ネットショップを始めたい、もしくは既存のECサイトをより自由にカスタマイズしたいと考えたとき、「EC-CUBE」の名前を耳にすることがあるかもしれません。
国内で開発されたオープンソースのECプラットフォームとして、多くの企業や個人が活用しているこのツールですが、実際に導入するとなると、どのようなメリットがあり、どんな点に注意すべきなのか気になるところでしょう。
ECサイトの運営において、選択肢はいくつもあります。SaaS型のサービスを利用すれば手軽にスタートできますし、自社で一から開発する方法もあります。その中間ともいえるEC-CUBEは、拡張性や自由度の高さが魅力である一方で、運営には一定の知識が求められる場面もあります。そのため、導入前にしっかりと特徴を理解し、自社に適した使い方を考えることが大切です。
ここでは、EC-CUBEの基本から、機能、導入方法、成功事例までいろいろと解説させていただきます。
「どんな企業・事業者に向いているのか?」「どの程度のカスタマイズができるのか?」といった疑問にも触れながら、実際に活用する際のヒントをお伝えできればと思います。
ECサイト運営の選択肢としてEC-CUBEを検討している方が、最適な判断をするための参考になれば幸いです。
EC-CUBEは「自由度の高さ」と「日本市場に適した設計」が大きな特徴のECプラットフォームです。一般的なクラウド型ECサービスと異なり、自社のサーバーにインストールして運営するタイプの「ダウンロード版」と、手軽に始められる「クラウド版」が提供されています。
なかでも、ダウンロード版はカスタマイズ性が高く、独自のデザインや機能拡張がしやすいことから、企業ごとの特色を活かしたECサイトを構築するのに向いています。一方、クラウド版はサーバーの管理が不要で、運営の負担を軽減しつつEC-CUBEの基本機能を活用できるのが魅力です。
また、日本の事業者向けに設計されているため、国内の決済手段や商習慣に対応しやすいという点も強みです。例えば、クレジットカード決済はもちろん、コンビニ決済や銀行振込といった日本のユーザーに馴染みのある支払い方法にも柔軟に対応できます。
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EC-CUBEは「自由度の高さ」と「日本市場に適した設計」が大きな特徴のECプラットフォームです。一般的なクラウド型ECサービスと異なり、自社のサーバーにインストールして運営するタイプの「ダウンロード版」と、手軽に始められる「クラウド版」が提供されています。
なかでも、ダウンロード版はカスタマイズ性が高く、独自のデザインや機能拡張がしやすいことから、企業ごとの特色を活かしたECサイトを構築するのに向いています。一方、クラウド版はサーバーの管理が不要で、運営の負担を軽減しつつEC-CUBEの基本機能を活用できるのが魅力です。
また、日本の事業者向けに設計されているため、国内の決済手段や商習慣に対応しやすいという点も強みです。例えば、クレジットカード決済はもちろん、コンビニ決済や銀行振込といった日本のユーザーに馴染みのある支払い方法にも柔軟に対応できます。
国産オープンソースならではの強み
EC-CUBEは、日本国内で開発・運営されているオープンソースプロジェクトです。そのため、日本語の公式ドキュメントやフォーラムが充実しており、開発者や運営者が情報を得やすい環境が整っています。
また、オープンソースであることから、ソースコードを自由にカスタマイズできるのも大きな魅力です。ゼロからECシステムを構築するよりもコストを抑えつつ、自社に合わせた機能追加やデザイン変更が行いやすくなっています。
さらに、EC-CUBEには開発者や企業によるコミュニティがあり、プラグインやテンプレートが豊富に提供されています。これにより、ゼロから作り込まなくても、必要な機能を追加しながら運用を続けることができます。
ECサイトを運営するうえで重要なのは、単に商品を並べるだけでなく、管理のしやすさや柔軟なカスタマイズができるかどうかです。EC-CUBEには、さまざまな機能が備わっており、目的に応じて活用できるのが強みです。ここでは、主要な機能について詳しく見ていきましょう。
商品管理機能
ネットショップでは、商品の登録や在庫管理がスムーズに行えるかどうかが、運営のしやすさに直結します。EC-CUBEでは、管理画面から簡単に商品を追加でき、カテゴリー設定やバリエーション(サイズ・色など)も細かく指定できます。
また、在庫管理の機能も充実しており、売り切れ時の通知や在庫数の自動更新など、販売状況に応じた調整が可能です。特定の商品を目立たせたいときは、ランキング表示や特集ページとの連携もできるため、販促施策にも活用しやすいでしょう。
会員・顧客管理機能
ECサイトにおいて、リピーターの獲得は売上を安定させるために欠かせません。EC-CUBEには、会員登録機能が備わっており、過去の購入履歴やお気に入りリストの保存ができます。これにより、顧客ごとに適したアプローチがしやすくなります。
たとえば、購入履歴をもとにクーポンを発行したり、特定の会員ランクを設定して優待特典を付与することも可能です。会員情報の分析を行い、ターゲットに合わせたマーケティングを展開することで、売上の伸びにつながるでしょう。
多彩なデザインカスタマイズ
見た目の印象は、購買意欲に大きな影響を与えます。EC-CUBEでは、テンプレートを利用しながらデザインを調整できるため、ブランドイメージに合わせたサイト作りがしやすいです。
HTMLやCSSの知識があれば、細かいデザイン変更も可能で、他のショップとは異なるオリジナルのレイアウトを作ることもできます。また、レスポンシブデザインが標準対応しているため、PC・スマートフォンの両方で最適な表示ができるのもメリットです。
決済方法の豊富さ
購入時の決済手段は、ユーザーの利便性を左右する重要なポイントです。EC-CUBEでは、クレジットカード決済をはじめ、コンビニ払い、銀行振込、スマホ決済など、さまざまな方法に対応できます。
