ビュースルーコンバージョン
あなたの広告は、本当に成果を上げているのでしょうか?
クリックされなかった広告が、意外にも売上に貢献しているとしたら・・・。
デジタル広告の効果を測定するとき、多くの人はクリック数やコンバージョン数に注目します。しかし、目にした広告を後ほど思い出してウェブサイトに訪問して購入や申し込みにつながるケースがあるのも事実です。これが「ビュースルーコンバージョン」と呼ばれる指標です。
「クリックされなかった広告が影響を与える?」と疑問に思うかもしれませんが、現代の消費行動を考えると、決して不思議なことではありません。
たとえば、気になる商品を一度広告で見かけたあと、直接検索して購入した経験はないでしょうか? このような“見えにくい貢献”を数値化することで、広告の本当の価値が見えてきます。
とはいえ、ビュースルーコンバージョンをどう扱うべきかは、意見が分かれるところです。「実際の売上と関係があるのか?」「数値を信用していいのか?」といった懸念を持つ方も多いでしょう
。広告運用の場面でも、「どこまで重要視すべきか」が悩ましいポイントになっています。
そこで、この記事では ビュースルーコンバージョンの本質を理解し、広告戦略にどう生かすかについて、定義や計測方法はもちろん、他の指標との違い、実際の活用例、正しく評価するための視点まで幅広く解説させていただきます。
「なんとなく気にしていたけど、深くは知らなかった」そんな方にこそ、ぜひ最後まで読んでほしい内容です。広告の効果を適切に測ることで、次の施策の精度も変わってくるはずです。
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ビュースルーコンバージョンとは?
広告効果を測定する際、多くの人がまず注目するのは「クリック数」と「コンバージョン数」です。しかし、オンライン広告の役割は、単にクリックを集めることだけではありません。広告が目に触れることで、あとから思い出し、検索や直接訪問を経て購入や問い合わせに至るケースは少なくありません。
ビュースルーコンバージョンは、こうした「広告をクリックせずに発生したコンバージョン」を示す指標です。具体的には、ユーザーが広告を視認(画面上に表示された状態)した後、一定期間内に何らかのアクションを起こした場合にカウントされます。
たとえば、あるブランドのディスプレイ広告を見た人が、その場では何もしなかったものの、数日後にブランド名を検索し、公式サイトで商品を購入したとします。このとき、広告の影響がどの程度あったのかを数値で把握するためにビュースルーコンバージョンが使われます。
クリックしなくても広告は影響を与える
「クリックしていないのに、広告が貢献したといえるのか?」と疑問を持つかもしれません。確かに、直接的なクリックとは違い、影響を正確に測るのは難しい部分もあります。ですが、消費者の行動を考えると、広告を“見る”ことが意思決定に影響を与える場面は多いです。
例えば、テレビCMや雑誌の広告。見ただけではすぐに商品を買わなくても、「そういえば、あのブランドがあったな」と後から思い出し、店舗や公式サイトを訪れることはよくあります。これはデジタル広告でも同じことがいえます。
ビュースルーコンバージョンは、この「視認による間接的な影響」を捉えるための手段です。ブランド認知や購買意欲の形成にどれだけ貢献しているのかを、より正確に判断するために活用されます。
この指標を見逃すと、広告効果を正しく判断できない
クリック数だけで広告の評価をすると、広告の本当の価値を見誤ることがあります。特に、ディスプレイ広告や動画広告は、もともとクリックを目的としないものが多いため、「クリックが少ない=効果がない」と判断するのは早計です。
たとえば、リターゲティング広告(過去にサイトを訪れた人に対して配信する広告)の場合、何度も広告を見せることで、徐々に購入意欲を高めることを狙っています。こうした広告はクリック率が低くても、最終的には売上に貢献しているケースが多いのです。
また、ブランド認知を目的とした広告キャンペーンでは、ユーザーが後日検索して商品を購入することが重要になります。クリック数のみで効果を判断すると、ビュースルーによる影響を見逃し、本当に意味のある広告戦略を立てられなくなるおそれがあります。
クリックスルーコンバージョンとの違いとは?
