メールマーケティングを活用している企業は多いですが、「どのメール配信システムを選べばいいのか?」と悩む人も少なくありません。機能が豊富なツールが増え、料金プランやサポート体制もそれぞれ異なるため、比較すればするほど迷ってしまうこともあるでしょう。
さまざまな企業でメール配信システムが導入される中、「導入したものの活用しきれない」「コストに見合った効果が得られない」といった課題がよく見られます。一方で、適切なシステムを選定した企業では、開封率やコンバージョンが大幅に向上した事例も多くあります。つまり、重要なのは“どのシステムを選ぶか”だけでなく、“どのように選定し、運用するか”という視点です。
この記事では、メール配信システムの選び方について、比較すべきポイントやチェックすべき要素をわかりやすく整理しました。また、導入の成功事例や、意外と見落としがちな注意点にも触れています。「どれが正解なのかわからない」と感じている方にとって、判断の助けになるはずです。
自社にぴったりのメール配信システムを選ぶために、ぜひ最後まで読んでみてください。
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「メール配信システム」と聞くと、メルマガを一括送信するツールを思い浮かべる人が多いかもしれません。確かにそれもひとつの用途ですが、実際にはより高度な機能を備えているものも少なくありません。顧客ごとに異なる情報を自動で送ったり、開封やクリックのデータを蓄積・分析したりと、ただメールを配信するだけではなく、マーケティング全体の成果を左右する重要な役割を持っています。
とはいえ、「メール配信サービス」と何が違うのか?という疑問を持つ人もいるでしょう。似たような名前が使われることが多く、明確な違いがわかりにくいのも事実です。そこで、まずはその点を整理しておきます。
「メール配信サービス」と「メール配信システム」は、厳密に分けられていないことも多いですが、一般的には以下のような違いがあります。
メール配信サービス
→ すぐに使えるクラウド型のツールで、登録すれば手軽にメール配信を始められるものが多い。個別のカスタマイズはあまりできません。
メール配信システム
→ より高度な機能を備え、自社のニーズに合わせて細かく設定できます。シナリオ配信、顧客データ連携、ABテストなど、マーケティング施策を本格的に展開したい企業向けです。
たとえば、「顧客ごとに異なるメールを自動送信したい」「配信結果を詳細に分析し、開封率を向上させたい」といった要望がある場合は、システムの方が適しているケースが多いです。一方で、シンプルにメルマガを配信するだけなら、サービスでも十分なこともあります。
では、具体的にどのような企業がメール配信システムを導入するべきなのでしょうか?主に以下のようなケースが考えられます。
1. 顧客ごとに異なる情報を届けたい企業
ECサイトやBtoBビジネスでは、顧客ごとに興味・関心が異なります。例えば、購入履歴に応じたおすすめ商品の案内や、過去の問い合わせ内容に基づいたフォローアップメールを自動で送ることで、売上やエンゲージメントが向上することもあります。
2. メールマーケティングの効果を最大化したい企業
開封率やクリック率を高めるために、配信時間の最適化、件名のABテスト、セグメント別の効果分析などを行いたい場合、システムの高度な機能が役立ちます。特に、数万件以上のリストを抱えている企業では、データの可視化が重要になってきます。
3. セキュリティを重視する企業
顧客情報を扱う以上、セキュリティは避けて通れません。特に、医療機関や金融機関など、厳しい情報管理が求められる業界では、システムのセキュリティ基準や運用体制をチェックする必要があります。安易に海外製のツールを使ってしまい、個人情報の扱いが不透明だった…という失敗談も少なくありません。
4. 社内の業務を効率化したい企業
「手作業でメールを送るのが大変」「担当者によって対応がバラバラになってしまう」といった悩みがある場合、システムを導入することで業務フローを整えられることがあります。特に、問い合わせ対応や契約更新のリマインドなどを自動化すれば、担当者の負担が減り、本来注力すべき業務に集中できるはずです。
