誰もがスマホやPCを通じて簡単に買い物ができる時代になり、ECサイトは日々進化を遂げています。しかし、そのなかで「売れるECサイト」と「なかなか売上が伸びないサイト」の違いはどこにあるのでしょうか。商品や価格だけではなく、デザインが与える影響も無視できません。
サイトに訪れた瞬間の第一印象が悪ければ、ユーザーは何の迷いもなく離脱してしまいます。逆に、視覚的に心地よく、直感的に操作しやすいデザインなら、購買行動にスムーズにつながることも多いです。これは、ただ見た目を整えるという話ではなく、ユーザーの心理や行動を考え抜いた設計が求められるということでもあります。
たとえば、購入ボタンの位置が悪かったり、欲しい情報がすぐに見つからなかったりすると、それだけでストレスを感じてしまうものです。どれほど素晴らしい商品を扱っていても、デザインのせいで機会を逃してしまうのはもったいないですよね。
また、優れたデザインは単に売上を上げるだけでなく、リピーターを増やすことにもつながります。見やすく、使いやすいサイトは「またここで買いたい」と思わせる力を持っていますし、ブランドとしての信頼感を醸成する要素にもなります。結果的に、長期的な顧客との関係づくりや売上の安定にも寄与するでしょう。
この記事では、そんな「売れるECサイトデザイン」の本質について掘り下げていきます。単なる流行ではなく、ユーザーにとって本当に使いやすく、信頼されるデザインとは何か。一緒に考えていきましょう。
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「売れるECサイト」とは、単に見た目が美しいサイトではありません。デザインがユーザーの行動をスムーズにし、購買意欲を高め、結果として売上につながるサイトのことを指します。つまり、デザインの役割は「見た目の良さ」だけでなく、「使いやすさ」や「購買体験の向上」も含まれているのです。
では、具体的にどのような要素が「売れるデザイン」をつくるのでしょうか。
売れるECサイトのデザインには、いくつかの共通点があります。どれも、単に見た目の美しさを追求するのではなく、「ユーザーにとって快適であること」を前提に設計されています。
たとえば、最初にページを開いたときに違和感を抱かせないこと、スムーズに目的の情報へたどり着けること、そして、購入までの流れがストレスなく進むこと、この3つが揃っていれば、売上につながる確率はぐっと上がります。では、それぞれのポイントを見ていきましょう。
ECサイトでは、第一印象がすべてといっても過言ではありません。
訪問者は、わずか数秒で「このサイトは信用できるか」「欲しい商品が見つかりそうか」を判断します。つまり、最初に違和感や不快感を抱かせないデザインが重要になります。
第一印象を左右するポイントは、大きく3つです。
① 配色とフォントの統一感
ブランドの世界観を伝えるうえで、配色やフォントは欠かせません。
・高級感のあるブランドなら、落ち着いたモノトーン+アクセントカラー
・ナチュラル志向の商品なら、温かみのあるアースカラー
・子供向けアイテムなら、カラフルでポップなデザイン
このように、扱う商品やターゲット層に合わせたビジュアルを選ぶことが、第一印象の決め手になります。
② 情報の整理——「何をすればいいか」がすぐにわかるか
ファーストビューに、何を配置するかも重要です。
「売れやすいサイト」は、ユーザーに迷わせる余白がありません。「新商品」「人気ランキング」「セール情報」など、訪問者の興味を引く情報を適切に配置することで、次のアクションにつなげやすくなります。
一方で、情報を詰め込みすぎると、どこに注目すべきか分かりにくくなります。バランスを意識しながら、シンプルなレイアウトを心がけることがポイントです。
ECサイトのデザインは、「見やすさ」だけでなく、「使いやすさ」も考えなければなりません。
ユーザーが目的を達成するまでにストレスを感じると、離脱のリスクが高まります。たとえば、「ボタンが小さすぎて押しにくい」「スマホで見たときに文字が読みにくい」など、ちょっとした違和感が積み重なると、購入を諦める原因になります。
では、良い購入体験を生み出すためには、どんな点に気をつけるべきでしょうか?
