです。
紛らわしい要素を排除するか、逆にクリックされている画像にリンクを設定するといった「導線の整理」が効果的です。
3つのヒートマップ活用まとめ表
| ヒートマップの種類 | 分かること | CTA改善への活かし方 |
| スクロール | ユーザーの到達地点 | ボタンの「配置場所」を最適化する |
| アテンション | ユーザーの関心度 | ボタン周辺の「納得感(コピー)」を高める |
| クリック | ユーザーの最終行動 | ボタンの「デザイン・識別性」を改善する |
ヒートマップを分析だけで終わらせてはいけません。
CVR(コンバージョン率)を阻害している要因は、特定のパターンとして現れます。
その要素は4つになります。
以下のフローチャートにある4つの「赤信号」が出ていないか確認しましょう。

一つでも出ていれば、以下の内容を読んでみてください。
スクロールヒートマップを分析すると、CTAボタンに到達する前までのエリアで、
ユーザーの離脱が急増している場合、コンテンツを見直す必要がございます。
具体的には、あるセクションを境に閲覧者数が15%以上減少している場合、
多くのユーザーがその先の情報に触れる前にページを離れていることを意味します。
■スクローるっせるタメのLPO改善策
・CTAボタンの表示位置を繰り上げる
ヒートマップ上で色が濃く(赤く)、多くのユーザーが滞在しているエリアへCTAボタンを移動しましょう。
これにより、ボタンの視認数(インプレッション数)を確実に増やすことができます。
コンテンツの整理・圧縮
離脱の要因となっている不要な情報や冗長な記述を削り、簡潔にまとめます。
CTAまでの距離を短縮することで、ユーザーの関心が維持されているうちにコンバージョン(CV)へ誘導する構成に改善します。
クリックヒートマップを確認した時に、本来リンクがないはずの画像やテキスト、
バナー風の装飾にクリックが集中していたとします。
これは、ユーザーがそれらを「遷移先がある要素」と誤認しており、
本来誘導すべきCTAボタンへの導線が弱まっていることを意味します。
■CTAクリック改善のためのLPO施策
1. ユーザーの反応箇所を「導線」に変換する
クリックが集中している非リンク要素(画像や見出し等)を、そのままコンバージョンへの入り口として活用します。
・リンクの設置
クリックされている画像やバナー風装飾に、直接コンバージョンページへのリンクを付与します。
・ページ内アンカーの活用
その箇所でまだ検討段階にあるユーザーに対しては、
ページ下部のCTAエリアへジャンプさせるアンカーリンクを設置し、スムーズにボタンへと誘導します。
2. CTAボタンの「アフォーダンス」を強化する
「どこが押せるか」を直感的に理解させるデザイン(アフォーダンス)へ改善し、他の装飾要素との差別化を図ります。
・視覚的記号の付与
立体感(ドロップシャドウ)、光沢感、または「>」などの矢印アイコンを追加し、
一目で「ボタンである」と認識させます。
・コントラストの最適化
ページ内の他のバナー装飾とは明確に異なる色(補色など)を採用し、
視覚的なプライオリティ(優先順位)を最上位に高めます。
・マイクロコピーの改善
「詳細はこちら」といった抽象的な表現ではなく、
「無料で資料をダウンロードする」など、クリックした後のアクションを具体化することでクリックの心理的ハードルを下げます。
アテンションヒートマップにてCTAボタンとその周辺が青色になっている場合、
ユーザーはCTAボタンを視界には入れているものの、「自分にとってクリックする価値があるもの」として認識していません。
ページ全体の流れの中でCTAが孤立しているか、
あるいは唐突すぎるために、意識がボタンを素通りしてしまっている状態です。
■CTAクリック改善のためのLPO施策
1. マイクロコピーによる「クリックの動機付け」と「心理的障壁の除去」
ボタン単体で判断させるのではなく、ボタンの周辺に
短い言語情報を添えることで、ユーザーに「今、クリックすべき理由」を直感的に理解させます。
・緊急性・限定性の付与:「期間限定」「先着100名」など、後回しにさせないためのフックを配置します。
・不安の解消:「解約はいつでも可能」「カード登録不要」など、
クリック直後に発生するリスクをあらかじめ否定し、クリックの心理的ハードルを下げます。
2. 「ストッピングパワー」を強化する印象的なアンカーの配置
漫然としたスクロールを物理的・心理的に止めるための「視線の停滞ポイント」を意図的に作り出します。
・アイキャッチの最適化
ユーザーの視線を惹きつける人物の顔(特にCTA方向を向いた視線)や、
具体的な成果物の画像をCTAの直近に配置し、視線をボタンへと吸い寄せます。
・視覚的コントラストの調整