メール配信システムを導入する際、最初にやるべきことは「どんな目的で使うのか?」を明確にすることです。これを曖昧にしたまま選ぶと、必要のない高機能なツールを導入してしまったり、逆に使いたい機能が足りなかったりと、後々後悔することになりかねません。
また、配信リストの管理方法やセキュリティ面についても、事前に考えておくべきポイントがあります。特に最近は、個人情報の取り扱いに厳しい規制が求められることも多く、適当に運用するとトラブルになりかねません。
ここでは、メール配信システムを選ぶ前に整理しておきたい3つのポイントを解説します。
一口にメール配信システムといっても、用途によって必要な機能が異なります。例えば、「とりあえずメールを一括送信できればいい」という場合と、「顧客ごとに最適なタイミングで自動配信したい」という場合では、選ぶべきツールが変わってきます。
具体的には、以下のような目的を整理すると、自社に合ったシステムが見えてくるはずです。
メルマガ配信(定期的な情報発信)
→ シンプルな配信機能があれば十分なことが多い。テンプレート作成や配信予約ができると便利。
ステップメール(自動シナリオ配信)
→ 資料請求や会員登録後に、適切なタイミングでメールを自動送信する機能が必要。
販促・プロモーションメール(売上向上を目的とした配信)
→ A/Bテストや開封率・クリック率の分析機能があると効果的。
社内通知(従業員向けの連絡)
→ 誤送信を防ぐ仕組みや、既読確認機能が求められることも。
過去に、「ステップメールを活用したかったのに、シンプルな一括配信ツールを選んでしまった…」という企業の相談を受けたことがあります。このような失敗を避けるためにも、何のためにメールを送るのかを明確にしておくことが重要です。
メールを配信する以上、法律やセキュリティ面にも注意を払う必要があります。特に、日本では「特定電子メール法」や「個人情報保護法」によって、広告メールの配信ルールが定められています。
例えば、以下のような点に気をつけなければなりません。
ユーザーの同意を得る
→ 勝手に広告メールを送るのはNG。事前に配信許可を取る必要がある。
オプトアウト(配信停止)の仕組みを用意する
→ 受信者が「もうメールを受け取りたくない」と思ったときに、簡単に解除できるようにする。
個人情報の取り扱いに注意する
→ 氏名やメールアドレスを適切に管理し、外部流出しないようにする。
BtoBの企業では、「顧客リストを外部ツールにアップロードするのが怖い」という声もあります。その場合は、国内企業が提供しているシステムを選ぶと、安心感があるかもしれません。また、暗号化やIP制限などのセキュリティ機能が充実しているかも、事前にチェックしておきたいポイントです。
意外と見落とされがちなのが、配信リストの管理方法です。どんなに高性能なメール配信システムを導入しても、リストの質が悪ければ効果は期待できません。リストの整理ができていないと、届かないメールが増えたり、迷惑メールフォルダに入ってしまったりすることもあります。
メール配信を成功させるためには、以下のような点を意識してリスト管理を行うのがおすすめです。
定期的にリストをクリーンアップする
→ ずっと開封されていないアドレスや、エラーメールが多いアドレスを削除することができます
セグメント分けを行う
→ 顧客の属性や行動履歴に応じて、適切なターゲットに適切なメールを届けることができます。
配信頻度を調整する
→ 送りすぎると迷惑がられ、解除されてしまうこともあります。
以前、ある企業の担当者から「リストが増えすぎて管理できない」と相談されたことがあります。その会社では、過去に獲得したメールアドレスを何年も放置していたため、配信エラーや迷惑メール扱いになる率が高く、結果的にメールマーケティングの効果が下がっていました。こうした事態を防ぐためにも、配信リストの整理は重要です。