① PCとスマホ、それぞれに最適化する
今やECサイトの多くはスマホから閲覧されます。そのため、「スマホで見やすいかどうか」を意識したデザインが欠かせません。
例えば、以下のようなことを意識してデザインをします。
・スマホでは縦スクロールを前提に情報を配置
・ボタンやリンクを指でタップしやすいサイズにする
・テキストは余白を十分にとり、読みやすく
一方で、PC版のサイトは、横に広がるスペースを活かして、複数の商品を一覧表示するレイアウトが適しています。デバイスごとの特性を考慮し、最適な配置を考えることが大切です。
② カート・チェックアウトの離脱を防ぐ工夫
カートに商品を入れたのに、最後の決済ページで離脱される——これは、多くのECサイトが抱える課題です。
離脱を防ぐために、以下のような対策を取り入れているサイトが多くなっています。
・「送料はいくらかかるのか」を事前に明記する
・支払い方法をシンプルにし、入力ステップを減らす
・「あと〇〇円で送料無料」といったインセンティブを提示する
ユーザーが「買い物をやめたくなる瞬間」を想定し、できるだけスムーズに購入完了まで進める仕組みをつくることが、コンバージョン向上につながります。
せっかく興味を持ってサイトを訪れたのに、どこに何があるのか分からないというような状況では、せっかくの訪問者も離れていってしまいます。
このような状況に陥らないためには情報設計が重要となり、それはユーザーが迷わず目的を達成できるようにすることとなります。
情報設計では以下を押さえておく必要があります。
① 情報の階層を整理する
ECサイトには、さまざまな情報が掲載されています。商品ページ、カテゴリページ、レビュー、FAQなど、多くのコンテンツがあるため、適切に整理しておくことが求められます。
・カテゴリは3~5個程度に絞り、シンプルに
・トップページから商品詳細まで、最短距離でたどり着ける導線に
・「よくある質問」や「お問い合わせ」へのアクセスをわかりやすくする
ユーザーが欲しい情報を迷わず見つけられるよう、情報の構造を意識することが重要です。
② ボタンやリンクのデザインに気を配る
「どこをクリックすれば次に進めるのか」が直感的に分かるデザインになっているかも、チェックしたいポイントです。
・ボタンを押しやすい大きさにして、ボタンの色も目立たせます
・テキストリンクは青文字にして、マウスオーバーすると文字に下線が入るなど、テキストリンクであることが分かるようにします。
・余白を十分に取り、誤クリックを防ぐようにします。
こうした細かい調整を行うだけで、ユーザーがストレスなく操作できるようになり、結果として購入率も上がる可能性があります。
③ フッターを活用する
フッターは、ユーザーがサイトの最後に目にする部分です。ここに、問い合わせ先や配送情報、SNSリンクなどをまとめておくと、信頼性を高めることができます。
ECサイトの場合は、以下のような情報を配置しておくと便利です。
・カスタマーサポートの連絡先
・返品・交換のポリシー
・支払い方法・送料に関する説明
これらを明確に表示することで、「このサイトなら安心して購入できる」と思ってもらいやすくなります。
ECサイトのデザインは、単なる流行ではなく、技術やユーザーの行動変化とともに進化し続けています。近年、スマホユーザーの増加、シンプルなビジュアルの人気、動画やアニメーションの活用が進み、デザインのあり方が大きく変わりつつあります。さらに、サステナビリティやエシカルな視点を取り入れたブランドが消費者から支持を集めているのも特徴的です。