ページ内の他のセクションとは異なる背景色や余白(ホワイトスペース)を使い、
CTAエリアを「重要な情報の塊」として際立たせることで、無意識の読み飛ばしを防ぎます。
・ベネフィットの再掲(マイクロヘッドライン)
ボタンの直前に、そのボタンを押すことで得られる最大のメリットを
「一行の強い見出し」として再配置し、ユーザーの注意を再起動させます。
アテンションヒートマップが「赤(熟読)」であるにもかかわらず、
クリックに繋がっていない状態は、「情報の納得感は高いが、
最後のアクションに対する心理的摩擦(フリクション)が払拭できていない」ことを示しています。
アテンションの高さは、コンテンツがユーザーの課題にマッチし、
高い関心を持って読まれている証拠です。
それなのにクリックされないのは、
CTAが要求するアクションの「重さ(リスク・負担)」が、
読み終わった直後の「期待値」を上回ってしまっている、いわゆる「決断の先送り」が発生している状態です。
■CTAクリック改善のためのLPO施策
1. 「行動巣ストレスが少ないCTA」にして心理的障壁を下げる
ユーザーに求める最終アクションのコミットメント(負担感)を下げ、
まずは「試してみる」ための入り口を広げます。
・マイクロコンバージョンの活用
「購入する」「申し込む」といった高ハードルな言葉を避け、
「まずは無料で試す」「3分でわかる資料をダウンロード」など、
ユーザーがノーリスクで次のステップへ進める選択肢を提示します。
・アクションの具体化と透明化
クリックした後に何が起きるのか(入力フォームは何項目か、
何分で終わるのか)を明示し、未知のプロセスに対する拒絶反応を抑えます。
2. 安心材料となる情報を配置して最終決定の正当化させます
ボタンを押そうとする瞬間に脳裏をよぎる「失敗したくない」という不安を、
客観的な事実(信頼の証拠)で即座に解消します。
・安心材料(信頼指標)の近接配置
CTAボタンの周辺に、送料無料・キャンセル自由・プライバシー保護(Pマーク/SSL)などの
「負のリスクを打ち消す情報」を配置します。
・社会的証明の提示
「導入社数◯◯社突破」「満足度98%」といった実績数値や、
第三者機関の認証マークをボタンの近くに添え、自身の選択が正しいことを直感的に確信させます。
・ベネフィットの最終念押し
「明日から業務が◯◯時間削減されます」といった、
アクション後のポジティブな変化を想起させるコピーを添え、期待値を最大化します。
分析で課題が見つかったら、次はその課題を解消するための「打ち手」を実行します。
ヒートマップのタイプ別に、効果の高い具体的なアクションを紹介します。

A. 「配置」の最適化(スクロールヒートマップ対策)
ボタンが十分にターゲット層まで届いていない場合の改善策です。
・ファーストビューへの設置
ページ下部に設置したCTAボタンの到達率が低い場合は、
ユーザーの離脱が少ない場所にボタンを移動することが効果的です。
具体的には、ファーストビュー(ページを開いた直後の画面)や、
「ここまで読んだユーザーなら、一定の理解や納得が得られているはず」と判断できるセクションの直下にCTAボタンを配置しましょう。
このようにすることで、ユーザーの関心や理解が高まったタイミングで行動を促すことができ、コンバージョン率の向上が期待できます。
・追従型(フロート)ボタンの採用
ユーザーがどの位置にいても常にボタンが表示されるよう、画面下部やサイドに固定されるボタンを導入します。
・コンテンツ間の差し込み
長めのランディングページでは、ユーザーの興味が高まっているエリアであっても離脱が発生してしまいます。
スクロールヒートマップやアテンションヒートマップで
「よく読まれているが、その後で離脱が増えている」ポイントを見つけた場合は、
そこが絶好の設置タイミングとなります。ユーザーの関心が冷める前に、自然な流れでアクションを促しましょう。
B. 「識別性」の向上(クリックヒートマップ対策)
ボタンがボタンとして認識されていない、またはノイズに負けている場合の改善策です。
・色のコントラスト調整
サイト全体のカラー基調とは反対の「補色」を使い、ボタンを際立たせます(例:青ベースのサイトにオレンジのボタン)。
・デザインの立体化・動機付け
影(ドロップシャドウ)をつけて「押せる感」を出したり、ボタン内に「>」などのアイコンを入れて進行方向を示唆します。
・ノイズの除去
ボタン周辺にある余計なリンクや、紛らわしいバナー風の装飾を削除
またはデザイン変更し、クリックをCTAボタン一点に集中させます。
C. 「納得感」の醸成(アテンションヒートマップ対策)
アテンションヒートマップで「ボタン周辺が読まれていない(青い)」、
あるいは「熟読されているのにクリックされない」という結果が出た場合、
