Treasure Data CDPとは?
Treasure Data CDPは、企業が持つ顧客データを一箇所に集約・管理し、顧客に対する理解を深めることで、より優れた顧客体験を提供するためのプラットフォームです。
オンラインとオフラインのさまざまなデータをリアルタイムで収集・分析し、セグメント化やデータの視覚化を通じて、個々の顧客に合わせた対応をサポートします。
500以上の外部ツールと連携でき、高度なデータ分析機能を備え、AIや機械学習を活用して深いインサイトを提供します。また、法人営業(CDP for Sales)やカスタマーサポート(CDP for Service)にも対応し、マーケティングを超えたDXを支援します。
強固なセキュリティ対策と優れたシステム安定性を兼ね備え、企業のデータ活用を総合的にサポートする、信頼性の高いプラットフォームです。
Treasure Data CDPの主な特徴
1. 幅広いデータ対応力と柔軟な拡張性
Treasure Data CDPは、オンライン・オフラインを問わず、多種多様なデータを扱える拡張性が特徴です。これには、Webサイトのアクセスログやアプリの利用履歴、POSでの購入データ、CRMに保存された顧客情報、広告のクリック履歴、SNSでのユーザーアクション、さらにIoTデバイスから取得されるセンサーデータなど、あらゆる顧客との接点から得られる情報が網羅されています。
これにより、企業は顧客の全体像を包括的に把握し、パーソナライズされた顧客体験を提供できます。
2. 即時に得られる顧客インサイト
データを即時に収集・統合・分析できるため、素早く適切な意思決定が行えます。これにより、顧客の行動や嗜好を即座に反映したマーケティング施策やパーソナライズされたコミュニケーションが実現し、顧客満足度の向上やLTVの最大化に寄与します。
3. 柔軟で高度なデータ分析
Hive、Presto、Hivemallなどの高度な分析エンジンを活用し、顧客のライフタイムバリュー(LTV)、解約の可能性や購入の見込みなど、具体的なインサイトを把握することができます。これにより、マーケティング施策や営業戦略の精度を高め、ROIを向上させることが可能です。
4. 広範な連携とエコシステム
500を超える外部ツールとスムーズに連携できることも大きな特長です。CRM、MA、広告配信、BIツール、カスタマーサポートシステムをはじめとする各種システムと連携することで、企業全体で一貫性のあるデータ活用が可能になります。
また、データのサイロ化を防ぎ、組織全体でのデータを根拠にした意思決定がやりやすくなります。
5. 顧客理解の深化とパーソナライゼーション
一人ひとりの顧客の行動や属性を詳しく理解できるため、各顧客のニーズに応じた最適な体験を提供することが可能になります。これにより、顧客ロイヤルティの向上や離反防止、顧客LTVの向上に大きく貢献します。
6. 安全性と信頼性
セキュリティは最優先事項とされており、TLS + AES-128/256-SHAによる暗号化、リアルタイム監査ログ、ISO27001やSOC2 Type II認証など、厳格なデータ保護体制が整っています。これにより、安心して顧客データを扱うことができ、法令や規制の要件にも対応できます。
7. フルマネージドサービス
システムの保守や管理が不要なフルマネージドサービスであり、データの収集から統合、解析、そして活用に至るまで、一貫したサポートを提供しています。これにより、ITリソースの負荷を軽減し、コア業務への集中を支援できるようになります。
8. 高度なAI・機械学習機能
類似顧客の抽出や自然言語処理、複数のデバイス間でのデータ連携や統合など、AIや機械学習を駆使した高度なデータ分析が可能です。これにより、精度の高い予測分析やパーソナライズ施策が実現できます。
9. グローバル対応
北米、欧州、アジアなど世界中の市場に対応しており、多言語サポートやリージョンごとの法規制に対応しています。これにより、グローバル展開する企業にも適したプラットフォームです。
10. 効率的なマーケティング施策
データを統合・分析し、ターゲットセグメントを精緻に定義することで、マーケティングROIを向上させることができます。さらに、PDCAサイクルの迅速な実行を支援し、データに基づく最適化が容易です
Treasure Data CDPの主な機能
1. データ収集機能
Treasure Data CDPは、さまざまなチャネルから大量のデータをリアルタイムで収集することができます。具体的には、Webサイトの訪問履歴、モバイルアプリの利用データ、POSでの購買履歴、SNSでのユーザーアクション、広告のクリックデータ、IoTデバイスからのセンサーデータ、さらにはCRMやERPシステムからの企業情報も収集できます。
これらのデータは専用のデータコネクタやSDK(JavaScript, iOS, Android)を通じて効率的に取り込まれ、データソースの拡張も柔軟に対応します。
2. データ統合・管理・分析機能
Treasure Data CDPは、分散された顧客データを一元管理し、統合・分析するための強力なデータマネジメント機能を提供します。収集したデータはHive、Presto、Hivemall、SQLといった高度な分析エンジンにより処理され、顧客の属性や行動履歴の包括的な理解を可能にします。
さらに、ジョブ・フロー管理機能(Workflow)を備えており、データ処理の自動化や効率化も実現できます。
3. セグメンテーションとターゲティング
CDPに集約された顧客データは、属性や行動履歴に応じて細かくセグメント化され、それぞれの顧客の状態やニーズに合わせたターゲティングが実現できます。
これにより、見込み顧客の育成、