では、2023年から2025年にかけて注目されるデザインのトレンドを詳しく見ていきましょう。
1. スマホに最適化されたレスポンシブデザイン
ECサイトに訪れるユーザーの多くがスマホを利用している今、モバイル対応はもはや必須事項です。以前は「PC向けデザインをベースにスマホ版を調整する」という考え方が一般的でしたが、最近はむしろ「スマホでの使いやすさを最優先にする」というアプローチが主流になっています。
モバイルでのユーザー体験を意識する
スマホでの購買行動をスムーズにするために、以下のようなポイントが重要になります。
・タップしやすいボタン配置(指の動きにフィットする設計)
・スクロールを活かした商品表示(スワイプで次の商品に移動できるなど)
・決済フォームの最適化(入力項目の簡略化、オートコンプリートの活用)
スマホの場合は「購入ボタンの位置」が売上を左右します。画面をスクロールしなくても、すぐに購入できる導線を設計することで、コンバージョン率の向上が期待できるでしょう。
2. シンプル&ミニマルなデザインが主流に
近年、ECサイトのデザインはどんどんシンプルになっています。装飾を抑え、必要な情報だけを効果的に伝えるミニマルデザインが好まれる傾向にあります。
この流れが生まれた背景には、以下のような要因が考えられます。
・情報過多による疲れを避けるため(スッキリしたレイアウトのほうが、ユーザーは迷わない)
・スマホでの閲覧を考慮する必要があるため(余白を活かしたデザインが、小さな画面でも見やすい)
・ブランドの高級感や洗練された印象を与えやすいため
シンプルなデザインを活かすポイント
ミニマルデザインとは、単に「要素を減らせばいい」という話ではありません。むしろ、「余白の使い方」や「視線の誘導」が重要になります。
・背景は白や淡いカラーを基調にし、商品画像を際立たせます
・フォントやアイコンを統一し、視認性を高めます
・不要な要素を削り、ユーザーが迷わない設計にします
余白を意識し、視線の流れを計算したレイアウトにすることで、より洗練されたサイトになります。
3. 動画やアニメーションを活用したリッチな表現
静止画だけでなく、動画やマイクロインタラクションを取り入れるサイトが増えています。特に、ユーザーの関心を引く短尺動画や、ボタンやリンクにアニメーションを加える演出が効果的です。
動画コンテンツの活用例
・商品紹介のショートムービー(使い方を具体的にイメージしやすくする)
・ブランドストーリーの映像化(世界観やこだわりを直感的に伝える)
・動きのあるバナーやプロモーション動画(テキストだけでは伝わりにくい要素を補完する)
ECサイトでは、「実物を手に取れない」というデメリットがありますが、動画を使うことで商品の魅力をよりリアルに伝えられます。
また、ユーザーの行動をさりげなくガイドする「マイクロインタラクション」も注目されています。
・ボタンを押したときに軽く揺れる演出
・カーソルを合わせたときに色が変わる
・スクロールすると徐々に表示されるアニメーション
こうした細かい工夫を加えることで、サイトの操作性が向上し、ユーザーの滞在時間が延びる効果が期待できます。
4. サステナビリティ&エシカルなデザイン
最近のECサイトでは、「環境への配慮」や「エシカルな視点」が取り入れられるケースが増えています。特に、サステナビリティを意識したブランドは、デザインにもその価値観を反映させています。
環境に優しいデザインとは?