決済代行サービスとの連携もスムーズで、希望する決済手段を導入しやすいのも特徴です。サブスクリプション型のビジネスに対応した定期決済や、後払いサービスとの連携も進んでおり、販売スタイルに応じた決済方法を選べます。
プラグイン拡張性
運営を続けていくと、「もっと使いやすくしたい」「マーケティングを強化したい」といったニーズが出てくるものです。EC-CUBEでは、豊富なプラグインが提供されており、機能を後から追加できるのが魅力です。
例えば、以下のようなプラグインが活用されています。
・SEO対策系:検索順位向上のための内部施策を支援
・マーケティング系:メルマガ配信、リターゲティング広告連携
・顧客管理系:CRMとの連携、ポイントシステム導入
・決済系:新しい決済手段の追加
必要に応じてプラグインを導入することで、ECサイトの運営をより快適にできるでしょう。
セキュリティ面での仕組み
ECサイトは、個人情報や決済データを扱うため、セキュリティ対策が必要となります。EC-CUBEでは、定期的なアップデートによる脆弱性対応が行われており、安全性を高める仕組みが整えられています。
また、WAF(Web Application Firewall)の導入や、二段階認証の設定など、追加のセキュリティ強化策も実装可能です。運営者自身が定期的にチェックを行い、最新のセキュリティ対策を取り入れることが、安全なECサイトを維持するうえで大切になります。
EC-CUBEは、基本的な機能だけでもECサイト運営に必要な要素を一通り備えており、プラグインやカスタマイズを組み合わせることで、さらに発展させることができます。次の章では、EC-CUBEを導入するメリットと注意点について解説させていただきます。
ECサイトを運営するうえで、「どのシステムを使うか」は非常に重要な選択です。EC-CUBEは自由度の高さが魅力ですが、その一方で運営するために必要な知識や手間もあります。ここでは、EC-CUBEを導入するメリットと、事前に理解しておきたいデメリットを紹介します。
メリット
カスタマイズの自由度が高い
EC-CUBEの大きな強みは、独自のカスタマイズがしやすいことです。クラウド型のECサービスでは、決められた機能の範囲内で運営しなければなりませんが、EC-CUBEならデザインや機能を自社のスタイルに合わせて変更できます。
例えば、特定の業界に特化した機能を追加したり、独自の決済フローを組み込んだりすることも可能です。オープンソースのため、開発者がいれば自由に拡張できる点は、他のECプラットフォームと比較したときに大きな優位性となるでしょう。
日本語サポートや情報が充実している
海外発のECプラットフォームを使う場合、設定画面やドキュメントが英語で書かれていることが多く、ハードルを感じる人も少なくありません。その点、EC-CUBEは日本で開発・運営されており、日本語の公式マニュアルやサポート情報が豊富です。
また、国内の開発者コミュニティも活発で、フォーラムやブログ記事を参考にしながら運営のヒントを得ることができます。わからないことがあれば、開発者向けのQ&AサイトやSNSを活用して解決策を探せるのも強みです。
開発コストを抑えられる(オープンソース)
ゼロからECサイトを構築する場合、開発費用がかかりますが、EC-CUBEはオープンソースのため、ソフトウェア自体は無料で利用できます。もちろん、サーバー代やカスタマイズの費用は発生しますが、SaaS型のECサービスと比べても長期的に見ればコストを抑えやすいといえます。
標準機能だけで運営できる場合は、追加開発を行わなくてもスムーズにスタートできるでしょう。機能を追加したい場合も、プラグインを活用すれば比較的低コストで対応できるため、運営規模に合わせた柔軟な選択ができます。
多様な決済手段に対応できる
ECサイトでは、購入者が希望する支払い方法を選べるかどうかが、売上にも影響します。EC-CUBEは、国内の主要な決済代行会社と連携しており、クレジットカード決済はもちろん、コンビニ払いや銀行振込、QRコード決済にも対応できます。
また、定期購入や分割払いのオプションを組み込むこともできるため、ビジネスモデルに合わせた決済手段を選択しやすいです。
デメリット
導入・運営にはスキルが必要(特にダウンロード版)
EC-CUBEは自由度が高い反面、設定や運営のために一定の知識が求められます。クラウド版であれば比較的簡単に始められますが、ダウンロード版を利用する場合は、サーバーの設定やシステムの管理を自分で行う必要があります。
例えば、PHPやデータベースの設定、エラーメッセージへの対応など、技術的な作業が発生するため、開発経験のない方にとっては負担に感じることもあるでしょう。そのため、ある程度の知識を持つエンジニアが社内にいるか、外部の開発者と連携できる体制を整えておくことが大切です。
セキュリティ対策を自分で行う必要がある
オープンソースのメリットはカスタマイズ性にありますが、その分、セキュリティ管理を運営者自身が意識しなければなりません。クラウド型のECサービスでは、セキュリティ対策が提供元によって自動的に施されることが多いですが、EC-CUBEの場合は自社で対策を講じる必要があります。
たとえば、以下のような対策を定期的に行うことが求められます。
・システムのバージョンアップ(古いバージョンの使用は脆弱性の原因になりやすい)
・WAF(Web Application Firewall)の導入
・SSL/TLSの適用による通信の暗号化
・不正ログイン対策(ログイン試行回数の制限、多要素認証の導入)
大切な顧客情報を扱う場合は、最新のセキュリティ情報をチェックしながら運営することが不可欠です。
集客は自社で行う必要がある
ECサイトを立ち上げた後、集客をどうするかも重要な課題です。クラウド型のECサービスでは、モール型の仕組みを活用して集客しやすいケースがありますが、EC-CUBEは独自ドメインで運営するため、基本的には自社で集客施策を考える必要があります。
具体的には、以下のような手法が考えられます。
