デジタルマーケティングにおいて、ランディングページ(LP)は顧客を獲得する上で欠かせない手法となっています。
広告や検索結果から最初に訪れるこのページは、商品購入や問い合わせなど、特定の目的を達成するために設計され、その完成度が成果に大きく影響を与えます。
ランディングページには、主に縦型ランディングページとサイト型ランディングページの2種類があります。
いずれも特定の目的を持って作成されますが、構成やSEO対策に違いがあるため、
目的やターゲットに応じて適切なタイプを選ぶことが重要です。
今回、縦型とサイト型それぞれの特徴、SEO対策のポイント、
活用シーンについて詳しく解説し、どちらを選ぶべきかの判断基準についても提案します。
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ランディングページには、以下の2つのタイプが存在します。
縦型ランディングページ
縦型ランディングページは、1つのページで完結する構成が特徴です。
通常、上から下へスクロールすることで一貫したストーリーやメッセージがユーザーに
伝わるように設計されています。
顧客の課題、その課題を解決できる商品・サービスの特徴やメリット、利用者の声などを順に展開し、
ページの最後にコンバージョンにつながる、CTA(Call to Action)ボタンが配置されます。
サイト型ランディングページ
一方で、サイト型ランディングページは複数のページで構成され、
各ページに異なるコンテンツが設けられています。
ユーザーはページ内のナビゲーションを使って目的の情報へアクセスできるため、
より多くの情報を提供する場合や、カテゴリごとにコンテンツを整理したい場合に適しています。
縦型ランディングページには、次のようなメリットがあり、
特定の用途やマーケティングシーンにおいて特に効果的です。
閲覧者の熱量を高め、アクションを促進
縦型LPは、1ページでユーザーが一連の情報を効率的に受け取れるため、
ページの内容によっては閲覧者の集中力を維持しやすく、
アクションを起こすまでの熱量が徐々に高まらせることができます。
そのページ内容を設計するに際して、
PASONAの法則に基づいた構成を活用することをお勧めしています。
この法則に沿った情報提供によって、ユーザーがスクロールするたびに興味を引き込み、
解決策を欲しがる心理を刺激しながら、最後にはアクションに導くことが可能です。
具体的には、次のようにステップを追って情報を伝えていきます。
P(Problem):問題提起
ページ冒頭で訪問者が抱える悩みや課題を明確にし、「自分ごと」として感じてもらいます。
例えば「今のやり方で本当に満足していますか?」といった問いかけで、閲覧者の注意を惹きます。
A(Agitation):問題の掘り下げ
続けて、その課題がどのような悪影響をもたらしているか、放置した場合のリスクなどを掘り下げ、
ユーザーの緊急感を引き出します。訪問者に「解決策が欲しい」と思わせるための重要なステップです。
ただ、煽りすぎると閲覧者から共感が得られなくなる可能性があることと
法律に抵触する可能性があるので書く内容には細心の注意を払って、ユーザーのためになるコンテンツを書く必要がございます。
S(Solution):解決策の提示
サービスや商品の魅力や特徴を明確に提示し、「この商品ならあなたの問題を解決できる」と確信させます。
縦型LPならではのストーリーの流れで、自然に解決策の提示まで導けるため、
効果的に熱量を高めていけます。
O(Offer):提案
解決策を提示した後、その具体的なメリットや強み、
ユーザーにどのような価値をもたらすかを丁寧に説明します。
事例や証拠(利用者の声など)を盛り込み、訪問者が「これなら信頼できる」と感じられるようにします。
N(Narrowing):限定感の演出
例えば、「今なら30日無料で試せる」「期間限定キャンペーン実施中」など、
閲覧者が「今すぐに行動しなければ損をする」と感じるように、行動を後押しする要素を盛り込みます。
限定感によって、ページ内の熱量がさらに高まりやすくなります。
A(Action):行動の呼びかけ
最後に、CTA(Call to Action)ボタンを配置し、「今すぐお試し」「無料で体験する」など、
具体的なアクションを促します。縦型LPは一貫したメッセージとストーリー性により、
閲覧者がページ下部にたどり着いた時点で行動に移りやすい状態になっているため、
このタイミングで行動を呼びかけるのが効果的です。