メール配信システムを選ぶ際、「どのツールも同じように見えて、決め手がわからない」と感じたことはありませんか?実際に導入してから「思っていた機能がなかった」「コストが想定以上にかかった」など、後悔するケースも少なくありません。
後悔しない選び方をするためにおさえておくべき、5つのポイントを紹介させていただきます。
メール配信システムを選ぶうえで、最初に確認したいのが**「どのくらいの規模で配信するのか」**という点です。月に数百件しか送らないのか、数十万件以上を一括配信するのかによって、適したシステムが変わります。
また、到達率(メールが確実に受信箱へ届く割合)も見逃せません。どれだけ優れたメールを作っても、届かなければ意味がありません。特に、大量配信を行う場合は、以下のような点を確認しておくのがおすすめです。
IPウォームアップ機能の有無
→ 新しい送信ドメインを使う場合、一度に大量配信するとスパム扱いされることがある。これを防ぐ機能があるかどうか。
専用IPの利用可否
→ 共有IPよりも、専用IPの方がスパム判定されにくく、安定した配信が期待できる。
迷惑メール対策機能
→ DKIMやSPFなどの認証設定が簡単にできるか。
BtoC向けに配信する企業は、到達率が売上に直結することもあります。
メール配信システムによって搭載されている機能は大きく異なります。「とりあえずメルマガが送れればいい」という場合と、「ターゲットごとに細かく配信を分けたい」という場合では、必要な機能が変わってきます。
例えば、以下のような機能があるかどうかは、事前にチェックしておきたいところです。
ステップメール(あらかじめ設定したスケジュールで自動配信)
→ 資料請求や申し込み後に、適切なタイミングでフォローアップメールを送るために必要となります。。
セグメント配信(顧客の属性や行動履歴に基づいて配信)
→ 購入履歴、サイト訪問履歴、開封率などでグループを分け、それぞれに最適なメールを送れます。
A/Bテスト(件名や本文の違いで効果を比較)
→ どのタイトルが開封されやすいか、どんな内容がクリックされやすいかを検証するために役立ちます。
これらの機能が「使いやすいかどうか」も重要です。ツールによっては、設定が複雑で手間がかかるものもあります。試用期間を活用して、実際の操作感を確認するのもおすすめです。
メール配信システムは、導入して終わりではなく、継続的に運用していくツールです。そのため、「管理画面の使いやすさ」は意外と重要なポイントになります。
以下のような点をチェックすると、実際に運用する際のストレスを減らせます。
直感的に操作できるか(ドラッグ&ドロップで簡単に設定できるか)
テンプレートが充実しているか(デザインや配信パターンのテンプレートがあると便利)
複数の担当者で管理しやすいか(権限設定や履歴管理ができるか)
過去に、「導入したものの、設定が複雑すぎて社内で使いこなせなかった」という声を聞いたことがあります。こうした失敗を避けるためにも、管理画面の見やすさや、直感的に操作できるかどうかを事前に確認しておくことが大切です。
システムによって料金体系はさまざまですが、主に以下の2つのパターンが多いです。
・配信数に応じた従量課金制
・一定の月額料金制(配信数無制限の場合も)
「どれくらいの頻度でメールを送るのか」によって、どちらが適しているかが変わります。たとえば、頻繁に大量配信を行う場合は、配信数無制限のプランのほうがコストを抑えられるかもしれません。
また、追加料金がかかるケースもあるため、以下のような項目を確認しておくと安心です。
・アカウント数の制限はあるか?
・基本機能以外にオプション費用が発生しないか?
・長期契約をすると割引があるか?
一見安いプランに見えても、実際に運用するとコストがかさんでしまうこともあるので、トータルの費用感をしっかり比較することをおすすめします。
最後に見落としがちなのがサポート体制です。特に初めて導入する場合や、複雑なシステムを使う場合は、サポートの質が大きく影響します。
例えば、以下のような点を確認しておくと、運用がスム-ズになります。
・チャットや電話でのサポートはあるか?
・導入時に設定を手伝ってくれるか?
・トラブル発生時の対応スピードは早いか?