・SEO対策(検索結果に上位表示されるための施策)
・SNSマーケティング(Instagram・Twitter・Facebookなどを活用)
・リスティング広告(GoogleやYahoo!の広告運用)
・メールマーケティング(会員向けキャンペーンやステップメールの活用)
これらの施策を組み合わせながら、長期的に顧客を増やしていくことが求められます。
ECサイトを立ち上げる際に気になるのが、導入や運用にかかる費用です。EC-CUBEはオープンソースとして提供されており、基本的なシステム自体は無料で利用できますが、運営に必要なコストは選択するプランによって異なります。ここでは、ダウンロード版とクラウド版の料金体系、そしてライセンスについて詳しく見ていきます。
ソフトウェア自体は無料
EC-CUBEのダウンロード版は、公式サイトから無料で入手でき、サーバーにインストールすればすぐに使い始められます。
ただし、ECサイトを運営するためには、ソフトウェア以外にもさまざまなコストがかかるため、無料だからといって完全にコストゼロで運営できるわけではありません。
主な運用コスト
ダウンロード版を利用する場合、以下のような費用が発生します。
サーバー費用
ECサイトを公開するためには、レンタルサーバーやクラウドサーバーを契約する必要があります。VPSやクラウドサーバーを利用する場合、月額数千円から数万円の費用がかかることが一般的です。
ドメイン取得費
独自ドメインを利用する場合、年間で数千円程度のコストが発生します。
SSL証明書費用
セキュリティ対策としてSSL/TLS証明書を導入する必要があります。無料のLet's Encryptを使えばコストを抑えられますが、企業向けの有料証明書を導入する場合は、年間数千円~数万円の費用がかかります。
開発・カスタマイズ費用
自社の要件に合わせてカスタマイズする場合、開発者を雇うか外部の制作会社に依頼する必要があります。カスタマイズの内容によっては、数十万円以上の費用が発生することもあります。
保守・運用コスト
システムのアップデート対応やトラブル対応をするために、エンジニアを確保するか、外部のサポートサービスを利用することになります。これも、月額で数万円程度の予算を見ておくと安心です。
ダウンロード版は、自由度が高い反面、運用に関する負担が大きくなる点を考慮しておく必要があります
ダウンロード版とは異なり、クラウド版(EC-CUBE.co)は、サーバー管理やメンテナンスが不要で、手軽に運用を始められるプランです。
月額料金と初期費用
クラウド版の料金は、プランによって異なります。基本的な月額費用のほか、売上やアクセス数に応じて追加費用が発生する場合もあります。一般的なクラウド型ECサービスと同様に、運営者がサーバーの管理をする必要はなく、メンテナンスやセキュリティ対応もサービス側で行ってくれます。
このため、技術的な知識がなくても運用しやすい点がメリットといえますが、自由にカスタマイズできる範囲には制限があるため、導入前にどの程度のカスタマイズが可能なのか確認しておくことが重要です。
EC-CUBEは、オープンソースソフトウェアとして提供されており、GPL(GNU General Public License)というライセンスのもとで利用できます。
GPLライセンスの概要
GPLライセンスのもとでは、誰でもソフトウェアを自由に利用・改変・再配布することができます。ただし、GPLにはいくつかのルールがあり、それに従う必要があります。
ソースコードの公開義務:
EC-CUBEを改変して配布する場合、改変後のソースコードも公開しなければなりません。
商用利用は可能:
GPLライセンスのソフトウェアは、商用利用が許可されているため、ECサイトの運営にも問題なく使えます。
プラグインやテーマの取り扱い:
プラグインやテンプレートについては、GPLの影響を受けない独自ライセンスで提供されているものもあり、それぞれのライセンス条件を確認する必要があります。
ソースコードを改変・再配布する際の留意点
EC-CUBEをカスタマイズして独自のECサイトを作ることは自由ですが、改変したものを第三者に配布する場合、GPLのルールを守らなければなりません。
たとえば、EC-CUBEのシステムをカスタマイズして販売する場合、そのソースコードを開示する義務が発生することになります。自社専用のカスタマイズであれば問題ありませんが、他社向けに提供する場合はライセンス条件をしっかりと理解しておくことが重要です。
ECサイトを運営するには、まず適切なシステムのセットアップが必要です。EC-CUBEには、自由にカスタマイズできるダウンロード版と、手軽に始められるクラウド版が用意されています。それぞれの導入手順を詳しく見ていきましょう。
ダウンロード版は、自社のサーバーにEC-CUBEをインストールし、自由にカスタマイズしながら運営する方法です。導入の流れは次のようになります。
① サーバー環境の準備
まず、EC-CUBEが動作する環境を整えます。必要なサーバースペックやソフトウェアのバージョンは、EC-CUBEの公式サイトで確認できます。
基本的な要件(例)
・PHP:推奨バージョン(例:PHP 7.4以上)
・データベース:MySQLまたはPostgreSQL
・Webサーバー:ApacheやNginx
・SSL証明書:セキュリティ強化のために導入を推奨
レンタルサーバーを利用する場合は、これらの要件を満たしているか確認しておくと安心です。クラウドサーバー(AWSやVPSなど)を選ぶ場合は、自分で設定することになります。
② EC-CUBE本体のダウンロードとインストール
公式サイトからEC-CUBEの最新版を取得し、サーバーにアップロードします。その後、インストールスクリプトを実行してセットアップを進めます。
1. 公式サイトからEC-CUBEをダウンロード
2. サーバーにアップロード(FTPやSSHを利用)
3. Webブラウザでインストール画面を開く
4. データベース情報を入力し、インストールを完了