広告を評価する際、一般的に「クリックされたかどうか」が大きな指標になります。実際、多くのマーケターはクリック数やクリック率を基準に広告の良し悪しを判断しています。しかし、クリックだけが広告の役割ではありません。
広告の影響を測る方法として「クリックスルーコンバージョン」と「ビュースルーコンバージョン」がありますが、それぞれの違いを正しく理解することが重要です。なぜなら、この二つを区別せずに評価すると、広告の本来の効果を見逃してしまう可能性があるからです。
クリックスルーコンバージョンとは
クリックスルーコンバージョンとは、ユーザーが広告をクリックした後に特定のアクション(購入や申し込みなど)を行った場合に計測される指標です。
例えば、ECサイトの広告をクリックしたユーザーが、そのまま商品を購入すれば、クリックスルーコンバージョンとして記録されます。クリックが発生しているため、広告が直接コンバージョンにつながったことが明確にわかるのが特徴です。
この指標は、検索広告やリスティング広告など、ユーザーの購買意欲が高い場面で特に重視されます。検索結果に表示された広告をクリックする時点で、すでに目的が明確であることが多いため、クリック後のコンバージョン率も比較的高くなります。
ビュースルーコンバージョンとの違い
一方で、ビュースルーコンバージョンは「広告が表示されたものの、クリックされなかった場合」でも発生する点が大きな違いです。
たとえば、あるブランドのバナー広告が表示され、それを見たユーザーが直接サイトを訪れて購入に至った場合、これはビュースルーコンバージョンとしてカウントされます。クリックの有無に関係なく、広告が視認されたことが影響を与えたと考えられるケースです。
ここで問題になるのが、「クリックされていないのに、本当に広告が効果をもたらしたのか?」という疑問です。確かに、画面に表示されただけの広告がどれほど影響を与えたのかを正確に測るのは難しい部分があります。しかし、購買行動の流れを考えると、クリックしなくても広告の印象が潜在的な購買動機につながるケースは十分に考えられます。
ユーザー行動の違い
この二つの指標の違いを、より具体的な行動パターンで見てみましょう。
クリックスルーコンバージョンの例
1. ユーザーが「ワイヤレスイヤホン おすすめ」と検索
2. 検索結果に表示された広告をクリック
3. そのままECサイトで商品を購入
この場合、ユーザーはすでに購入意欲を持っており、広告は最終的な決断を後押しする役割を果たしています。クリックが直接コンバージョンにつながったため、クリックスルーコンバージョンとして計測されます。
ビュースルーコンバージョンの例
1. ユーザーがSNSを見ているときに「新型ワイヤレスイヤホン」の広告が表示される
2. その場では何もせずスルー
3. 数日後、思い出して検索し、公式サイトから購入
この場合、広告をクリックしなかったものの、数日経ってから行動に移したことで、広告が何らかの影響を与えたと考えられます。このような間接的な効果を測るためにビュースルーコンバージョンが活用されます。
どちらを重視すべきか
クリックスルーコンバージョンは、検索広告やコンバージョンを狙った広告キャンペーンで強い意味を持ちます。一方、ビュースルーコンバージョンは、ディスプレイ広告や動画広告のように、認知拡大やブランド訴求を目的とした施策で重要になります。
どちらが優れているというわけではなく、広告の目的や配信戦略に応じて、両方の指標を組み合わせて評価することが求められます。クリックされなくても効果を発揮する広告がある一方で、クリックが直接成果につながる広告もあるため、それぞれの特性を理解し、適切に活用することが重要です。
ビュースルーコンバージョンが注目される理由(広告成果に与えるインパクト)
「クリックされなかった広告に価値はあるのか?」
この問いに対して、単純に「ない」と断言するのは早計かもしれません。
デジタル広告の役割は、直接的な行動を促すことだけではありません。ブランドの認知を広げ、ユーザーの記憶に残ることで、後々の購買行動に影響を与えることも重要な役割の一つです。
ビュースルーコンバージョンは、まさにこうした「広告の見られた影響」を数値化するために生まれた指標です。クリックを伴わないため、一見すると曖昧に思えるかもしれません。しかし、広告が表示されること自体がブランドへの興味喚起や購買のきっかけになっていると考えると、その価値は無視できません。
では、ビュースルーコンバージョンがどのように広告の成果に影響を与えるのかを詳しく見ていきましょう。
広告が「見られること」の影響力とは?