サステナビリティを意識したデザインには、いくつかの特徴があります。
・自然をイメージさせるカラーリング(グリーン・アースカラー)
・紙の質感を思わせるテクスチャ背景
・環境負荷の少ないフォントやレイアウト(シンプルで軽量なデザイン)
また、ただ「環境に優しい」と伝えるだけでなく、具体的な取り組みを明示することで、消費者の共感を得やすくなります。
・「この商品はリサイクル素材で作られています」など、ビジュアルでわかりやすく伝える
・梱包の工夫(プラスチック削減など)をデザインの一部として訴求する
・エシカル消費を促すコピーを効果的に配置する
消費者の意識が変化しているなかで、こうしたデザインの工夫が「選ばれるブランド」につながっていくかもしれません。
ECサイトのデザインを考えるとき、どんなレイアウトが最適なのか、どのような配色がブランドの魅力を引き出せるのか、悩むことは多いものです。そんなときに役立つのが、優れたデザインを集めた「ギャラリーサイト」です。
国内外のECサイトの事例を一度にチェックできるだけでなく、最新のデザイントレンドを把握するのにも便利です。ここでは、ECサイト制作のヒントを得られる代表的なギャラリーサイトを紹介します。それぞれの特徴を踏まえながら、どのように活用できるか考えてみましょう。
MUUUUU.ORG(ムーオーグ)は、国内外のECサイトやブランドサイトを豊富に掲載しているデザインギャラリーです。掲載数が多く、業界を問わず参考になるサイトが見つかるため、「デザインの引き出し」を増やしたいときに役立ちます。
特徴
・カテゴリやカラーで検索できる(ブランドごとの世界観を比較しやすい)
・国内外の最新ECデザインをチェックできる(トレンドをいち早く把握できる)
・スクリーンショットが大きく、デザインの細部まで確認しやすい
ECサイトのビジュアルだけでなく、操作感やナビゲーションの構造まで研究したいときに活用できそうです。
サイトURL:MUUUUU.ORG(ムーオーグ)
SANKOU!(サンコウ)は、日本国内の高品質なWebデザインを集めたギャラリーサイトです。ECサイトに限らず、コーポレートサイトやブランドサイト、ランディングページなど、幅広いジャンルの優れたデザインを厳選して掲載しています。
特徴
・国内の洗練されたWebデザインを集約(業界ごとのデザインの特徴を比較しやすい)
・業種・カラー・レイアウトなど多様な分類で検索可能(目的に応じたデザインを見つけやすい)
・制作会社情報も記載(依頼先を探す際の参考になる)
SANKOU!は、単なるデザインギャラリーではなく、トレンドを押さえた優れたサイトのみを厳選して掲載している点が特徴です。ECサイトのデザインに限らず、Web全体の最新トレンドを学びたい場合にも活用しやすいリソースといえるでしょう。
サイトURL:SANKOU!
I/O 3000は、海外のクリエイティブなサイトを数多く紹介しているギャラリーサイトです。ECサイトだけでなく、ブランドサイトやアート系のデザインも含まれており、トレンドを取り入れたいときに参考になります。
特徴
・海外の洗練されたデザインが多数掲載(グローバルなトレンドを学べる)
・アート性の高いサイトも多く、デザインのインスピレーションを得やすい
・モーションデザインやインタラクションの工夫も見られる
ECサイトを差別化したいと考えているなら、一度チェックしておくと新しいアイデアが浮かぶかもしれません。
サイトURL:I/O 3000
1guu(イチグウ)は、主に国内のECサイトやブランドサイトを紹介しているギャラリーサイトです。特に、ビジュアルにこだわったサイトが多く、ファッション・コスメ・ライフスタイル系のデザインを研究するのに適しています。
特徴
・スタイリッシュなデザインのサイトが中心(高品質なビジュアル表現が学べる)
・I/UXの工夫が見られるサイトが多い(操作性の参考にもなる)
・シンプルながら、世界観をしっかり伝えるサイトが多い
「ブランドらしさをデザインで表現するにはどうすればいいか?」と考えているときに、アイデアのヒントを得られそうです。
サイトURL:1guu(イチグウ)
S5-Styleは、ECサイトだけでなく、コーポレートサイトやランディングページなど、さまざまな業界のデザインを集めたギャラリーサイトです。デザイン全体のトレンドを把握したいときや、異なる業種のレイアウトを比較したいときに便利です。
特徴
・ECサイト以外のデザインもチェックできる(幅広い視点でデザインを学べる)
・シンプルな検索機能で、すぐに参考サイトを見つけられる
・デザインの方向性を決める段階で役立つ
「自社のECサイトをどんなデザインにすべきか?」と迷ったときに、選択肢を広げるのに適したサイトです。