インストールが終わると、管理画面にログインできるようになります。ここで、基本設定を行い、ショップの初期設定を整えます。
③ デザインテンプレートの適用
EC-CUBEには、初期のデフォルトデザインが用意されていますが、見た目を変更したい場合はテンプレートを適用することで、手軽にカスタマイズができます。
・公式マーケットプレイスでテンプレートを購入
・HTMLやCSSを編集してオリジナルデザインを作成
デザインにこだわる場合は、開発者に依頼してフルカスタマイズすることもできます。
④ プラグインの導入
運営をスムーズにするために、必要な機能をプラグインで追加できます。例えば、次のようなものがあります。
・SEO対策系プラグイン(検索エンジン対策)
・決済機能拡張プラグイン(新しい決済手段の追加)
・マーケティング系プラグイン(メルマガ配信、リターゲティング広告対応)
管理画面からインストールできるため、必要な機能を手軽に追加できます。
⑤ テスト運用・セキュリティ対策
サイトを公開する前に、動作確認を行います。
・商品登録・購入のテスト
・決済処理の確認(テストモードで決済が正しく処理されるか)
・モバイル対応チェック
また、セキュリティ対策も重要です。管理画面のURL変更、二段階認証の導入、定期的なアップデートなど、運用を安全にするための準備をしておきましょう。
クラウド版は、公式が提供するEC-CUBE.coを利用する方法です。サーバーの準備やインストール作業が不要なため、手間をかけずにECサイトを始められます。
① アカウント登録から初期設定までの流れ
1. EC-CUBE.coの公式サイトでアカウントを作成
2. プランを選択し、申し込みを完了
3. 管理画面にログインし、ショップ情報を設定
基本設定が完了すると、すぐに商品登録やデザイン調整ができるようになります。
② クラウド版のカスタマイズ性と制限点
クラウド版では、ダウンロード版のように細かいカスタマイズが自由にできるわけではありませんが、基本的なデザイン変更や機能追加は可能です。
カスタマイズできる範囲
・デザインテンプレートの選択
・一部HTML・CSSの編集
・プラグインの導入
制限がある部分
・サーバー環境の変更は不可
・一部のカスタマイズは制限される
・外部サービスとの連携には制約がある
ECサイトの規模が大きくなると、クラウド版では機能が足りなくなることもあります。その場合は、ダウンロード版への移行を検討するのもひとつの選択肢です。
ネットショップを運営するうえで、決済手段の選択は売上に直結する重要な要素です。購入者にとって、支払い方法の選択肢が多いほど利便性が上がり、購入につながりやすくなります。EC-CUBEはさまざまな決済方法に対応しており、導入する決済代行会社を選ぶことで、自社に適した決済環境を整えることができます。
ここでは、代表的な決済手段の特徴や、決済代行会社を選ぶ際のポイント、導入時に注意すべき点について解説します。
代表的な決済手段
ネットショップで利用される決済手段にはさまざまな種類があり、ターゲットとする顧客層やビジネスモデルに応じて選ぶことが大切です。
クレジットカード決済
ECサイトにおいて最も利用される決済手段のひとつです。Visa、Mastercard、JCB、American Expressなどの主要ブランドに対応することで、多くのユーザーにとって便利な支払い方法となります。
一括払いのほか、分割払いやリボ払いに対応することで、高単価の商品も販売しやすくなります。ただし、決済手数料がかかるため、売上とのバランスを考慮しながら導入する必要があります。
コンビニ決済
クレジットカードを持っていないユーザーや、オンラインでのカード利用に抵抗がある人向けに提供される決済手段です。全国のコンビニエンスストアで支払いができるため、若年層や現金派の利用者にとって便利です。
決済のタイミングは購入後となるため、入金確認後に商品を発送する形になります。未払いのリスクもあるため、一定期間内に支払いがない場合のキャンセル処理など、運用ルールを事前に決めておくとよいでしょう。
銀行振込
従来からある決済方法で、特にBtoB取引では依然として利用されることが多いです。事前に振込が完了してから商品を発送する形になるため、売掛リスクがないのがメリットです。
ただし、手作業で入金確認を行う場合は、管理の負担が増える可能性があるため、自動入金確認機能がある決済代行サービスを利用すると便利です。
スマホ決済(PayPayなど)
スマートフォンアプリを使ったQRコード決済も、近年導入が進んでいます。PayPay、LINE Pay、楽天ペイなどのサービスがあり、特にスマホユーザー向けのECサイトでは需要が高まっています。
これらの決済手段は、ポイント還元キャンペーンを実施することが多いため、導入することで集客につながる可能性があります。
マルチペイメントの重要性
ひとつの決済手段に依存するのではなく、複数の選択肢を用意することで、より多くのユーザーに対応できます。たとえば、クレジットカードとコンビニ決済を組み合わせることで、幅広い客層をカバーすることができます。
EC-CUBEでは、決済代行会社のプラグインを導入することで、これらの決済手段を簡単に追加できるため、サイトの特性に合わせて選択するとよいでしょう。
決済手段を導入する際には、決済代行会社を利用するのが一般的です。どの決済代行会社を選ぶかによって、手数料やサポート内容が異なるため、以下のポイントを基準に選定するのがおすすめです。
手数料
決済代行会社を利用する場合、売上の一部を手数料として支払う必要があります。手数料率は、決済手段によって異なりますが、一般的には以下のような目安になります。
・クレジットカード決済:3%~5%
・コンビニ決済:100円~300円(1回あたり)
・銀行振込:振込手数料のみ(自動入金確認機能を使う場合は別途費用)
・スマホ決済:3%前後
手数料が低いほど利益を確保しやすくなりますが、サポートや管理機能が充実しているかも考慮する必要があります。
決済対応種類