「広告をクリックしていないのに、なぜ効果があるといえるのか?」
この疑問を持つ人は少なくありません。しかし、考えてみてください。テレビCMや屋外広告、雑誌広告など、私たちは日常的に多くの広告に触れています。
たとえば、電車内で目にした新商品のポスター。その場でスマートフォンを取り出して検索することはなくても、後日、買い物中にふとその商品が目に入り、手に取ることはないでしょうか?
デジタル広告も同じです。広告を「見ること」自体が、潜在的な購買意欲を高める要素になっているのです。
ディスプレイ広告や動画広告は、クリックを目的としたものではなく、ブランドの印象を植え付けることを狙ったものが多くなります。
・ブランド認知を広げる:繰り返し目にすることで、ブランド名や商品名が記憶に残る
・購買意欲を刺激する:無意識のうちに「見たことがある」と感じ、興味が湧く
・検索行動につながる:広告を見たあと、直接検索することでコンバージョンが発生する
つまり、「広告を見たこと」と「後で検索して購入したこと」には一定の関連性があるというわけです。
ビュースルーコンバージョンは本当に広告の効果を表しているのか?
「クリックされなかった広告の影響をどう評価すればいいのか?」
この点は、広告運用においてよく議論されるテーマの一つです。
ビュースルーコンバージョンの数値を過信するのは危険ですが、「だから無意味」という結論にはなりません。むしろ、適切な分析を行えば、広告の持つ間接的な影響力を正しく理解する手がかりになります。
たとえば、特定の広告キャンペーンにおいて、クリックスルーコンバージョンが少なくてもビュースルーコンバージョンが一定数発生している場合、次のようなことが考えられます。
・クリックはされていないが、広告がユーザーの記憶に残っている
・検索や他の経路でのコンバージョンを促進している
・リターゲティング広告として機能し、購入を後押ししている
ここで大切なのは、ビュースルーコンバージョン単体で評価しないことです。
他の指標と組み合わせて分析することで、本当の広告効果が見えてきます。
たとえば、
・ビュースルーコンバージョンの発生率が高い広告が、検索トラフィックの増加と関連しているか?
・広告を配信した地域やターゲット層で、後からのコンバージョンが増えているか?
・ブランド名の検索ボリュームが増加しているか?
こうした視点で分析すれば、広告がどのように影響を及ぼしているのか、より正確に判断できるはずです。
その広告は本当に貢献していないのか?
「ビュースルーコンバージョンを評価しない」という選択肢もあります。しかし、その場合、本当に広告が効果を発揮していないのかを判断する材料を失うことになります。
たとえば、広告配信後にブランドの検索数が増えていたり、指名検索経由の売上が伸びていたとしたら、それは広告が潜在的に影響を与えた結果かもしれません。
クリック数が伸びていないからといって、すぐに「この広告は効果がない」と決めつけるのはもったいない話です。
特に以下のような目的で広告配信している場合、クリック数だけで評価するのはもったいないです。
・ブランド認知を目的とした広告
・潜在顧客層に向けた配信
・リターゲティング戦略の一環
むしろ、ビュースルーコンバージョンを含めたデータを総合的に判断することで、広告戦略の精度を上げることができます。
ビュースルーコンバージョンを正しく把握するための計測条件
広告がどれほど影響を与えたのかを正しく判断するには、単に数値を確認するだけでは不十分です。ビュースルーコンバージョンは、特定の条件を満たした場合にのみ計測される仕組みになっているため、そのルールを理解していないと、誤った評価をしてしまう恐れがあります。
「広告が表示されただけでコンバージョンとして記録されるなんて、本当に信頼できるのか?」と思う方もいるかもしれません。たしかに、何の制約もなく計測されるのであれば、広告の影響を過大評価してしまう危険性もあります。
しかし、実際には計測期間(アトリビューションウィンドウ)やクッキーの有効期限など、厳密なルールが設けられています。こうした条件を正しく理解することで、ビュースルーコンバージョンのデータをより適切に活用できるようになります。
ビュースルーコンバージョンの計測条件とは?