サイトURL:S5-Style
デザインギャラリーサイトをただ眺めるだけでは、ECサイト制作のヒントにはなりません。具体的にどのように活用すればよいのか、いくつかのポイントを紹介します。
① 目的を明確にして探す
「なんとなく良いデザインを探したい」というスタンスでは、参考になりそうなサイトを見つけるのに時間がかかります。「シンプルなUIを研究したい」「高級感のあるデザインを見たい」など、目的を明確にして探すと効率的です。
② 競合サイトと比較する
自社のECサイトと似た業界・ターゲット層のデザインを見比べると、「どのような点を差別化すればいいか」が見えてきます。競合サイトのデザインを分析し、自社の強みを活かせるポイントを見つけるのも有効な活用方法です。
③ 具体的なレイアウトの参考にする
ギャラリーサイトには、実際のECサイトのスクリーンショットが掲載されていることが多いため、「このレイアウトは使いやすそう」「このフォントの組み合わせがいい」といった具体的なデザインのヒントを得ることができます。
ECサイトを訪れるユーザーは、見た目の良し悪しだけでなく、「ストレスなく目的を達成できるか」を重視します。デザインが洗練されていても、使いにくければ購入にはつながりません。
ユーザーが迷わず、気持ちよく買い物できるサイトを作るには、UI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)の両方に気を配る必要があります。ここでは、ECサイトの改善に役立つチェックリストを紹介します。
1. ファーストビューは適切か?
ECサイトにアクセスした瞬間、ユーザーが最初に目にする部分が「ファーストビュー」です。この印象が良くなければ、ページをスクロールすることなく離脱してしまうこともあります。
チェックポイント
・何を売っているサイトか、瞬時に伝わるか?
・セール情報やブランドメッセージが視覚的にわかるか?
・スマホ・PCともにバランスの取れたレイアウトになっているか?
例えば、ファーストビューにテキストが多すぎると、読むのが面倒になり離脱されるリスクが高まります。一方で、情報が少なすぎると「何のサイトなのか」が分からず、興味を持ってもらえません。
一目で「どんな商品があるのか」「何をお得に買えるのか」が分かるレイアウトを意識すると、ユーザーの関心を引きやすくなります。
2. CV導線(コンバージョン導線)の最適化
「欲しい商品を見つけたのに、購入ページまで進めない」そんな状態では、売上につながりません。ユーザーが迷わず購入できる導線を作ることが、CV(コンバージョン)向上の鍵になります。
チェックポイント
・カートボタンの位置は適切か?(目立つ色・わかりやすいデザイン)
・カート追加後のアクションが明確か?(購入に進むor他の商品を探す)
・決済ページで入力項目が多すぎないか?
ECサイトでよく見かける問題として、「カートに追加したのに、決済ページまでの流れが分かりにくい」というケースがあります。
たとえば、カート画面から戻るボタンがなかったり、送料が最終確認ページまで表示されなかったりすると、ユーザーは不安を感じます。その結果、途中で購入をやめてしまうことも少なくありません。
カート→購入完了までのステップをシンプルにし、「ここをクリックすれば次に進める」と直感的に分かるデザインを心がけることが重要です。
3. 検索機能・絞り込み機能は使いやすいか?
ECサイトには膨大な商品が並んでいることが多いため、目的の商品に素早くたどり着けるかどうかが、購買率に影響します。
チェックポイント
・検索バーは目立つ位置にあるか?
・カテゴリー別のフィルター機能が充実しているか?(サイズ・カラー・価格など)
・検索結果が適切に表示され、不要な情報が多すぎないか?
たとえば、「黒いスニーカーを探しているのに、検索結果に関係ない商品が大量に表示される」といった状態では、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。
また、価格帯やブランド、在庫の有無などを簡単に絞り込めるフィルターが用意されていると、ストレスなく目的の商品を見つけやすくなります。
検索機能は、単なる補助ツールではなく、ECサイトの使いやすさを左右する重要な要素といえるでしょう。
4. CTA(Call To Action)ボタンの色・配置
CTAボタン(カートに入れる、購入する、問い合わせる など)は、ECサイトの売上に直結する要素のひとつです。見た目や配置に工夫を加えることで、ユーザーの行動を後押しできます。
チェックポイント
・ボタンの色が背景に埋もれていないか?