選択する決済代行会社によって、対応している決済手段が異なります。たとえば、クレジットカード決済に特化している会社もあれば、コンビニ払いやスマホ決済など幅広く対応しているところもあります。
自社のビジネスモデルに適した決済手段を提供しているか、事前に確認することが重要です。
サポート体制
決済に関するトラブルは、売上に直結するため迅速な対応が求められます。導入後に問題が発生した際、問い合わせがスムーズにできるかどうかも重要なポイントです。
・サポートの受付時間(24時間対応か、営業時間内のみか)
・問い合わせ方法(電話・メール・チャット対応の有無)
・不正取引対応(チャージバック対策など)
万が一のトラブル時にすぐに対応してもらえるかどうかも、選定基準に含めておくと安心です。
セキュリティ
決済データを安全に管理するために、セキュリティ対策がしっかりしているかもチェックポイントのひとつです。
・PCI DSS準拠の有無(クレジットカード情報の安全基準)
・3Dセキュア対応(不正利用防止機能)
・不正決済検知システムの導入
これらの対策が取られている決済代行会社を選ぶことで、安全な取引環境を確保できます。
実際の導入事例や注意点
事前審査の必要性
決済代行会社と契約する際、事前審査が必要になることがほとんどです。特にクレジットカード決済を導入する場合は、事業内容や取扱商品、サイトの運営実績などが審査対象となります。
特定の業種(健康食品、情報商材など)は審査が厳しくなることがあるため、導入を検討する際は事前に確認しておくとよいでしょう。
売上管理・返金対応などの運用面
決済システムを導入した後は、売上の管理や返金対応をスムーズに行うことが求められます。特に、キャンセルや返品が発生した際の処理フローを事前に決めておくことで、トラブルを防ぐことができます。
EC-CUBEでは、多様な決済手段に対応できる一方で、決済代行会社の選び方や運用ルールを慎重に決めることが成功の鍵となります。次の章では、EC-CUBEの運営で押さえておきたいポイントについて詳しく解説します。
ECサイトの運営は、構築したら終わりではありません。サイトを安全に保ち、集客を伸ばし、スムーズな販売を継続するためには、日々の管理や改善が欠かせません。
ここでは、セキュリティ対策からSEO施策、マーケティングとの連携、在庫管理の最適化、運営体制の整備まで、EC-CUBEでの運営を安定させるために押さえておくべきポイントを紹介します。
オープンソースならではの脆弱性対策
EC-CUBEはオープンソースのため、多くの開発者が関与している一方で、脆弱性が発見されることもあります。放置すると不正アクセスや情報漏洩につながるリスクがあるため、定期的な対策が不可欠です。
公式の脆弱性情報を確認する
EC-CUBEの公式サイトでは、セキュリティ関連の情報が随時公開されています。脆弱性が報告された場合は、できるだけ早く対策を講じることが重要です。
不要な管理者アカウントを削除する
管理者アカウントが複数あると、意図しないアクセスのリスクが高まります。不要なアカウントを定期的に整理しましょう。
定期的なアップデートの重要性
EC-CUBEのバージョンアップには、セキュリティ強化やパフォーマンス改善が含まれています。古いバージョンのまま使い続けると、脆弱性を突かれるリスクが高まるため、定期的な更新を推奨します。
アップデートの際は、事前にバックアップを取り、テスト環境で動作確認を行ってから適用するのが安全です。
サーバーセキュリティの強化(WAF導入例など)
ECサイトへの攻撃を防ぐためには、サーバーのセキュリティも強化する必要があります。
WAF(Web Application Firewall)の導入
WAFを導入することで、不正なアクセスやデータ改ざんを防ぐことができます。クラウド型のWAFサービスを利用すると、手軽に対策を強化できます。
SSL/TLSの適用
通信を暗号化し、顧客の個人情報を保護するためにSSL/TLS証明書を適用しましょう。Googleの検索結果にも影響するため、SEO対策としても有効です。
メタ情報の最適化とモバイルフレンドリー対応
検索エンジンで上位に表示されるには、メタ情報の最適化が重要です。
タイトルタグやメタディスクリプションを適切に設定
商品名やブランド名を意識しながら、検索されやすいキーワードを含めるのがポイントです。
モバイル対応を強化
スマートフォンからのアクセスが増えているため、モバイル表示の最適化は必須です。レスポンシブデザインを採用し、スマホでも使いやすいレイアウトを意識しましょう。
SEO系プラグインやリダイレクト設定の活用
EC-CUBEにはSEO向けのプラグインが用意されており、これを活用することで手間をかけずに内部対策を強化できます。
また、URLが変わった際のリダイレクト設定を適切に行うことで、検索エンジンからの評価を落とさずに済みます。
ページ表示速度の改善(キャッシュ・CDN利用など)
サイトの表示速度が遅いと、ユーザーが離脱しやすくなるだけでなく、検索順位にも影響を与えます。
キャッシュ機能を活用
頻繁に更新されないページのキャッシュを有効化することで、サーバー負荷を軽減できます。
CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を利用
画像やCSS・JavaScriptの配信をCDN経由にすることで、ページの読み込み速度を改善できます。
メール配信やステップメールの自動化
ECサイトでは、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との関係を維持することも重要です。
購入後のフォローメールを自動化
商品購入後に「この商品に合うおすすめアイテム」や「使用方法のヒント」を送ることで、リピーター獲得につながります。
カゴ落ち対策のリマインドメール
カートに商品を入れたまま購入しなかったユーザーに、自動でリマインドメールを送る施策も効果的です。
CRMとの連携でLTVを高める