1. アトリビューションウィンドウ(計測期間)
広告が表示されてからどのくらいの期間、ビュースルーコンバージョンとして計測されるのか。この期間のことを「アトリビューションウィンドウ」と呼びます。
主な広告媒体ごとの標準的なアトリビューションウィンドウ
広告プラットフォーム | ビュースルーコンバージョンの計測期間 |
---|---|
Google 広告 | 最大30日間 |
Yahoo!広告(ディスプレイ) | 最大30日間 |
Facebook広告 | 1日、7日、28日から選択 |
Twitter広告 | 1日または7日 |
一般的に、ユーザーが広告を見てから時間が経つほど、広告の影響を測るのが難しくなります。そのため、広告の目的に応じて適切なウィンドウを設定することが重要です。
例えば、リターゲティング広告のように短期間でアクションを促すものは1日〜7日程度のウィンドウが適しています。一方、ブランド認知が目的の広告であれば、長めの30日間のウィンドウを設定することで、広告の影響をより広い範囲で捉えることができます。
2. クッキーの有効期限とクロスデバイス計測の課題
ビュースルーコンバージョンの計測は、基本的にクッキーを利用して行われます。クッキーはユーザーが広告を表示したことを記録し、後日そのユーザーがコンバージョンに至ったかどうかを判定する仕組みです。
しかし、最近ではプライバシー保護の観点から、クッキーの利用が制限される傾向にあります。AppleのITP(Intelligent Tracking Prevention)やGoogleのプライバシーサンドボックスなど、クッキーの寿命を短縮する技術が進んでおり、一部の環境では長期間のトラッキングが難しくなっています。
また、ユーザーが異なるデバイスを使って行動するケースも増えています。例えば、スマートフォンで広告を見た後、パソコンで検索して購入する場合、クッキーだけでは正確な計測ができません。このため、広告プラットフォーム側では、機械学習を活用したクロスデバイス計測の精度向上を進めています。
このような環境の変化を踏まえると、ビュースルーコンバージョンを評価する際には、「すべてのデータが完全に記録されているわけではない」という前提で分析を行うことが大切だといえます。
ビュースルーコンバージョンが発生しやすい広告形態
ビュースルーコンバージョンは、広告の種類によって発生しやすさが異なります。クリックを促す検索広告とは異なり、視認による影響が大きい広告フォーマットで特に重要視されます。
ディスプレイ広告(バナー広告)
ウェブサイトやアプリ上に表示されるバナー広告は、視認性が高く、ユーザーの記憶に残りやすい広告形態です。クリック率はそれほど高くありませんが、繰り返し表示されることでブランドの認知度を高め、後の検索行動につながるケースが多くなります。
たとえば、ECサイトの訪問者に対して配信するリターゲティング広告は、ビュースルーコンバージョンが発生しやすい典型的な例です。
動画広告(YouTube、SNS動画など)
動画広告は、静止画のバナー広告よりも記憶に残りやすいとされています。特に、YouTubeやInstagramのストーリー広告など、短時間でもインパクトのある動画フォーマットは、ユーザーの興味を引きやすくなります。
視聴完了率が高い広告ほど、ビュースルーコンバージョンの発生率が高まる傾向があります。「広告を最後まで見た=興味がある可能性が高い」と考えられるため、ユーザーが後から検索して行動に移ることが多いのです。
ネイティブ広告(記事風の広告)
ニュースサイトやブログ記事の間に溶け込むように表示されるネイティブ広告も、クリックされなくても影響を与えることがあります。
ユーザーがコンテンツを読む流れの中で広告を目にするため、クリックされなくてもブランドの印象が残りやすくなります。しばらく時間が経った後、「どこかで見たことがあるブランド」として想起され、検索行動につながることがあるのです。
主要広告媒体における設定・確認方法
ビュースルーコンバージョンを正しく活用するためには、各広告プラットフォームでの計測方法や設定項目を把握しておくことが重要です。広告媒体ごとに、管理画面での確認方法やデータの扱い方が異なるため、適切な設定ができているかを定期的にチェックする必要があります。
ここでは、Google 広告、Yahoo!広告、Facebook広告、Twitter広告におけるビュースルーコンバージョンの設定・確認方法を解説します。
Google 広告でのビュースルーコンバージョン確認方法
Google 広告では、ビュースルーコンバージョンを管理画面上で簡単に確認できます。
管理画面での確認手順
1. Google 広告の管理画面にログイン
2. 左側メニューから「コンバージョン」を選択
3. 「アトリビューション」セクションを開く
4. ビュースルーコンバージョンのデータをチェック
Googleでは、ディスプレイ広告や動画広告を中心にビュースルーコンバージョンが記録される仕組みになっています。特に、YouTube広告やGoogle ディスプレイ ネットワーク(GDN)での計測に適用されます。
ビュースルーコンバージョン専用の指標はあるのか?