新規顧客の獲得や既存顧客のLTV(顧客生涯価値)の向上など、顧客のライフサイクルに合わせた戦略的な施策を展開することができます。
4. マーケティング機能
取得した顧客データは、メール、SNS、アプリ通知、広告、コールセンターといった多様なチャネルでの施策に活用されます。さらに、ABテストやパーソナライズコンテンツの最適化を支援し、PDCAサイクルを迅速に回すためのリアルタイムなフィードバック機能も提供されています。
5. 顧客理解と予測分析
機械学習アルゴリズムを活用し、顧客の行動予測や購入確度、解約リスクの事前予測が可能です。これにより、効率的なリードナーチャリングやクロスセル、アップセルなどができるようになり、顧客の生涯価値(LTV)をアップさせることができます。
6. データセキュリティとプライバシー保護
キュリティは最優先事項とされ、全ての通信はTLS + AES-128/256-SHAで暗号化されており、データセンターは24時間365日監視されています。リアルタイムの監査ログにより、データアクセスの状況を詳細に把握することが可能で、各種セキュリティ認証(ISO27001、SOC2 Type IIなど)に準拠しています。
7. 外部ツールとの連携とエコシステム
500以上の外部ツールやデータソースと連携ができるので、広告、マーケティングオートメーション、CRM、SFAなど、あらゆるデジタル施策とシームレスに統合できます。これにより、企業全体のデータ活用を支援する強力なエコシステムを構築します。
8. データの可視化とレポーティング
収集した顧客データの可視化を効果的にサポートします。BIツールやダッシュボードとのシームレスな連携により、リアルタイムのデータ分析結果を迅速に共有でき、意思決定のスピードを大幅に向上させます。
9. 顧客エクスペリエンスの向上
CDP for SalesやCDP for Serviceといった、特定の部門向けの機能拡張も備えており、B2B営業やコンタクトセンターにおける顧客対応の最適化にも対応しています。これにより、営業プロセスや顧客サポートの効率化、顧客満足度向上に大きく貢献します
Treasure Data CDPの導入事例
資生堂インタラクティブビューティー株式会社の事例
課題
資生堂インタラクティブビューティー株式会社は、顧客一人ひとりに最適なビューティー体験を提供することを目指していました。しかし、ブランドやチャネルごとに分散して管理されていた顧客データの統合が課題となっていました。
さらに、迅速なマーケティング施策の実施やロイヤル顧客の育成に向けたデータの活用が求められていました。
解決策
Treasure Data CDPの導入により、同社は顧客情報の統合を進め、「One ID化」を実現しました。これにより、各ブランドやチャネルで断片化していた顧客データが統合され、より正確で深い顧客理解が可能となりました。また、Audience Studioを活用して詳細な顧客セグメントを構築し、Journey Orchestration機能を用いることで、顧客の行動に応じたシナリオ設定やダッシュボードの構築をGUIベースで迅速に行えるようになりました。
成果
施策の迅速化:マーケティング担当者が自らデータを分析し、施策を立案・実施できる環境が整い、マーケティングのスピードが大幅に向上しました。
顧客育成:顧客の購買行動やロイヤルティのステージを可視化する「顧客育成パス」の導入により、クロスセルやアップセルのタイミングを見極めやすくなりました。
効率改善:これまで1週間以上かかっていたデータ分析が、わずか1時間で完了するようになり、業務効率が飛躍的に向上しました。
成果認定:これらの取り組みが評価され、同社はLoyalty Innovation Awardを受賞し、顧客ロイヤルティ向上とマーケティング施策の効率化に成功しました。
事例参照元:https://www.treasuredata.co.jp/download-sib-cdp-case-studies/
トリペッチいすゞセールス(Tri Petch Isuzu Sales Co., Ltd.) の事例
課題
タイ市場は急速にデジタル化が進み、インターネット利用時間が世界トップクラスとなる一方で、トリペッチいすゞセールスはオンラインとオフラインの顧客データが分断されており、顧客の行動全体を一元的に把握するのが困難でした。また、タイでは日本のような車検制度がないため、新車購入後の顧客との接点が限られており、リピーターの育成や顧客維持が大きな課題となっていました。
解決策
同社はTreasure Data CDPを導入し、Webサイトのアクセスログ、修理履歴、ローン・保険の契約情報など、各種顧客データを一元管理するための基盤を構築しました。さらに、LINEビジネスコネクトを活用し、顧客との双方向コミュニケーションを強化しました。これにより、オンラインとオフラインのデータを統合し、より包括的な顧客理解が可能になりました。
成果
再来店促進
修理履歴データをもとに、長期間来店がない顧客を抽出し、ショートメッセージでキャンペーンを案内。その結果、対象顧客の10%がサービスセンターに再来店する成果を上げました。
ターゲティング広告
LINEで収集したデータを活用し、購入意欲の高い顧客に対して試乗予約を促すターゲティング広告を実施した結果、一般的な広告配信と比較して20倍のコンバージョン率を記録しました。
導入の迅速化
SaaS型のTreasure Data CDPを導入することで、データ統合のリードタイムを短縮し、より早くマーケティング戦略の立案・実行に注力できるようになりました。
事例参照元:https://plazma.treasuredata.co.jp/case-study-tripetch/