EC-CUBEをCRM(顧客関係管理)システムと連携させることで、顧客データを活用しやすくなります。過去の購入履歴をもとに、パーソナライズされたキャンペーンを実施するのもひとつの手です。
受注管理を効率化するプラグイン例
受注管理の負担を減らすために、EC-CUBEのプラグインを活用するのも有効です。
自動在庫更新プラグイン
複数の販売チャネルを持っている場合、在庫情報をリアルタイムで同期できるシステムを導入すると、手動管理の負担を軽減できます。
複数拠点在庫管理・倉庫連携システムとの統合
自社倉庫だけでなく、外部の物流倉庫と連携できるシステムを導入することで、配送業務の効率化が可能です。出荷スピードの向上は、顧客満足度にも直結します。
EC担当者の役割分担
ECサイトの運営は、ひとりで完結するものではありません。
・商品管理担当:在庫や商品情報を管理
・マーケティング担当:SEOや広告運用を担当
・カスタマーサポート:問い合わせ対応
それぞれの役割を明確にすることで、スムーズな運営ができます。
外部制作会社・開発会社との協力体制
専門的なカスタマイズが必要な場合は、外部の制作会社や開発者と連携するのも選択肢のひとつです。特に、システムのアップデートやセキュリティ対応を外注することで、運営側の負担を軽減できます。
ECサイトを構築する方法はいくつもあり、どのプラットフォームを選ぶかは事業の成長に大きく関わります。EC-CUBEは自由度の高さが魅力ですが、運営のスタイルによっては他の選択肢も適しているかもしれません。ここでは、代表的なECサイト構築サービスと比較しながら、それぞれの特徴や向いている事業規模について解説させていただきます。
ECプラットフォームを選ぶ際には、拡張性・カスタマイズ性・費用・サポート体制の4つの視点が重要になります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
拡張性・カスタマイズ性の比較
プラットフォーム | 拡張性 | カスタマイズ性 |
---|---|---|
EC-CUBE | 高い(プラグインや独自開発で追加可能) | 自由度が高く、フルカスタマイズ可能 |
Shopify | 豊富なアプリで機能追加ができる | テーマの範囲内でカスタマイズ可(コード編集も可) |
BASE | シンプルな機能で運用しやすい | デザインや機能のカスタマイズは限定的 |
STORES | 初心者向けの機能が揃っている | 基本的にテンプレートベース |
EC-CUBEはカスタマイズ性に優れていますが、開発スキルが求められます。細かいデザイン変更や機能追加をしたい場合はEC-CUBEやShopifyが向いていますが、シンプルな運営を考えているならBASEやSTORESも選択肢に入ります。
費用面の比較
ECサイトの運営では、初期費用や月額料金の有無、売上に応じた手数料なども考慮する必要があります。
プラットフォーム | 初期費用 | 月額費用 | 決済手数料 |
---|---|---|---|
EC-CUBE(ダウンロード版) | 無料 | サーバー・保守費用が発生 | 決済代行会社により異なる |
EC-CUBE(クラウド版) | 無料 | 月額プランあり | 決済代行会社の手数料適用 |
Shopify | 無料 | 3,000円~5万円(プランによる) | 3.4~4.15%程度 |
BASE | 無料 | 無料(売上手数料あり) | 6.6% + 40円(BASEかんたん決済) |
STORES | 無料 | 2,178円~(無料プランあり) | 3.6~5%程度 |
EC-CUBEはオープンソースのため、システム自体は無料ですが、サーバー代やカスタマイズ費用が発生します。一方、ShopifyやBASEは初期費用ゼロで始められるものの、売上に応じて手数料がかかります。長期的なコストを考えると、売上規模に応じた最適なプラットフォームを選ぶことが大切です。
サポート体制の違い
運営を続ける中で、不明点やトラブルが発生した際のサポートも重要です。
プラットフォーム | サポート体制 |
---|---|
EC-CUBE | コミュニティフォーラム、開発パートナーのサポートあり |
Shopify | 24時間サポート(メール・チャット・電話) |
BASE | メール対応(有人サポート) |
STORES | メール対応(有人サポート) |
EC-CUBEは公式のサポートデスクがないため、基本的には開発者向けのドキュメントやコミュニティフォーラムを活用する形になります。一方、Shopifyは24時間体制で対応しているため、安心して運営したい場合はサポート体制の手厚さも考慮するとよいでしょう。
ECサイト構築サービスには、SaaS型(クラウド型)とオープンソース型の2つの種類があります。どちらが適しているかは、事業の規模や運営体制によって異なります。
SaaS型(Shopify・BASE・STORESなど)の特徴
メリット
・初期設定が簡単で、すぐに運営を開始できます
・サーバーやセキュリティ管理が不要です
・低コストでスタートできます
デメリット
・機能のカスタマイズに制限があります
・売上に対する手数料が発生します
・プラットフォームの仕様変更に影響を受けます
SaaS型が向いているケース
・個人事業主や小規模ビジネスで手軽にECを始めたいです
・カスタマイズをそれほど必要とせず、シンプルな運営を目指しています
・運営コストを抑えながら、スピーディに開店したいです
オープンソース型(EC-CUBEなど)の特徴
メリット
・自由にカスタマイズできます(機能追加・デザイン変更が容易)
・サーバーや決済代行会社を自由に選べます
・長期的な運用コストを抑えられる可能性があります
デメリット
・初期設定に技術的な知識が必要となります
・サーバーやセキュリティの管理が必要となります
・自分でアップデート対応を行う必要があります
オープンソース型が向いているケース
・大規模なECサイトや独自の機能を追加したい
・長期的に運営し、売上規模が大きくなることを見据えている
・技術者が社内にいる、または開発パートナーと連携できる
どちらを選ぶべきか?
