フルフィルメントサービスとは？サービス内容やメリット、ヤマト運輸、Amazon、佐川急便、Shopifyを比較

フルフィルメントサービスとは、物流会社（運送会社・倉庫会社）や自社でフルフィルメント体制を構築したアマゾンなどの大手EC企業がフルフィルメント（受注業務から配送まで）業務を一部もしくは全て代行するサービスになります。

今回、フルフィルメントサービスにおけるサービス内容およびヤマト運輸、佐川急便、Amazonが提供するフルフィルメント by Amazon、Shopifyと連携したフルフィルメントサービスを紹介させて頂きます。

目次 [ 非表示 表示 ]

• フルフィルメントサービスとは？
• フルフィルメントサービスの業務内容
• フルフィルメントサービスのメリット
• フルフィルメントサービス提供会社
• まとめ

フルフィルメントサービスとは？

フルフィルメントサービスとは、通販・EC会社、百貨店や自前で行っているフルフィルメント業務を物流会社・倉庫会社に全部もしくはその一部を委託できるサービスのことです。

フルフィルメントサービスで受けられる内容は、受注処理から始まって、倉庫内での業務である出荷指示やピッキング、配送作業までの商品受注後の全ての業務がサービス対象となります。

また従来は、物流会社や倉庫会社のみが提供をしておりましたが、昨今、大手EC会社であるAmazonや楽天なども自社で構築した物流ネットワークを第三者に向けて提供しております。

フルフィルメントサービスの業務内容

フルフィルメントサービスの業務内容とは以下になります。

入荷・検品作業
商品が倉庫に届いたら、商品や個数が契約した内容通りに正しく入荷されているかどうかをチェックします。正しくなかった場合、届いた商品を返却するのかどうか、荷主に対して連絡をして正しく入荷されるのはいつかを連絡などの確認作業を行います。

商品保管
入荷された商品を指定の位置に入庫し、商品が出荷されるまで保管します。

ピッキング
商品を受注したら、受注内容を確認して出荷指示を出す必要があります。その指示内容にしたがって必要な数量分の商品をピックアップします。商品を一緒に送る必要がある場合、複数の商品をピッキングする必要もあります。この場合、広い倉庫においては如何に効率よく商品をピックアップするかが非常に重要となります。

梱包
商品をピックアップしたら、商品を発送するために梱包をします。商品によって梱包の際に使う緩衝材が変わります。壊れやすい商品の場合、より丁寧に緩衝材を使って梱包されます。この梱包に際して、挨拶状、他の商品の案内や購入者限定イベントなどが書かれた小冊子、注文書などを一緒に入れて梱包することも多々あります。

発送
配送業者が商品を発送します。フルフィルメントサービスを受けている場合、倉庫を管理する会社と商品を発送する会社は同じ場合が多いです。商品が倉庫から出荷された時点で、購入者にメールもしくはメッセージを送り、いつ頃到着かを連絡するケースもございます

決済業務
後払いの場合、決済業務が発生します。代引きの場合、商品を受け取った時点で支払うという決済方式になりますが、その決済における代行業を請け負ってもらうこともできます。

返品処理業務など
商品が違っていたり、壊れていたりした場合、商品の取り替えのための返品処理や新しく商品を発送する業務や、この作業に付随するやりとり業務も発生します。対応を間違えるとクレームになるため、慎重に執り行う必要がございます。

上記がフルフィルメントサービスにおける業務内容となります。この業務を自社内で実施することも可能ですが、フルフィルメントサービスを提供する会社に外注することもできます。

フルフィルメントサービスのメリット

フルフィルメントサービスのメリットについて以下になります。

業務効率化によるコスト削減
フルフィルメント作業は件数（月間1500件ぐらいの出荷）が少ないときは、自社内で効率よく回すことができます。ただ、件数が増えるほど出荷に対する作業負荷が大きく膨れ上がります。商品のストックだけでも数が少なければ商品をオフィス内に置いておけばよいのですが、件数が増え始めるとオフィスに置くというのは坪単価に対する効率が悪くなる可能性が高いです。

オフィスの所在地が都市であればあるほど坪単価が上がるため、その分非効率になってきます。そのため、一定数以上の出荷件数になった場合、坪単価が安いエリアの倉庫に預けることを検討する必要があります。

