タグマネージャー
タグマネージャーは、広告の成果やサイトのパフォーマンスを計測するために、アプリやウェブサイトに追加する「タグ」を効率よく管理するためのツールです。
これを使うと、ウェブサイトからの成果を最大限にするためのさまざまな施策のために必要なタグを毎回エンジニアにお願いをしてサイトに実装する依頼をすることなく、コーディングの知識を持っていない担当者でも自分で簡単に追加・修正できるようになります。
また、設定したタグがちゃんと動いているかどうかを事前にチェックできるテスト機能もあり、設定ミスや誤作動を未然に防げます。
ここでは、タグマネージャーの基本的な仕組みから、具体的な導入方法、さらに実際の活用事例までを解説させていただきます。
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タグマネージャーとは?
タグマネージャーは、Webサイトやモバイルアプリに計測タグを入れ込み一括で管理できるツールです。例えば、Google アナリティクス(GA4)のトラッキングコードや、広告の成果を測るためのタグ、ヒートマップツールの計測タグなど、さまざまな目的で使用されるコードをまとめて設定・管理できます。
これにより、エンジニアに対して必要のたびに依頼する必要がなくなり、マーケティング担当者でもタグの追加・変更が容易に行えます。
タグってそもそも何?
タグとは、チードのことで、ウェブサイトの訪問者数やサイト内でのユーザーの動きや操作を記録するために利用されます。
これらは通常、JavaScript や HTML に記述され、以下のような目的で使用されます。
・アクセス解析:どれだけの人がサイトに訪れたか、どのページが特に人気があるかを把握するために測定
・広告効果測定:広告のクリック数やコンバージョン率を測定
・コンバージョン計測:フォーム送信や商品購入など、重要なアクションを記録
これらのタグを適切に管理することが、マーケティング施策の成果を正しく評価するためには欠かせません。
タグマネージャーを使うメリット
1. 設定と更新が簡単
通常、タグを追加したり修正したりする際は、サイトのコードに直接手を加える必要があります。しかし、タグマネージャーさえあれば、これらの作業を専用の管理画面から簡単に行えるようになります。
その結果、タグ設定にかかる時間が大幅に短縮され、作業効率が大きく向上します。
2. タグの整理が容易
タグを多く追加しすぎると、サイトの読み込み速度が低下する原因になることがあります。しかし、タグマネージャーを使うと、複数のタグをひとつの「コンテナ」に集約して管理できるため、サイト全体の動作が軽くなり、タグの整理もしやすくなります。
3. 変更履歴が自動で保存
コードに直接タグを追加すると、誰がいつどのような変更を加えたのか追跡するのが難しくなります。
タグマネージャーには、設定内容を記録し管理するバージョン管理機能が備わっており、設定の変更履歴が自動で保存されるため、
問題が発生した際に迅速に原因を特定し、元の状態に戻すことが容易です。
タグマネージャーの基本機能
一つの管理画面でさまざまなツールのタグを運用
通常、幾つものタグをウェブサイトに設定する際には、それぞれのタグを個別に設定する必要があります。
タグマネージャーは、これらのタグを一つの管理画面で一括して設定・管理できるため、
運用がシンプルになり、設定ミスを減らせるというメリットがあります。
例えば、Google アナリティクスの計測タグ、Meta広告のピクセル、ヒートマップツール用のタグなど、
多様なタグを一箇所でまとめて管理できる点が大きな特徴です。
沢山の種類のトリガーの設定が可能
タグが実際に動作するタイミング(トリガー)も自由に設定可能です。
たとえば、「ページが読み込まれたとき」「ボタンがクリックされたとき」「フォームが送信されたとき」など、
具体的なアクションに応じてタグが発動する条件を細かく設定できます。
これにより、より正確なデータ収集が可能になり、ターゲティング精度も向上します。
動作確認と品質管理
タグを設定した後に、その動作が正しいかどうかを事前に動作チェックできるプレビューモードも備わっています。
この機能を使うと、タグが意図したタイミングで発動するかを公開前に確認できるため、
設定ミスによるデータ漏れや計測エラーを防ぐことができます。
これにより、安心してタグを公開することができ、品質管理にも役立ちます。
タグマネージャーの導入手順
1. アカウントの新規作成
まず、Google タグマネージャー(GTM)の公式サイトからアカウントを新規に作成します。
アカウント名には、管理するウェブサイトやアプリの名前を設定しておくと後で管理がしやすくなります。
2. コンテナのセットアップ
次に、タグをまとめて管理する「コンテナ」を作成します。
これは、一つのウェブサイトやアプリに関連するタグを収納する入れ物のようなものです。
コンテナを作成すると、2 つのコード(スニペット)が発行されます。
これらのコードを、サイトの<head>タグ内と<body>タグ内に貼り付けて準備完了です。
3. タグの追加
コンテナが準備できたら、実際に計測用のタグを追加します。
たとえば、Google アナリティクスのトラッキングコードや広告のコンバージョンタグなど、
マーケティングやデータ解析に必要なタグを設定しましょう。
タグごとに発火条件(トリガー)も同時に設定することで、より正確なデータが取得できます。
4. 動作確認と公開
タグを設定したら、そのタグが正しく動作するかを確認します。
プレビューモードを使って事前に動作をテストし、問題がなければその設定を公開して運用を開始しましょう。
これで、ウェブサイトのデータ収集や広告効果の測定がスムーズに行えるようになります。
初心者が注意すべきポイント
初期設定はエンジニアに協力を依頼
最初のタグ埋め込みはやや複雑なため、専門のエンジニアにお願いするのが無難です。
設定ミスを防ぐためにテストは必須
プレビューモードで動作を確認し、正しくタグが発火することを必ずチェックしましょう。
タグの追加は必要最小限に
タグが多すぎると、サイトのパフォーマンスが低下する可能性があります。
まとめ
タグマネージャーは、効率的なタグ管理と迅速なマーケティング施策を実現する強力なツールです。
特に、頻繁にタグを追加・修正する必要があるサイトや、複数の人が関わるプロジェクトには大きなメリットがあります。
初心者でも簡単に扱えるので、まずは基本から試してみましょう。