・「とりあえずECを始めたい」→ SaaS型(BASE・Shopify・STORES)
・「独自の機能を持つサイトを作りたい」→ オープンソース型(EC-CUBE)
・「コストを抑えて運営したい」→ 事業規模によって選択(小規模ならBASE、大規模ならEC-CUBE)
どのサービスを選ぶかは、単に「無料だから」「人気だから」といった理由ではなく、自社の事業規模や成長戦略に合わせて判断することが大切です。
EC-CUBEはカスタマイズ性に優れたECプラットフォームですが、単に導入するだけでは十分に活かしきれません。機能拡張やツールとの連携、効果的な集客施策を組み合わせることで、より効率的に運営を進めることができます。ここでは、EC-CUBEのポテンシャルを最大限に引き出すための具体的なポイントを紹介します。
プラグイン・拡張機能の活用術
EC-CUBEには、機能を追加できるプラグインが豊富に用意されています。これを活用することで、セキュリティの強化や集客施策の強化など、サイト運営をよりスムーズにすることができます。
人気プラグインの紹介(セキュリティ、SEO、マーケティング)
セキュリティ系プラグイン
・WAF(Web Application Firewall)導入プラグイン:外部からの攻撃を防ぎ、サイトの安全性を高める
・二段階認証プラグイン:管理画面のセキュリティを強化し、不正アクセスを防ぐ
SEO対策プラグイン
・メタタグ自動設定プラグイン:ページごとに適切なメタ情報を設定し、検索順位向上をサポート
・リダイレクト管理プラグイン:URLの変更時に、旧URLから新URLへスムーズに誘導
マーケティング系プラグイン
・カゴ落ち対策プラグイン:購入途中で離脱したユーザーへリマインドメールを自動送信
・ポイントシステムプラグイン:リピーター向けにポイント付与を行い、購入促進
プラグインを導入することで、EC-CUBEの標準機能にはない細かい調整が可能になります。
プラグイン導入時の注意点(バージョン互換性など)
プラグインを活用する際は、次の点に注意しましょう。
1. EC-CUBEのバージョンに対応しているか確認する
プラグインによっては、特定のバージョン専用のものもあります。バージョンが合わないと、正常に動作しないことがあります。
2. 複数のプラグインを同時に導入する際の相性を考慮する
プラグイン同士の機能が競合すると、システムの不具合を引き起こすことがあります。
3. 定期的にアップデートを行う
プラグインの開発元が提供する最新の更新情報をチェックし、セキュリティリスクを抑えるためにバージョンアップを実施しましょう。
プラグインは便利ですが、管理を怠るとトラブルの原因にもなります。導入する際は慎重に選び、適切なメンテナンスを心がけることが重要です。
運営負担を減らす外部ツールとの連携
ECサイトの運営には、受注管理や顧客対応、会計処理など、さまざまな業務が発生します。こうした業務をスムーズに進めるために、外部ツールとの連携が役立ちます。
会計ソフトとの連携
売上管理や経理処理を効率化するために、会計ソフトとの連携は欠かせません。
・freee・マネーフォワードクラウド:売上データを自動連携し、確定申告や決算業務をスムーズにできます
・弥生会計:従来型の会計管理を行いたい企業向けサービスとなります。
手作業で売上データを入力する手間を減らすことで、経理担当者の負担を軽減できます。
チャットボット・カスタマーサポートツール
問い合わせ対応を効率化するために、チャットボットを導入するのも有効です。
・Zendesk・Intercom:FAQ対応を自動化し、問い合わせ対応の負担を減らすことができます
・チャットボットツール:よくある質問への自動応答を設定し、対応スピードを向上させることができます
顧客対応の負担を軽減しながら、満足度の向上につなげることができます。
SNS・広告連携
集客力を強化するために、SNSや広告との連携も重要です。
・Instagram・Facebook連携:SNS上で商品販売を行い、直接購入へつなげます
・Google広告・Facebook広告:広告データをEC-CUBEと連携し、ターゲットに最適な広告を配信することができます。
SNSの活用は、特に若年層向けのECサイトでは欠かせない戦略のひとつです。
効果的な集客施策
ECサイトの成功には、安定した集客が欠かせません。ここでは、実践しやすい3つの施策を紹介します。
コンテンツマーケティング
SEO対策の一環として、ブログや商品紹介ページの充実は効果的です。
・商品の使用感をレビュー記事として掲載していきます。
・顧客の悩みを解決するコンテンツを発信していきます。
・検索流入を増やすために、キーワードを意識した記事を作成していきます。
情報提供を行うことで、単なる販売サイトではなく、信頼される情報源としての価値も高められます。
SNS広告の活用
ターゲットに直接アプローチできるSNS広告は、集客力の強い施策のひとつです。
・Instagram広告:ビジュアル重視のECサイト向けの試作です。
・Facebook広告:詳細なターゲティングができるので、高い費用対効果が見込めます
・TikTok広告:若年層向けの商品PRに有効となります。
動画コンテンツを活用すると、より多くのユーザーにリーチできる可能性があります。
リターゲティング広告(リマーケティング)
一度サイトを訪れたユーザーに対し、再び広告を表示する手法です。
・Googleリマーケティング:訪問履歴のあるユーザーに広告を配信することができます。
・Facebookリターゲティング:SNS上で過去に商品を見たユーザーに再アプローチできます。
一度サイトを訪れたユーザーは、購入に至る確率が高いため、適切なタイミングで広告を配信することで、コンバージョン率を向上させることができます。
EC-CUBEを導入する際、さまざまな疑問が浮かぶことがあります。ここでは、よく寄せられる質問について、分かりやすく解説させていただきます。
Q1:無料で使えるの?
