BtoBビジネスでは、顧客母数の少なさやサービスの分かりにくさが原因で、集客や認知拡大に課題を抱えるケースが多いものです。
そこで重要になるのが、リード獲得へと直結しやすい施策を中心に、必要に応じてSNS・動画などの認知施策を組み合わせる方法です。
この組み合わせの方法では、以下のような流れになります。
1)まずは広告予算の大小に合わせた施策選択
2)リスティング広告(Google広告・P-MAX)を軸としたBtoB向け集客
3)LP最適化
4)リマーケティング
今回、B to Bマーケティングにおける鉄板の導線設計について説明させていただきます。
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BtoB商材の場合、顕在ニーズを持つ見込み顧客に対して確実に広告でリーチしてリードを獲得していくことが重要となります。そのためには、検索連動型広告を活用することが有力な選択肢になります。
BtoB商材では、顕在ニーズを持つターゲットを逃さず確実に捉えることが成果に直結します。そのため、検索連動型広告を活用したリスティング広告は、初期段階で最も有力な選択肢となります。
以下の2つのアプローチに注目することで、効率的なリード獲得が可能です。
指名検索キーワード
サービス名や会社名を直接検索してくるユーザーは、すでに自社商品やサービスに興味を持ち、購入・問い合わせに近いフェーズにいます。こうしたターゲットにリーチするために、指名検索キーワードでの広告出稿が有効です。
例
「○○システム」「△△株式会社」などのキーワードで検索するユーザー。
目的が明確であるため、広告経由でのコンバージョン率(CVR)が高い。
検索結果の上位に広告を配置することで、競合に奪われるリスクを回避できる。
一般キーワード
一般キーワードは、自社名を知らないユーザーにもアプローチできるため、新規顧客の獲得に効果的です。業界特有の課題や解決策を探す検索意図に基づいたキーワードを網羅することで、見込み顧客との接点を増やします。
例
ITセキュリティ業界: 「ランサムウェア 対策」「情報漏洩 防止」
人事業界: 「採用管理 システム 比較」「面接調整 自動化」
製造業: 「生産管理 自動化」「在庫管理 システム」
これらのキーワードで広告を出稿すると、サービスの存在を知らないターゲットにも効果的に訴求し、リード獲得のチャンスを広げられます。
一方、SNS+短尺動画を活用した認知向上施策は、広告予算に余裕があれば取り組むのが理想です。短尺動画広告は「サービスの全体像」「導入メリット」をわかりやすく伝えられますが、運用コストやクリエイティブ制作の手間もかかります。
予算に限りがある場合や、まずはリード獲得を優先したい場合は、SNS動画広告は見送り、リスティング広告に集中して限られたリソースを最大活用するのも合理的です。
Google広告のPerformance Max(P-MAX)キャンペーンは、検索だけでなく、ディスプレイ、YouTube、Gmail、Discoverなど、複数のチャネルを横断して広告を配信できるのが特徴です。
P-MAXのメリット
Googleの機械学習を活用し、ユーザーの行動や意図を分析して最適な広告面やターゲットに自動配信します。
画像・動画・テキストといった複数のクリエイティブを登録するだけで、異なるチャネルに対応した配信が可能。
BtoB向けのポイント
既に興味を示した顕在層にリーチするだけでなく、潜在層にも効果的にアプローチできます。
複数チャネルを自動的に活用するため、広告予算や運用リソースが限られている場合にも効率的な運用が可能です。
P-MAXは、一つのキャンペーン内で検索以外の配信チャネル(ディスプレイ広告やYouTube広告など)を組み合わせられるため、幅広いターゲット層を一括で網羅できます。特に、BtoB向け商材の場合、課題意識が明確な層だけでなく、潜在的に興味を持ちそうな層にも接触できる点が大きなメリットです。
具体的な活用例
・動画広告:YouTubeでサービスの導入事例や簡単な紹介動画を配信し、興味を引く。
・ディスプレイ広告:業界関連のウェブサイトを閲覧しているユーザーにバナー広告でリマインド。
・Discover広告:潜在層に向けてソリューションの認知を拡大する。
クリエイティブの多様性
複数のフォーマット(動画、画像、テキスト)を用意して、チャネルごとの最適化を自動的に進める。
ターゲティングと成果測定
事前にターゲットユーザーの属性や業種を想定し、配信後はGoogle広告のレポート機能を活用して効果を継続的に検証する。
リード獲得を重視したLP連携
各チャネルから流入したユーザーがスムーズに問い合わせや資料請求につながるよう、ランディングページ(LP)を最適化しておく。
※P-MAXについて、Google広告でコンバージョンデータを貯めた後に実施すると成功率がかなり上がります。
BtoB商材におけるマーケティングでは、メタ広告(Facebook・Instagram広告)が有効な広告媒体となります。このプラットフォームは、ターゲットユーザーの業種、役職、興味・関心に基づいた精密なターゲティングが可能で、潜在層への認知拡大とともにリード獲得に適しています。Google広告とP-MAX広告を実施していても広告に予算がある場合、トライしたい選択肢の一つになります。
高精度なターゲティング
業種、勤務地、役職(例:経営者、医者、IT意思決定者)など、具体的な条件でターゲットを絞り込みできます。