過去に、サポートが手厚いシステムを導入した企業から「運用のコツまでアドバイスしてもらえて、効果が大きく変わった」という話を聞いたことがあります。逆に、サポートが手薄なツールを選んでしまい、「結局使いこなせずに乗り換えた」というケースもあるので、サポートの充実度は意外と重要な要素です。
メール配信システムを選ぶ際、どのサービスが自社に適しているのか迷われることも多いかと思います。私自身、クライアントから「どのシステムが一番良いのか?」と尋ねられることがしばしばありますが、実際には企業の規模や目的によって適したシステムは異なります。そこで、主要なメール配信システムを機能や価格、特徴ごとに比較し、業種別のおすすめサービスもご紹介します。
以下に、代表的なメール配信システムをまとめました。各サービスの特徴や料金を比較することで、自社に最適なシステム選定の一助となれば幸いです。
サービス名 | 特徴 | 料金(税込) |
---|---|---|
AutoBiz | 20年以上の提供実績と20,000社以上の導入実績。信頼性が高く、基本的な機能を網羅。 | 月額3,520円 |
める配くん | 業界最安クラスの料金設定。少量のメール配信を行う企業に適している。 | 月額1,980円~ |
SendGrid | 世界80,000社での利用実績。日本語マニュアルがあり、グローバルな展開を視野に入れる企業向け。 | 月額2,300円(4万通まで)~ |
MailChimp | 世界1,300万社で利用。無料プランがあり、初めてメール配信システムを導入する企業にもおすすめ。 | 月額1,150円~ |
BENCHMARK Email | 世界50万社での利用実績。日本法人があり、日本語サポートも充実。 | 月額1,785円~ |
WEBCAS e-mail | 直感的な操作性と充実したサポート体制。大量配信や高度な分析機能を求める企業に適している。 | 初期費用3万円~、月額費用1万円~(ASP型の場合) |
注:料金や機能はサービス提供元の最新情報をご確認ください。
iいろいろなメール配信システムを知りたい方は、この記事「メール配信システム比較19選、機能やポイント、無料プランの有無などを解説」をご覧になってください。
企業の業種や規模によって、適したメール配信システムは異なります。以下に、業種別のおすすめサービスをまとめました。
WEBCAS e-mail
・特徴:高度なセグメント配信やステップメール機能を備え、BtoBマーケティングに適しています。
・おすすめ理由:見込み客の育成やナーチャリングを効果的に行いたい企業にとって、充実した分析機能とサポート体制が魅力です。
MailChimp
・特徴:豊富なテンプレートと直感的な操作性。無料プランもあり、初めての導入にも適しています。
・おすすめ理由:多彩なデザインのメールを簡単に作成でき、消費者向けのプロモーションやニュースレター配信に最適です。
SendGrid
・特徴:大量のメール配信に対応し、高い到達率を誇ります。API連携も容易で、システムとの統合がスムーズです。
・おすすめ理由:グローバルな展開を行う大企業にとって、信頼性の高い配信と柔軟なカスタマイズ性が魅力です。
める配くん
・特徴:低価格で基本的なメール配信機能を提供。少量のメール配信を行う事業者に適しています。
・おすすめ理由:コストを抑えつつ、必要最低限の機能を利用したい小規模事業者にとって、手軽に導入できる点がメリットです。
メール配信システムを導入すると、手作業での配信作業が減り、マーケティングの効率も上がるでしょう。しかし、適切な運用ができていないと、配信リストの質が低下したり、迷惑メール扱いされたりと、思わぬ落とし穴にはまることがあります。以下のポイントをおさえて、検討してください。
メール配信の成果を左右する大きな要因の一つが、「リストの質」です。どんなに魅力的な内容を送っても、そもそもメールが読まれていなければ意味がありません。
配信リストを健全な状態に保つためには、次のような工夫が必要です。