EC-CUBEのダウンロード版は無料で提供されています。ただし、ECサイトを運営するためには、いくつかの費用が発生します。
必要なコスト
・サーバー代:レンタルサーバーやクラウドサーバーの契約が必要となります
・ドメイン取得費:独自ドメインを使用する場合、年間数千円程度かかります
・SSL証明書費用:無料のものもありますが、信頼性の高い有料証明書を選ぶ場合は追加費用が発生します
・プラグイン・カスタマイズ費:追加機能を導入する場合、開発コストがかかります
一方、クラウド版(EC-CUBE.co)は月額料金が発生しますが、サーバーの準備や保守の手間が少なく、手軽に始められるのが特徴です。
Q2:カスタマイズするにはプログラミング知識が必要?
EC-CUBEはカスタマイズの自由度が高い分、プログラミングの知識が求められる場面があります。
知識がなくてもできること
・デザインテンプレートの適用(管理画面から簡単に変更可能)
・プラグインの導入(機能追加が簡単)
・基本設定の変更(送料設定・決済方法の追加など)
知識が必要な場面
・オリジナルデザインの作成(HTML・CSSの編集が必要)
・新機能の開発・改修(PHP・JavaScriptの知識が必要)
・システムのメンテナンスやバージョンアップ対応
専門的なカスタマイズをする場合は、開発経験のあるエンジニアに依頼するか、外部の制作会社と連携するのが一般的です。
Q3:どのサーバーを選べばいいの?
EC-CUBEの動作環境は、選ぶサーバーによって異なります。安定した運営のためには、以下の点を考慮するとよいでしょう。
レンタルサーバー vs. VPS vs. クラウドサーバー
サーバー種別 | 特徴 | おすすめの用途 |
---|---|---|
レンタルサーバー | 手軽に利用できるが、カスタマイズの自由度が低い | 小規模なECサイト向け |
VPS(仮想専用サーバー) | サーバー管理の知識が必要だが、自由度が高い | 中規模以上のECサイト向け |
クラウドサーバー(AWS, GCP, Azureなど) | 負荷に応じてリソースを増減できる | 大規模ECサイト向け |
小規模ならレンタルサーバー、中~大規模ならVPSやクラウドサーバーがおすすめです。負荷が増えたときに対応できるかどうかも考慮して選びましょう。
Q4:セキュリティに不安はない?
EC-CUBEはオープンソースであり、定期的にセキュリティ対策が行われています。ただし、適切な設定や運用が求められます。
基本的なセキュリティ対策
・定期的なバージョンアップ(古いバージョンは脆弱性のリスクが高まる)
・WAF(Web Application Firewall)の導入(不正アクセス対策)
・管理画面のアクセス制限(IP制限・ログイン試行回数の制限)
・SSL/TLSの適用(通信の暗号化)
適切なセキュリティ対策を講じれば、安心して運営することができます。
Q5:バージョンアップのタイミングは?
EC-CUBEのバージョンアップは、新機能の追加やセキュリティ強化のために定期的に行われます。ただし、アップデートは慎重に実施することが重要です。
バージョンアップのポイント
・新機能やセキュリティ修正が含まれるか確認する
・テスト環境で動作検証を行ってから本番環境に適用する
・利用中のプラグインやカスタマイズ部分が影響を受けるかチェックする
メジャーアップデート(例:3系→4系)は、大きな変更が含まれるため、慎重に検討する必要があります。
EC-CUBEのほかにも、さまざまなECサイト構築サービスが提供されています。ビジネスの規模や運営スタイルに応じて選ぶことが大切です。
サービス | 特徴 | 向いている事業者 |
---|---|---|
Shopify | グローバルに展開できる、アプリが豊富 | 海外販売を考えている企業 |
BASE | 初心者向け、無料で開設できる | 個人・小規模ビジネス |
STORES | シンプルな機能、手軽に運営できる | 小規模ECサイト向け |
MakeShop | BtoB向け機能が充実 | 法人ECサイト運営者 |
カラーミーショップ | 国内向けに最適化されている | 日本市場で販売したい事業者 |
EC-CUBEは「自由にカスタマイズできる」点が最大の魅力ですが、「手軽に始めたい」場合はBASEやSTORES、「海外展開を視野に入れたい」場合はShopifyが選択肢に入ります。どのプラットフォームを選ぶかは、事業の規模・成長戦略・運営リソースに応じて慎重に判断するとよいでしょう。
EC-CUBEは、高いカスタマイズ性と拡張性を持つ国産のオープンソースECプラットフォームです。サーバーにインストールするダウンロード版と、手軽に始められるクラウド版があり、事業規模や運営方針に応じた選択が求められます。
セキュリティ管理や集客施策、運営負担を軽減するプラグインや外部ツールの活用も重要です。他のECサービスと比較しながら、柔軟なカスタマイズを重視するならEC-CUBE、手軽さを優先するならSaaS型が適しています。最適な運営体制を整え、長期的な成長を見据えたECサイト運営を目指しましょう。