ユーザーは「自分に関係があると思えていないか」、「あと一歩踏み出すための安心材料が足りない」状態です。
ここでは、ユーザーの背中を優しく、かつ強力に押す
「マイクロコピー」を中心とした改善アクションを解説します。
1. マイクロコピーで心理的ハードルを下げる
ボタンのすぐ近くに配置する短いテキスト(マイクロコピー)は、
ユーザーが抱く「面倒くさそう」「騙されたくない」という無意識の抵抗を打ち消す役割を果たします。
「損をしたくない」への対策
・例:「クレジットカード登録不要」「いつでも解約可能」「初期費用0円」
・効果: 経済的・時間的なリスクを排除し、クリックの「安全」を保障します。
「手間をかけたくない」への対策
・例:「わずか30秒で完了」「3ステップで診断」「スマホで完結」
・効果: 作業のゴールを明確にし、「今すぐできる」という動機付けを行います。
・アクション: ユーザーが「これは自分に必要だ!」と納得した瞬間(=熟読エリアの直後)にCTAボタンを配置します。
2. 「ベネフィット」の直下にCTAを再配置する
アテンションヒートマップで赤くなっている(熱量が高い)エリアは、
ユーザーが最も価値を感じている場所です。その「熱」を冷まさずにアクションへつなげます。
「今すぐ試して効果を実感する」など、
直前のコンテンツで得たベネフィットをボタンの文言にリピートさせると、クリック率はさらに向上します。
3. 不安を解消する「トラストシグナル」の配置
熟読されているのにクリックされない場合、ユーザーは「本当に信じて大丈夫か?」と迷っています。
ボタンの周辺に、客観的な安心材料を添えましょう。
・社会的証明の提示: 「導入社数5,000社突破」「満足度95.8%」などの具体的な数字をボタンの近くに添えます。
・プライバシーの配慮: 「ご入力いただいた情報は厳重に管理します」といった一言が、特に問い合わせフォームや資料請求などのB2Bシーンでは強力なマイクロコピーになります。
ヒートマップ分析によって「ボタンの色を変える」
「マイクロコピーを添える」といった改善案を実行するときには、ずA/Bテストを行いましょう。
ヒートマップは「ユーザーの心理(なぜ?)」を教えてくれますが、
A/Bテストは「どちらが正解か(結果)」を教えてくれます。この両輪を回すことが、LPOを成功させる鍵です。
以下の図のようにABテストを進めていきます。

補足説明をさせていただきます。
① 一度のテストで「変える要素」を絞る
効果を正しく測定するためには、一度に変更する箇所を最小限に絞ることが鉄則です。
・NG例:ボタンの色、文言、配置場所をすべて同時に変える。
・OK例:配置は変えず、「ボタンの文言(マイクロコピー)」だけを変えて比較する。
・理由:複数の要素を同時に変えると、CVRが上がった(下がった)真の原因が特定できなくなるためです。
② 「色」よりも「言葉(コピー)」を優先してテストする
ボタンの色(オレンジか緑か)のテストも重要ですが、
多くの場合、マイクロコピーやメインの訴求文言の方がCVRに大きなインパクトを与えます。
ヒートマップで「熟読されているのに押されない」という
課題が見つかったなら、まずは色を変えるよりも、
「ユーザーの不安を払拭する言葉」や「具体的なベネフィット」を戦わせるテストを優先しましょう。
③ 十分な「期間」と「サンプル数」を確保する
テストを開始して数日で一喜一憂するのは禁物です。
・期間の目安
最低でも1〜2週間は実施します。平日と休日でユーザーの層や行動が変わるため、1週間サイクルでの計測が基本です。
ただし、予算が少ない場合、100ユーザー単位で検証することも考えてみましょう。
④ テスト後の「ヒートマップ再確認」が次の成功を生む
A/Bテストで勝敗が決まったら、「勝った方のデザイン」のヒートマップをもう一度確認してください。
「マイクロコピーを追加したことで、ボタン周辺のアテンション(赤色)がどう変化したか?」
「意図通りにクリックの集中度が高まったか?」
これを繰り返すことで、自社サイトのユーザーに響く「勝ちパターン」の精度がどんどん上がっていきます。
ヒートマップは、ユーザーの行動を読み解くことで「何に迷いっているのか」を読み取ることができます。
1. 3つのマップ(スクロール・アテンション・クリック)で現状を把握する
2. 4つの赤信号(離脱・誤クリック・読み飛ばし・躊躇)を見つける
3. 配置・デザイン・マイクロコピーで具体的に改善する
4. A/Bテストで根拠を持って最適化を完了させる
このプロセスを繰り返すことで、CTAボタンは単なる「出口」ではなく、
ユーザーを次のステージへと導く「最高のおもてなし」へと進化します。
まずは今すぐ、あなたのサイトのヒートマップを開き、
ボタン周辺が「何色」になっているか確認することから始めてみてください。