Google 広告では、「ビュースルーコンバージョン」という指標がデフォルトで用意されており、管理画面で簡単に確認できます。
検索広告には適用されず、ディスプレイ広告・動画広告向けの計測指標です。
また、アトリビューションウィンドウ(デフォルトでは30日)を調整することで、より適切な期間での影響を測ることができます。
Yahoo!広告(ディスプレイ広告)でのビュースルーコンバージョン計測方法
Yahoo!広告でも、ディスプレイ広告(運用型)でビュースルーコンバージョンを計測できます。
コンバージョン測定タグの設定方法
Yahoo!広告では、コンバージョン測定タグを設置することでビュースルーコンバージョンのデータが取得できます。設定手順は以下の通りです。
1. Yahoo!広告の管理画面にログイン
2. 「ツール」メニューから「コンバージョン測定」を選択
3. 「コンバージョン測定タグ」を新規作成
4. 「ビュースルーコンバージョン計測を有効化」にチェックを入れる
5. 計測するアクション(購入、問い合わせなど)を設定
6. 発行されたタグをWebサイトに設置
これにより、広告をクリックしなかったユーザーのコンバージョンも記録できるようになります。
注意点と独自仕様
Yahoo!広告のビュースルーコンバージョンには、いくつかの特徴があります。
・アトリビューションウィンドウの設定が可能(最大30日)
・ビュースルーコンバージョンの数値が過大にならないよう、厳格なルールが適用されています
・同一IPアドレス内での複数回のコンバージョンは重複してカウントされないません
広告の影響を正しく評価するために、他の指標とあわせて総合的に判断することが推奨されます。
Facebook広告におけるビュースルーコンバージョンの確認方法
Facebook広告(Meta広告)では、広告マネージャを通じてビュースルーコンバージョンを確認できます。
広告マネージャでの確認手順
1. Facebook 広告マネージャにログイン
2.「広告レポート」を開く
3. 指標のカスタマイズから「ビュースルーコンバージョン」を選択
4. 広告ごとのビュースルーコンバージョン数をチェック
ビュースルーウィンドウの設定
Facebook広告では、アトリビューションウィンドウを柔軟に設定できます。
・1日、7日、28日のいずれかを選択可能
・クリックとビュースルーを別々に設定できる(例:クリック7日・ビュースルー1日)
・デフォルト設定は「クリック7日・ビュースルー1日」
Facebook広告の特徴として、ユーザーが広告を見た後に他のデバイスで行動するケースが多いため、クロスデバイスの影響も考慮しながらデータを分析することが重要です。
ビュースルーコンバージョンを最大限に活かすためのポイント
ビュースルーコンバージョンをどう評価し、広告戦略に取り入れるか。
ここが適切でないと、データがあっても「活用しきれていない」と感じることがあるかもしれません。
クリックを直接獲得できる広告と異なり、ビュースルーコンバージョンは間接的な広告の効果を測るための指標です。そのため、単に「数値が多い・少ない」だけで判断するのではなく、他のデータと組み合わせて分析し、広告の方向性を見極めることが大切になります。
この章では、ビュースルーコンバージョンを適切に評価し、広告効果を高めるためのポイントを整理します。
KPIの設定方法 – 何を基準に評価するのか?