・古いアドレスの整理
長期間、反応がないアドレスを抱えたままだと、配信リストの質が下がります。開封履歴やクリック履歴をチェックし、一定期間反応がないアドレスは定期的に削除するのがおすすめです。
・ダブルオプトインの導入
ユーザーが登録時に確認メールを受け取り、本登録を完了しないとリストに追加されない仕組みです。これにより、誤入力や不正アドレスの混入を防ぐことができます。
・配信停止をスムーズに
「不要なメールが届く」と感じると、受信者は迷惑メール報告をすることがあります。こうなると、配信全体の到達率が下がる原因にもなります。配信停止リンクをわかりやすい場所に設置し、解除を簡単にできるようにしましょう。
過去に、ある企業が「リストは多いのに効果が出ない」と悩んでいたことがありました。話を聞くと、数年間放置されたアドレスが多数含まれていたのです。リストの管理を徹底し、開封率の低いアドレスを整理したところ、メールの成果が大きく改善しました。
せっかく配信しても、受信者の「迷惑メールフォルダ」に入ってしまうと、ほとんどの人に読まれません。これを防ぐには、いくつかの技術的な対策を取ることが重要です。
・送信ドメイン認証を設定する
メールが正当な送信元から送られていることを証明するために、SPF、DKIM、DMARCといった認証を設定する必要があります。これらを適切に設定することで、スパム扱いされにくくなります。
・過剰なHTML装飾を避ける
HTMLメールは、過剰な装飾や画像を多用するとスパム判定されやすくなります。例えば、以下のような要素が多いと、迷惑メールフォルダに振り分けられることがあります。
・すべての文字が大文字
・過度な絵文字の使用
・「今すぐクリック!」などの煽り文句
・画像だけのメール(テキストが少なすぎる)
・一度に大量送信しない
新しい送信ドメインを使い始めたばかりの段階で、一度に大量のメールを送ると、スパム判定を受けやすくなります。最初は少量から送信し、徐々に配信数を増やしていく「IPウォームアップ」を行うのが理想です。
メールマーケティングを始めたばかりの企業が、突然数万通のメールを一括送信した結果、大半が迷惑メールフォルダに入ってしまい、開封率が極端に低かったというケースもあります。こうしたリスクを避けるためにも、段階的な配信を意識するとよいでしょう。
配信リストや技術的な設定が整っていても、メールの配信タイミングや頻度が適切でなければ、効果は期待できません。むしろ、送る頻度が多すぎると「しつこい」と思われ、解除されてしまうこともあります。
・適切な配信頻度を見極める
どのくらいの頻度で送るべきかは、業界やターゲット層によって異なります。参考例として以下もご覧になってください。
ECサイトの販促メール:週1〜2回が目安(セールやキャンペーンの頻度に応じて調整)
BtoBの情報提供メール:月1〜2回が適切(有益な情報を届けることが重要)
ニュースレター:週1回程度が目安(長すぎると忘れられ、短すぎると飽きられる)
過去に、BtoB企業が「週3回のメール配信」を行っていたところ、解除率が急上昇したケースがありました。頻度を月2回に抑えたところ、開封率が安定し、成果が向上しました。適切な間隔を見つけるために、配信頻度ごとのデータを分析することも大切です。
・開封されやすいタイミングを狙う
メールが読まれやすい時間帯も、ターゲットによって異なります。
・ビジネス向けのメール:平日午前9時〜11時、または午後2時〜4時
・消費者向けのメール:夜8時〜10時、または土日の昼間
ABテストを行い、どの時間帯に開封率が高いのかを分析することで、最適なタイミングを見つけることができます。
メール配信システムについて調べると、「無料のサービスでも十分なのか?」「海外製と国内製、どちらを選ぶべきか?」など、気になる点がいくつも出てくるかもしれません。そこで、よく聞かれる質問について、実際の経験も交えながらお答えします。
Q1. 無料のメール配信システムは使える?