この流れを経ることで、ユーザーは問題と解決策の流れを理解しやすくなり、
結果として高いコンバージョン率につながります。
ランディングページでコンバージョンを促すコンテンツについて更に知りたい方は、この記事「成果を上げるランディングページの鉄板コンテンツ11選、全業界で使えるテンプレートを解説」を読んでみてください。
モバイルフレンドリーな対応
スマートフォンでの閲覧に適しており、レスポンシブデザインを導入しやすい構造です。
シンプルで情報が集約されているため、縦スクロールで情報を得やすく、
特にスマートフォンユーザーが多いターゲットには有効です。
他ページのリンク先がないことによるコンバージョンしやすさ
縦型ランディングページの特徴の一つは、他のページへのリンクを極力排除し、
訪問者がそのページ内で提示された情報に集中できる点です。
これにより、訪問者が情報を探すために他のページに移動することなく、
自然とページ内で提示されたストーリーや商品紹介を順に読み進める流れが作られます。
他方、一般的なウェブサイトには、商品情報やFAQ、企業概要など、
さまざまな情報ページに行くためのリンクが用意されており、
訪問者が興味を持ったリンクにアクセスして、途中で別ページ移動することがよくあります。
そのため、最初に興味を持ってもらっても、他の情報に引き込まれてしまうとコンバージョンに至らない可能性が増えます。
しかし、縦型ランディングページは、訪問者の視線を一つの流れに沿わせ、
アクションに直結するよう設計されているため、無駄な離脱を防ぎやすい構造となっているのです。
縦型ランディングページはコンバージョンを促す要素もありますが、
以下のようなデメリットもあります。
情報量が制限される
縦型LPは情報を集約して伝えることに適しているため、
複雑な内容やいろいろな種類の情報を提供する商品・サービスには向きません。
伝えたい内容がいろいろとある場合、無理に情報を詰め込みすぎると、
ユーザーが混乱して離脱するリスクが発生する可能性があります。
SEOにおける制約
縦型LPは1ページで完結する構成のため、複数のキーワードを網羅しづらく、
SEO的に多くの検索クエリに対応するのが難しい面があります。
検索エンジンに対して他の関連ページとの内部リンクが不足していると判断されると、
SEOスコアが下がることも考えられます。
ランディングページ(LP)には縦型とサイト型があり、それぞれに適した活用シーンがございます。
適切なタイプを選択することで、ユーザーにとっては最適な情報の提供され、
企業にとってのコンバージョン数のアップが期待できます。
以下では、具体的な使用シーンやそれぞれのタイプが持つメリットを掘り下げて解説します。
縦型LPは、一貫したメッセージでシンプルかつ強力にユーザーの関心を引き、
最終的に行動を促すデザインが特徴です。
以下のような用途において特に効果を発揮します。
ストーリー(PASONAの法則)でユーザーに行動を促したい場合
ユーザーに行動を促したい場合、ストーリー(PASONAの法則)を活用した縦型LPが効果的です。
縦型LPは、必要な情報を1ページにまとめてスムーズにスクロールできるため、
ユーザーが順番に情報を得やすくなります。
その結果、商品やサービスの特徴をしっかり伝え、購入、問い合わせ、申し込みなどの行動を促すのに適しています。
商品購入やサービス申し込みなど、1つの目標に絞っている場合
縦型LPは、1つの行動(コンバージョン)を目指して最適化されており、購入、申し込み、
メール登録といったゴールに必要な情報のみを掲載します。
このシンプルな構成により、ユーザーが迷わず行動できるよう設計されています。
特に、サブスクリプションサービスやオンラインスクールの登録ページなど、
具体的な行動を促す場面で適しています。サービスの価値や特典を分かりやすく伝え、
スムーズに登録ボタンへ誘導することが可能です。
サイト型ランディングページは、情報の種類が多く、
複数のページにわたる構成にして読者に情報を伝える必要がある場合に効果を発揮します。
意思決定権者か多いB to B商材(特に受託型B to Bビジネス)において、
製品の技術仕様や導入事例、FAQ、価格プラン、製品のサポート体制や技術資料や
トラブルシューティングを詳しく説明するページなどの情報を網羅的に提供する必要があるので、
このサイト型にて情報事にページを分けて提供することが有効になります。
このように、詳細で多面的な情報提供が必要な場面では、