・PC・スマホどちらでも押しやすい大きさになっているか?
・重要なボタンが複数ある場合、優先順位が分かるようになっているか?
例えば、ボタンの色をページ全体の配色と同じトーンにしてしまうと、目立たずクリック率が下がることがあります。一方で、ボタンの色を強調しすぎると、デザイン全体がチープに見えるリスクもあります。
適度なコントラストをつけつつ、自然に視線が誘導されるような配置を意識すると、購買率の向上につながります。
5. ブランディング要素(トンマナ)の統一
ECサイトでは、サイト全体の「統一感」も重要です。色やフォントがバラバラだったり、ページごとにデザインのトーンが異なったりすると、ブランドとしての信頼感が損なわれてしまいます。
チェックポイント
・サイト全体の配色が統一されているか?
・フォントの種類やサイズに一貫性があるか?
・商品ページ・LP・ブログ記事などでトンマナが崩れていないか?
例えば、高級感のあるブランドなのに、ポップなフォントやイラストが多用されていると、ブランドイメージとデザインがチグハグになり、違和感を与えてしまいます。
一方で、色やフォント、画像の雰囲気を揃えるだけで、「このブランドは統一された世界観を持っている」と感じてもらいやすくなります。
デザインだけでなく、コピー(文章)のトーンも統一すると、よりブランドの魅力が伝わりやすくなるでしょう。
ECサイトをゼロからデザインするのは、手間も時間もかかる作業です。そのため、テンプレートやツールを活用して効率よく構築する方法を取り入れるのが一般的になっています。
しかし、「テンプレートをそのまま使うと、オリジナリティがなくなるのでは?」と感じることもあるかもしれません。実際には、適切なカスタマイズを加えれば、ブランドの個性を活かしたデザインに仕上げることができます。
ここでは、ECサイト制作に役立つテンプレートやツールを紹介し、それぞれの活用ポイントを解説していきます。
1. おすすめHTML/CSSテンプレート
HTMLテンプレートを活用すれば、基本的なレイアウトを素早く構築できます。カスタマイズ次第で、ブランドイメージに合ったデザインに調整できるため、「デザインに時間をかけたくないが、見た目にはこだわりたい」という場合に役立ちます。
テンプレートの種類と特徴
・シンプル系:無駄のないレイアウトで、商品が引き立つデザインが多いです。
・トレンド系:最新のデザイン手法を取り入れたスタイリッシュな構成を取り入れる音が出来ます。
・Bootstrap対応:レスポンシブデザインが簡単に導入できます。
活用のポイント
不要な要素を削る:テンプレートのデザインが過剰な場合、余計な装飾は削除する必要があります。
ブランドカラーに合わせる:フォントや配色をカスタマイズし、統一感を出す必要があります。
画像やアイコンを変更する:テンプレートのまま使うと他サイトと似てしまうため、オリジナルのビジュアルを活用していきます。
テンプレート利用時の注意点
・著作権の確認:無料テンプレートでもクレジット表記が必要なものがあります。
・モバイル対応をチェック:PC向けのデザインだけでは、スマホでの使いやすさが欠けることもあります。
・SEOの最適化:テンプレートによっては、SEO対策が不十分なものがあるため、見直しが必要となります。
テンプレートを使えば短時間でサイトを構築できますが、そのまま使うのではなく、ブランドに合わせた調整を加えることが大切です。
2. CMSやECプラットフォームを活用する
ECサイトを構築する際、HTMLやCSSを直接編集する以外にも、CMS(コンテンツ管理システム)やECプラットフォームを使う方法があります。特に、プラットフォームを活用すれば、デザインだけでなく、決済や在庫管理などの機能も一括で管理できるのが大きなメリットです。
主要なECプラットフォーム
・Shopify:グローバル展開も視野に入れたECサイト運営がしやすい
・BASE:個人や小規模ビジネス向けで、簡単に開設できる
・MakeShop:カスタマイズ性が高く、本格的なECサイト運営向け