結論から言うと、用途によります。無料プランを提供しているサービスもあり、特に小規模なメール配信を考えているなら、十分に活用できるでしょう。ただし、無料版にはいくつかの制限があることが多いため、事前に確認しておくことをおすすめします。
無料のシステムを使う際の注意点
・配信数の上限 → 例えば、MailChimpは無料で利用できますが、月間の送信数には制限があります。
・独自ドメインが使えないことがある → 送信元のアドレスがシステム提供会社のものになる場合があり、ブランドの信頼性に影響することも。
・サポートが限定的 → 問い合わせ対応がなかったり、サポートが英語のみの場合もある。
短期間のテストや、小規模なリストでの運用であれば、無料プランで十分かもしれません。ただし、本格的に運用する場合は、配信数や到達率を考慮し、有料プランの導入を検討したほうがよいでしょう。
Q2. 海外製と国内製、どっちがいい?
これは、求める機能やサポートの面で選ぶべきポイントが異なります。
海外製のメリット
・低コストで高機能なツールが多いです。
・グローバル企業向けの機能が充実しております。
・多言語対応がしやすいです。(多国籍マーケティングに適しています。)
海外製のデメリット
・サポートが英語のみでのサポートが多いです。
・国内の法律(特定電子メール法など)に準拠していないことがあります。
・日本語のマニュアルが不十分なこともあります。
国内製のメリット
・日本の法律やビジネス環境に適しています。
・サポートが充実していています。
・日本語のUIが使いやすいです。
国内製のデメリット
・海外製に比べると、コストが高いことが多いです。
・グローバル展開を考えると制約になる可能性もございます。
「これからメールマーケティングを始めたい」「難しい操作は避けたい」という方に向けて、初心者でも扱いやすいシステムを選ぶ際のポイントを紹介させていただきます。
選ぶ際の基準
・管理画面がシンプルで直感的に使えます。
・基本的なテンプレートや自動配信機能がそろっています。
・サポートが充実しています。
初心者向けのおすすめサービス
・Benchmark Email(国内対応あり) → 操作がシンプルで、日本語のサポートも充実しています。
・める配くん(国内製) → 低コストで始められ、基本的な機能は十分そろっています。
初心者の場合、最初から高機能なシステムを選ぶと、使いこなせずに手間が増えることがあります。まずはシンプルなツールで始めて、慣れてきたらより高度なシステムに移行するのも一つの方法です。
メールマーケティングの成果を上げるには、「配信して終わり」ではなく、効果をしっかり分析し、改善を繰り返すことが重要です。
測定すべき指標
開封率 → 受信者がメールを開いた割合(件名や送信時間の影響を受ける)
クリック率 → メール内のリンクがクリックされた割合(コンテンツやデザインの影響を受ける)
コンバージョン率 → メールを受け取った人が、目的のアクション(購入や問い合わせ)をした割合
配信停止率 → メールの配信解除をした人の割合(配信頻度や内容の適切さをチェックするために重要)
効果を上げるためのポイント
・A/Bテストを行う → 件名や配信時間を変えて、どちらのメールが効果的か比較します。
・セグメント配信を活用する → 受信者の属性や行動に合わせて、異なるメールを配信します。
・分析機能が充実したシステムを選ぶ → SendGridやBenchmark Emailなど、詳細なレポートを提供するツールもございます。
メール配信システムを選ぶ際は、目的の明確化・機能の比較・運用のしやすさが重要です。単にメールを送るだけでなく、到達率や開封率を高める施策も求められます。特に、配信リストの管理や迷惑メール対策を適切に行わないと、せっかくの施策も効果が半減してしまいます。
また、システム選びでは国内製と海外製の違い、料金プラン、サポート体制を確認することが大切です。初心者向けのシンプルなツールから、大規模運用向けの高機能ツールまでさまざまな選択肢があります。導入後も、効果測定と改善を繰り返しながら、自社に最適な運用方法を見つけていきましょう。