サイト型ランディングページが最適な選択肢となります。
ただし、B to B商材でも利用者の課題がはっきりしている場合には、サイト型ではなく
縦型のランディングページのほうが有効な場合が多々あります。
ランディングページ(LP)を「縦型」にするか「サイト型」にするかを選ぶ際には、
次の3つのポイントを押さえることが大切です。
ポイント1:商材の複雑さ
扱う商品やサービスが「どれくらい説明が必要なのか」によって選びます。
縦型が向いている場合
商品やサービスがシンプルで、魅力やメリットをすぐに伝えられる場合です。
例えば、「SaaSツール(オンラインで使う業務用の便利ツール)」や「マーケティング支援サービス」など、
ユーザーが「こういう課題があった!これなら解決できそう!」と
直感的に理解できる商材に適しています。
サイト型が向いている場合
商品やサービスが複雑で、多くの情報や説明が必要な場合です。
例えば、「企業向けの大規模なITシステム」や「カスタマイズが必要な多機能製品」のように、
導入までにいくつものステップを踏む商材では、サイト型の方が適しています。
こうした商材では、じっくり読んでもらえるページ構成が必要です。
ポイント2:ターゲットのペルソナ
ターゲットが経営者なのか、現場の担当者なのかによって最適なページ構成は変わります。
縦型が向いている場合
忙しい経営者や部門長など、短時間で要点を知りたい人に適しています。
こうした人たちは、「このサービス、どんな課題を解決できるのか」「どんなメリットがあるのか」を
すぐに知りたいと考えています。
そのため、縦型のようにページ全体をサッとスクロールして、一目で内容を把握できる形式が効果的です。
サイト型が向いている場合
技術系の担当者や現場で詳細を検討する人たちがターゲットの場合に適しています。
彼らは、「サービスの仕組み」「機能」「導入手順」などを細かく知りたいため、
複数のページに分かれたサイト型の方が役立ちます。それぞれの詳細を探しやすい構成が必要です。
ポイント3:購買プロセス
商品やサービスを「買おう!」と決断するまでにかかる時間やステップのことです。
縦型が向いている場合
比較的簡単に導入を決められる商材に適しています。
たとえば、価格が手頃で初期費用が無料もしくはそれほどかからないツールやサービスの場合、
ユーザーは「これなら試してみよう」とすぐに動きやすいです。
この場合、縦型LPで必要な情報をコンパクトにまとめ、
無料トライアルや問い合わせフォームなどへの動線を分かりやすく設置するのが効果的です。
サイト型が向いている場合
導入までに複数の関係者に同意を得る必要がある商品・サービスに適しています。
例えば、「大規模なITシステム」や「導入後にカスタマイズが必要なサービス」の場合、
購入を決めるまでに時間がかかります。
こうした商材では、詳細な情報をじっくり読んでもらいながら、
段階的に検討を進めてもらう必要があります。そのため、サイト型のLPが効果を発揮します。
ただ、複雑な商材であっても、広告を活用して集客する場合には縦型ランディングページが効果的です。
縦型は、視覚的にインパクトがあり、スクロールを通じて一連のストーリーで魅力を伝えられるため、ユーザーが「まずは知ってみよう」と思いやすい形式です。
複雑な商材であっても、最初の接点として縦型LPを活用することで、顧客の興味を引き、リード(お問い合わせや資料請求)を獲得しやすくなります。
一方で、サイト型ランディングページは、本格的な検討段階に進んだ顧客のために情報を充実させておくことが重要です。
導入にあたり詳細な機能説明やカスタマイズの情報、導入事例をじっくり確認したいと考える顧客に対して、
サイト型LPが的確な情報を提供する役割を果たします。
このように、商材や集客方法に応じて縦型とサイト型を適切に使い分けることで、より効果的な顧客獲得につなげることができます。
縦型LPとサイト型LPには、それぞれの得意分野があり、ターゲットや目的に応じた使い分けが重要です。
縦型LPは短期的なキャンペーンや特定のアクションに特化したい場合に効果的で、
ユーザーがスムーズに行動できる構成です。
一方で、サイト型LPは、いろいろな情報を提供しないといけない商品やサービスに対して詳細な情報を提供する必要がある場合に効果を発揮します。特に、検討段階にある顧客に対して、じっくりと情報を伝える場として有用です。
それぞれの特徴を理解し、状況に応じて適切に活用することで、LPの効果を最大化できます。