ビュースルーコンバージョンを活用する際、最初に考えるべきなのはKPI(重要業績評価指標)の設定です。
すべての広告施策でビュースルーコンバージョンを重視すべきかというと、そうではありません。広告の目的によっては、クリック数や直接コンバージョンを中心に評価すべき場合もあります。
例えば、以下のように広告の目的に応じて指標を設定するのが適切です。
広告の目的 | 評価すべき指標 | ビュースルーコンバージョンの重要度 |
---|---|---|
直接的な売上を狙う(ECサイトのセール広告など) | クリック率・コンバージョン率 | 低 |
ブランド認知の向上(新商品の告知、キャンペーン告知) | ビュースルーコンバージョン・検索ボリュームの変化 | 高 |
リターゲティング広告(再訪問を促す) | クリック率・ビュースルーコンバージョン | 中 |
「どの広告で、どの指標を重視するか」を明確にすることで、数値の解釈を間違えずに済みます。
例えば、ブランド認知を目的としたディスプレイ広告で「クリック率が低い」と落胆するのは正しくありません。その広告の役割は、直接のクリックではなく、記憶に残ることで後の行動につなげることだからです。
一方で、コンバージョン獲得が目的のキャンペーンでビュースルーコンバージョンばかりを見ても、適切な評価はできません。目的に合わせたKPIを設定し、データの見方を調整することが重要です。
アトリビューション分析との併用 – ビュースルーだけでなく、全体の流れを把握する
ビュースルーコンバージョンを分析する際に欠かせないのがアトリビューション分析です。
アトリビューションとは、ユーザーがコンバージョンに至るまでのプロセスを可視化し、どの広告や施策が影響を与えたのかを把握するための考え方です。
例えば、次のような流れでユーザーが行動したとします。
1. SNSの動画広告を視聴(クリックなし)
2. 数日後、検索エンジンでブランド名を調べてサイト訪問
3. さらに数日後、リターゲティング広告をクリックし、購入
この場合、「購入につながった要因は何か?」を考えると、どの広告がどのタイミングで影響を与えたのかを把握することが重要です。
単純に「最後にクリックされた広告だけを評価する」のではなく、検索やリターゲティングの前にビュースルーコンバージョンが発生していなかったか?を分析すると、広告の本当の効果が見えてきます。
各広告プラットフォームには、アトリビューション分析を行うためのツールが用意されています。例えば、Google広告では「アトリビューションレポート」、Facebook広告では「アトリビューションツール」を活用できます。
こうしたツールを使い、ビュースルーコンバージョンがどの程度影響を与えたのかを、他の指標と組み合わせて評価することが重要です。
3. クリエイティブ・ターゲティング最適化 – 「見てもらう」だけで終わらせない工夫
ビュースルーコンバージョンの数値を伸ばすためには、「どのような広告を作るか」「誰に届けるか」を最適化することも重要です。
① 広告の表示頻度を調整する
「広告を見てもらうことが大切」とはいえ、同じユーザーに何度も同じ広告を表示しすぎると、逆効果になることがあります。
適切な広告配信の目安として、フリークエンシー(1ユーザーあたりの広告表示回数)を管理することが必要です。
広告タイプ | 推奨されるフリークエンシー |
---|---|
リターゲティング広告 | 3〜5回 |
ブランド認知向け広告 | 5〜10回 |
SNS動画広告 | 3〜7回 |
特に、SNS広告では同じクリエイティブを短期間に何度も表示すると、広告疲れを起こしやすいため、バリエーションを用意して頻度を調整することが求められます。
② 訴求メッセージの工夫
ビュースルーコンバージョンを伸ばすためには、ユーザーの記憶に残る広告クリエイティブを作ることが鍵になります。
・ブランド名やロゴを明確に表示する(後の検索行動を促す)
・インパクトのあるビジュアルを活用する(SNSや動画広告では特に有効)
・ユーザーの悩みや欲求を刺激するメッセージを入れる(「これ、気になる!」と思わせる工夫)
「なんとなく広告を見たけれど、すぐに忘れてしまう」とならないように、視覚的なインパクトと強いメッセージを組み合わせることがポイントです。
よくある誤解・トラブルシューティングQ&A
ビュースルーコンバージョン(VTC)は、広告の間接的な影響を数値で捉える重要な指標です。しかし、「クリックされていないのに、どうして成果としてカウントされるのか?」「本当に広告の効果を正しく表しているのか?」といった疑問を持つ人も少なくありません。
また、技術的な問題によってデータが正しく取得できていないケースもあります。広告運用の精度を高めるためには、こうした誤解を解消し、正確な計測が行われているかを定期的にチェックすることが欠かせません。
ここでは、よくある疑問とその対策について解説します。
Q1: ビュースルーコンバージョンは水増しではないの?