人材確保が難しい状況下において、フルフィルメントを自社でやるのかどうかも課題になります。倉庫管理からピッキング、梱包、発送までの作業は一つ一つの作業で考えると難しくないが、数量が増えてくると効率的に業務をこなせないとコストアップにつながります。ただ、物流体制を構築するにはロボットの導入など莫大な投資をする必要があるため、ここに投資をするよりも自社にあった外部委託先を見つけて協力を仰いだ方がトータル的にコストを下げることができます。

そのため、外部委託先を見つけてフルフィルメント業務を委託した方が、人材配置を最適にできるだけでなく、オフィス内のスペースも有効に使え、物流体制に投資をする必要がなくなるため、コスト削減ができるだけでなく消費者が本当に求めている事に対して注力することができます。

顧客満足度アップ
物流のプロに業務を委託した方がミスの少ないフルフィルメント業務を行ってくれるため、顧客満足度につながります。購入者にとっては商品が予定通り届くというのは優れたサービスと認識されます。また、フルフィルメントサービスのメニューによっては即日配送なども可能となるため、コストによっては検討されるほうがよいかもしれません。

また、多様な決済手段を自社だけで手配するとコスト高になりやすいことと手間が発生するために中々難しいのですが、外部サービスを活用すれば、さまざまな決済手段を取り組めるため、ユーザーにとって決済手段で購入を諦めるという理由がなくなる分、顧客満足度アップにつながります。

フルフィルメントサービス提供会社

ヤマト運輸
ヤマト運輸では、全国に110ヶ所の倉庫を持ち、フルフィルメントサービスを提供しております。提供できる内容として、受注処理からピッキング、梱包、配送などからデータ加工などのきめ細かいサービスまで提供できます。購入者の都合にあわせて「置き配」や対面による手渡しも可能です。また、「Yahoo!ショッピング」および「PayPayモール」にご出店の事業会社様向けフルフィルメントサービスを提供しており、競争力のある配送料金を設定しています。「Yahoo!ショッピング」以外のモールにおける配送手数料もリーズナブルな気が無くを設定しています。
参考元：ヤマト運輸の公式サイト

佐川急便
佐川急便の「通販フルフィルメント3PL」は、通販事業者がコア業務に専念できるよう、高品質な物流サービスとバックオフィス機能を一括で代行するサービスです。受注処理、データ作成、商品保管、出荷、問い合わせ対応など、煩雑な業務をトータルでサポートします。

これにより、物流作業の効率化や販売拡大を目指す企業に最適なソリューションを提供します。さらに、コールセンター業務や回収業務なども総合的にサポートし、通信販売における商品サイトの管理を物流フローに統合することで、荷受けから発送までをワンストップで対応します。また、SGホールディングスグループ内で全ての業務を完結し、海外の保税倉庫を活用した国内外向けの対応も可能です。
参照元：佐川急便の公式サイト

Amazon
アマゾンでは、フルフィルメントサービスを「フルフィルメント by Amazon（以後FBAと書きます）」という名称で提供しております。在庫管理から配送までのフルフィルメント業務を全てアマゾンが代行して行います。また、FBAを利用すると、アマゾン以外のモールで出店したECサイトや自社ECサイトで購入された商品でも対応してくれます。

更には越境ECにより海外へ商品を発送する際にも面倒な関税手続きを全て任せて対応してくれます。67カ国まで対応可能となっております。また、例えば、「アマゾンが配送します」の表示やアマゾンプライム対象商品となるといったようなアマゾンブランドを活用することができます。
参考元： フルフィルメント by Amazon 公式サイト

Shopify
ShopifyはECサイト構築サービスのため、フルフィルメントサービスを一気通貫で提供しておりません。ただ、Shopifyと連携しているサービスが多々あるため、これらのサービスを活用することにより円滑に配送までの作業を外部委託先に振ることができます。楽天、アマゾン、オープンロジ、シッピーノなどを使うことになります。
参考元：shopifyヘルプセンター 公式サイト

まとめ

フルフィルメントサービスについて、基礎知識をまとめました。ECを開始した当初は自社内でフルフィルメント業務を行えばよいのですが、業務が拡大してくると検討しなければならない事項となってきます。月間1000件ぐらいまでの発送なら全く問題ないのですがそれ以上の個数となると外部サービスを活用した方が業務効率アップにつながるだけでなく、サービス品質自体も上がるため、顧客満足度アップにもつながります。