・WordPress(WooCommerce):ブログ運営との組み合わせに適した選択肢
活用のポイント
デザインテーマを選ぶ:プラットフォームごとに用意されたテンプレートを利用し、カスタマイズする
プラグインを活用する:必要な機能を追加しながら、柔軟に拡張する
決済や配送設定を整える:ECの運営に欠かせない基本機能をしっかり設定
特にShopifyやWooCommerceは、デザインの自由度が高く、拡張機能も豊富なため、オリジナリティのあるECサイトを構築したい場合に向いています。
一方で、BASEのようなシンプルなプラットフォームは、初めてECサイトを運営する人にとって使いやすい選択肢です。
3. デザイン改善に役立つツール
ECサイトのデザインは、公開したら終わりではなく、ユーザーの行動を分析しながら改善を繰り返すことが大切です。そのために役立つのが、データに基づいてUI/UXを最適化できるツールです。
① A/Bテストツール(Google Optimize など)
A/Bテストとは、異なるデザインのページを比較し、どちらがより成果を上げるかを検証する手法です。
活用例
・ボタンの色を変更し、クリック率が高いパターンを検証する
・商品画像の配置を変えて、どちらが購入につながりやすいかをテストする
・ファーストビューのデザインを2パターン用意し、滞在時間を比較する
Google Optimizeなどを活用すると、簡単にテストが実施でき、データをもとにデザインを改善できます。
② ヒートマップツール(Hotjar、Mouseflow など)
ヒートマップツールを使うと、ユーザーがどの部分をよく見ているのか、どこで離脱しているのかが一目で分かります。
活用例
・ユーザーがスクロールを止める場所を把握し、重要な情報を適切な位置に配置する
・クリックされていないボタンのデザインを見直し、誘導率を高める
・スマホ・PCそれぞれの閲覧動向を比較し、UIを最適化する
デザインのどこに課題があるのかを可視化できるため、より具体的な改善がしやすくなります。
③ デザインフィードバックツール
チームでECサイトを運営する場合、デザインの意見を集めることが重要になります。
活用例
・FigmaやAdobe XDを使って、関係者とデザイン案を共有
・NotionやMiroでフィードバックを集約し、デザイン改善の方針を明確にする
デザインの修正点がスムーズに共有できると、無駄なやり取りが減り、改善スピードが上がります。
「どこに依頼するか?」を決める際に、事前に確認しておきたいポイントをまとめました。
✅ 過去の制作実績を確認する(業界やブランドイメージに合うか?)
✅ 予算に見合った提案をしてもらえるか?(オーダーメイドか、テンプレートベースか)
✅ 運用サポートがあるか?(サイト公開後の保守・改善まで対応可能か)
✅ SEOやマーケティングの知識を持っているか?(売上につながる提案ができるか)
✅ デザインだけでなく機能面も考慮されているか?(UI/UXの設計がしっかりしているか)
ECサイトは、デザインだけでなく「売れる仕組み」を作ることが大切です。そのため、ビジュアルの美しさだけでなく、購入までの導線設計やユーザー体験を考えた提案をしてくれる制作会社を選ぶのが理想的です。
売れるECサイトを作るには、見た目の美しさだけでなく、使いやすさや購買導線の工夫する必要があります。第一印象を左右するデザイン、使いやすいユーザーインターフェイス、ユーザーの心理に寄り添ったCTAボタンの配置など、細部まで配慮することで、コンバージョン率は大きく変わります。
また、最新トレンドや業界ごとの特徴を取り入れることで、競争力のあるECサイトへと進化させることができます。さらに、テンプレートやツールを活用し、データ分析を行いながら改善を続けることも重要です。
デザインは一度作って終わりではなく、ユーザーの動向を見ながら調整し続けることが成功の鍵になります。目的やターゲットに合ったデザインを追求し、ユーザーにとって「買いやすく、また訪れたくなるサイト」を目指しましょう。