「クリックされていないのに、コンバージョンが記録されるのは不自然では?」と感じる方もいるかもしれません。
確かに、クリックコンバージョンと比べると、ビュースルーコンバージョンは広告との因果関係が直接見えにくいため、過大に評価されてしまうリスクがあります。しかし、広告が目に入ることが消費行動に影響を与えるのは事実です。
例えば、テレビCMや屋外広告のように、「その場ではアクションを起こさなかったが、後で商品を購入した」というケースは珍しくありません。デジタル広告においても、表示された広告が記憶に残り、後から検索や直接訪問によるコンバージョンにつながることがあります。
誤解を防ぐためのポイント
ビュースルーコンバージョンを正しく評価するには、次のような点を意識するとよいでしょう。
アトリビューションウィンドウの適正化
・計測期間が長すぎると、広告の影響とは関係のないコンバージョンが含まれる可能性があります。
・広告の特性に応じて、7日や30日など適切な期間を設定していきます。
ビュースルーコンバージョン比率の確認
・クリックコンバージョンと比較して、ビュースルーの比率が極端に高い場合は、広告の表示対象やターゲティングを見直す必要があります。
他の指標と組み合わせた分析
ビュースルーコンバージョンだけでなく、ブランド名の検索数やサイト流入の変化を総合的に判断することで、広告の効果をより正確に把握できます。
Q2: 計測タグが正しく作動していない場合の確認ポイント
「思ったよりビュースルーコンバージョンが記録されない」「急に数値が増減した」という場合、計測タグに問題がある可能性があります。タグが正常に機能していないと、誤ったデータをもとに広告運用を行ってしまうリスクがあるため、定期的なチェックが必要です。
確認すべきポイント
タグが正しく設置されているか
・Google タグマネージャー(GTM)を使用している場合、タグのトリガー設定が適切か確認する。
・コンバージョンページに適切なスクリプトが挿入されているかチェックする。
イベント発火のタイミング
・計測タグが「ページが完全に読み込まれる前」に発火してしまうと、正しくデータが取得できないことがあります。
・Google Chromeの「デベロッパーツール(開発者ツール)」でネットワーク通信を確認すると、タグの発火状況を把握できます。
複数の計測タグが干渉していないか
・他の広告媒体(Facebook、Yahoo!など)のタグが同じページに埋め込まれている場合、計測データが競合して正しくカウントされないことがあります。
・一度タグを整理し、不要なものを削除することも有効です。
ブラウザのプライバシー設定の影響
・Appleの「ITP(Intelligent Tracking Prevention)」やGoogleの「プライバシーサンドボックス」など、クッキーの制限が強化されることで、特定の環境ではビュースルーコンバージョンが取得できない場合があります。
・ 広告媒体の公式ドキュメントを確認し、計測方法の変更が必要かチェックしましょう。
Q3: マルチデバイスの計測で注意すべきこと
近年、ユーザーはスマートフォン・PC・タブレットといった複数のデバイスを使い分けながら購買行動を取ることが一般的になっています。そのため、ビュースルーコンバージョンがデバイスをまたいで正しく計測されているかも重要なポイントになります。
例えば、スマートフォンで広告を見た後、PCで検索して購入した場合、単純なクッキーベースの計測ではビュースルーコンバージョンとしてカウントされない可能性があります。
対策とチェックポイント
広告プラットフォームのクロスデバイス計測機能を活用する
・Google広告やFacebook広告では、ユーザーが異なるデバイスでコンバージョンした場合でも、一定の条件下でビュースルーコンバージョンを計測できる仕組みがあります。
・設定を確認し、デバイス間の影響も考慮したデータ分析を行いましょう。
アトリビューション分析で行動パターンを確認する
「最初にどのデバイスで広告を視認し、その後どのデバイスでコンバージョンが発生したか」を追跡することで、広告の貢献度をより正確に把握できます。
Google アナリティクスや他の分析ツールと連携する
各広告媒体のデータだけでなく、Google アナリティクスなどの外部ツールも活用し、マルチデバイスでのユーザーの行動を統合的に分析することが推奨されます。
まとめ
ビュースルーコンバージョンは、広告をクリックしなくても購買や問い合わせに影響を与える指標として重要です。ディスプレイ広告や動画広告では、クリック率だけでは広告効果を正しく評価できません。計測の際は、アトリビューションウィンドウやクッキーの影響を考慮し、KPIの設定やアトリビューション分析と併用することが求められます。
また、広告の表示頻度やクリエイティブの最適化がビュースルーコンバージョンの数値に大きく影響します。さらに、誤解を防ぐためには、計測タグの適正な設定やマルチデバイス環境でのデータの取り扱いにも注意が必要です。適切な分析と運用を行うことで、広告の影響を正しく評価し、マーケティング戦略を最適化できるでしょう。