インプレッションシェア
広告運用で成果が伸びないとき、ついクリック率やコンバージョン率ばかりを見てしまいがちです。
しかし実際には、広告文やLPの問題ではなく、
そもそも広告が十分に出ていないことが原因になっている場合があります。
そこで確認したいのがインプレッションシェアです。
これは広告の良し悪しを直接表す指標というより、
本来拾えたかもしれない表示機会をどの程度確保できていたか を読むための数値です。
Google 広告でも、インプレッションシェアは「実際に獲得した表示回数」と「獲得可能だった表示回数」の比率として説明されています。
今回、
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インプレッションシェアとは?
インプレッションシェアは、広告が出られる見込みのあった
場面のうち、どれだけ実際にオークション参加・表示までたどり着けたかを見るための指標です。
単なる表示回数そのものではなく、取り得た可能性と実績の差 を見るところに意味があります。
Google 広告の定義でも、インプレッションシェアは
「獲得した表示回数 ÷ 総 eligible impressions」で表され、
eligible impressions はターゲティング、承認状況、品質などを踏まえた推定値とされています。
この指標で分かること
インプレッションシェアを見ると、広告成果が伸び悩む
理由が「訴求力の弱さ」なのか、「表示機会の不足」なのかを切り分けやすくなります。
例えば、クリックが少ない場合でも、十分に表示されていたうえで
反応が弱いのか、そもそも表示回数を確保できていないのかで、打つべき改善策は変わります。
インプレッションシェアが低いなら、広告文改善より先に、
予算や入札、Ad Rank まわりを確認したほうがよい場合があります。
Google も、この指標は「入札額や予算を増やせばさらに多くの人に届く余地があるか」を理解するのに役立つと案内しています。
インプレッションシェアを算出するための計算の考え方
インプレッションシェアは以下の数式で算出できます。
インプレッションシェア = 実際に表示された回数 ÷ 表示資格があったと見積もられる回数
ここで重要なのは、分母が市場全体の表示回数ではなく、
自分の広告が条件上出られた可能性のある回数 だという点です。
Google 広告ヘルプでも、eligible impressions は推定値であり、
ターゲティング設定、広告承認状況、品質など多くの要素から算出されると説明されています。
シェアが取り切れない主な理由
予算が先に尽きている
1日の途中で配信余力がなくなると、出せたはずのオークションに参加できなくなります。
Google は、予算不足による取り逃がしを Lost IS(budget)関連の指標で確認できるようにしています。
Ad Rank が競争に負けている
入札だけでなく、広告の関連性や品質が弱いと、表示候補には入れても実際の表示で不利になります。
Google の関連ヘルプではSearch lost top impression share(rank)や
Search lost absolute top impression share(rank)は、Ad Rank が原因で上位表示を逃した度合いを示すと説明されています。
競合の圧力が強い
同じ検索面に強い広告主が多いと、
今まで取れていた表示機会が減ることがあります。
Google のコミュニティ回答でも、lost impression share(rank)の
悪化は競合の入札や競争環境の変化で起こり得ると説明されています。
設定条件が狭すぎる
地域、時間帯、端末、オーディエンスなどを絞り込みすぎると、
理論上の配信余地そのものが細くなることがあります。
この場合、配信不足というより、設計上の母数が小さい可能性もあります。
これは公式定義にある targeting settings が eligible impressions に影響するという説明とも整合します。
クリック率との違い
クリック率は、「出た広告がどれだけ押されたか」を見る数値です。
一方、インプレッションシェアは、「出られたはずの場面でどれだけ出られたか」を見る数値です。
つまり、クリック率は表示後の反応を測るのに向いており、
インプレッションシェアは表示前の取りこぼしを把握するのに向いています。
広告が出ているのにクリックされないのか、
出る前の段階で機会を失っているのかを分けて考えることが大切です。
Google もインプレッションシェアを競争指標として扱い、
他広告との相対的な取りこぼし把握に役立つと案内しています。
見るべき関連指標
Search / Display impression share
検索とディスプレイでは別々に確認する必要があります。
Google Ads や Search Ads 360 のヘルプでも、キャンペーンタイプごとに別指標として扱われています。
Lost IS(budget)
予算不足でどの程度機会を逃したかを見る補助指標です。
予算配分の見直しが必要かを判断しやすくなります。
Lost IS(rank)
Ad Rank の弱さが原因で、どれくらい表示機会を失ったかを見る指標です。
入札や広告品質の改善優先度を判断しやすくなります。
Top IS / Absolute Top IS
表示されたかどうかだけでなく、どれくらい目立つ位置を確保できていたかを見る指標です。
Google は top impression share と absolute top impression share を、上部表示や最上部表示の占有度を把握する指標として案内しています。
改善するときの考え方
まず原因を分ける
数値が低いこと自体より、「予算要因なのか、Ad Rank 要因なのか」を分けるほうが先です。
同じ低下でも、打つべき手はまったく違います。Google も lost IS の列を見て、入札か予算かを切り分ける考え方を案内しています。
守るべき領域を決める
すべてのキーワードや配信面で高シェアを目指す必要はありません。
指名検索、利益率の高い領域、重要商材など、守る優先順位を決めるほうが運用しやすくなります。
Ad Rank 改善は入札だけではない
入札強化だけでなく、広告文の関連性や着地先との整合性も見直したほうが、無理なコスト増を避けやすくなります。
これは Google が eligible impressions の推定要素として quality を挙げていることとも整合します。
シェアだけで評価しない
インプレッションシェアが高くても、成果の薄いキーワードに偏っていれば意味がありません。
CTR、CVR、CPA、ROAS などと一緒に見て、「取るべき場面を取れているか」で判断することが大切です。
この指標が特に役立つ場面
キーワードを守りたいとき
ブランド名やサービス名の検索で表示を逃すと、
競合へ機会を渡しやすくなります。
そのため、重要指名語ではインプレッションシェアの確認価値が高くなります。
表示量が思ったより伸びないとき
配信量不足の原因が、キーワード選定や広告文ではなく、
そもそもの表示取り逃がしにあるかを見つけやすくなります。
予算配分の優先順位を決めたいとき
限られた予算の中で、どこに追加投資すべきかを考える際の判断材料になります。
Google も、インプレッションシェアは入札や予算を増やす余地の把握に有効と案内しています。
よくある質問
インプレッションシェアとは何ですか?
広告が表示される可能性のあった回数に対して、
実際に表示された回数の割合です。
Google 広告では impressions ÷ total eligible impressions と説明されています。
低いときは何を疑うべきですか?
まずは予算不足か、Ad Rank の弱さかを疑うのが基本です。
Lost IS の関連指標で切り分けしやすくなります。
クリック率と何が違いますか?
クリック率は表示後の反応、インプレッションシェアは表示前段階の取り逃がしを把握する指標です。
100%を目指すべきですか?
必ずしもそうではありません。
重要な領域で十分な機会を確保できているかが大切です。
Google もシェアは入札や予算の余地把握に使うものとして
説明しており、全領域で一律に100%を目指すべきとはしていません。
まとめ
インプレッションシェアは、広告の成果指標というより、
広告の出番をどれだけ逃しているかを読むための指標です。
クリックが少ないときも、原因が訴求ではなく
表示不足にあるなら、見るべき場所はまったく変わります。
そのため、インプレッションシェアは単独で良し悪しを決めるより、
・どこで機会を失っているのか、
・その理由は予算なのか Ad Rank なのか、
・本当に守るべき領域で不足していないか、
この3点を整理するために使うと実務で役立ちます。