視覚的な訴求力
動画広告や画像広告を活用し、直感的にサービスの価値や魅力を伝えることが可能です。
ユーザーの興味を引きやすいクリエイティブでクリック率を向上させ、多くのリードを獲得することができます。
リード獲得広告の活用
Facebook内で直接問い合わせフォームを表示し、ユーザーが離脱することなくリード情報(名前、メールアドレスなど)を収集することもできます。
特にホワイトペーパーのダウンロードやセミナー申し込みとの相性が良いです。
短尺動画を活用した認知拡大
1~1.5分程度の動画を使い、「どのような課題を解決するのか」「導入メリット」をわかりやすく伝える。
例: 「従業員エンゲージメントを高めるツール」や「在庫管理の効率化を実現する方法」など。
リード獲得広告で見込み客を効率的に集客
広告内で直接フォームを表示し、資料請求や問い合わせを促進。
特に、問い合わせ数やリード情報の収集が重要な初期フェーズに効果的。
ホワイトペーパー系LPへの誘導
広告で興味を引いたユーザーをホワイトペーパーのダウンロードページに誘導し、具体的な事例や解決策を提示して資料をダウンロードさせます。
※記事LPでニーズとウォンツを高めてからランディングページに誘導したほうがリード獲得しやすくなる場合がございます。この導線設計でもテストしてください。
ランディングページについて、単に資料をダウンロードさせるだけでなく、訪問者の関心を引きつけ、行動を促すためのPASONA型フレームワーク(Problem→Agitation→Solution→Offer→Narrow Down→Action)で構築されたコンテンツで情報提供するのが効果的です。
このフレームワークを使って、サービスの価値を分かりやすく伝えた上でホワイトペーパーのダウンロードを促すことで、リード獲得率が向上します。
Problem(課題を提示)
ユーザーが抱えている業界特有の課題や悩みを明確に示します。
例:「採用管理が煩雑で、選考スピードが遅れていませんか?」
ポイント:ユーザー自身が抱いているであろう課題を明示して次のステップに誘導していきます。
Agitation(課題の深刻さを強調)
課題を放置した場合のリスクや影響を具体的に説明します。
例:「このままでは優秀な人材を競合他社に奪われ、採用効率が大幅に低下します。」
ポイント:ユーザーに行動の必要性を認識させます。
Solution(解決策を提案)
自社のサービスやソリューションを課題解決の手段として提示します。
例:「採用管理システムを活用すれば、選考スケジュールの自動調整で作業負担を50%削減できます。」
ポイント:サービスの強みを簡潔かつ魅力的に伝えます。
Offer(具体的な資料の提案)
ホワイトペーパーに含まれる情報の概要を示し、資料の価値を具体的に伝えます。
例:
・成功事例や導入後の具体的な成果
・業界の最新データやトレンド分析
「資料では、5つの成功事例と導入のメリットを詳しく解説しています。」
ポイント:ユーザーに「ダウンロードする価値がある」と感じさせます。
Narrow Down(選択肢を絞る)
今すぐ行動を起こすことの重要性を伝え、ユーザーの行動を後押しします。
例:「今なら、無料でダウンロード可能。競合他社に遅れを取る前にご確認ください。」
ポイント:時間的な制約や限定感を演出し、行動を促す。
Action(行動を促す)
ダウンロードボタンを目立つ位置に配置し、フォーム入力の手間を最小限に抑えます。
例:「3つの項目を入力するだけで、資料をダウンロードできます。」
ポイント:CTA(Call To Action)を簡潔で明確に。
課題意識の高いリードを効率的に獲得
課題認識から解決策の提示までを段階的に示すため、課題に共感したユーザーが自然と資料を求める流れを作れます。
資料の価値を明確化
「何が得られるのか」を明示することで、単なるダウンロードではなく、検討材料としての信頼性を感じてもらえます。
フォーム途中離脱を防止
フォーム入力前にユーザーの納得感を高める構成にすることで、離脱率が低下します。
CVR(コンバージョン率)がよくない場合、ヒートマップを活用してコンテンツやCTAボタンなどの改善し、ランディングページを最適化していきます。CVRが1%を切っている場合、ランディングページの改善を積極的に行う必要があります。
リスティング広告やP-MAX、(必要に応じて)SNS動画広告などを通じてサイトを訪れたユーザーであっても、すぐに問い合わせや資料請求をしないことは珍しくありません。
ディスプレイ広告によるリマーケティングは、あと一歩で問い合わせに至らなかったユーザーを再度呼び戻す役割を担います。
BtoBは検討期間が長いことも多いため、繰り返し接触することで「思い出し効果」「信頼度向上」を期待できます。
限られた予算でリード獲得を優先するなら、まずはリスティング広告を軸に指名キーワード・一般キーワードに対して広告出稿していきます。リード獲得データが集まってきた段階で、P-MAXで複数チャネルを横断し、潜在層・顕在層の両方にアプローチし、更にリードを獲得していきます。
SNS+短尺動画は予算に余裕があれば検討します。
認知度が低い商材や伝わりにくいサービス内容を短い動画で端的に伝達しながら、リード獲得のための広告を出稿していくことは有効です。
ただ、リソースが限られている場合はリスティング広告に集中し、費用対効果を最大化してください。
また、LP(ホワイトペーパー系など)でリード獲得を最適化していき、場合によってはリマーケティングで検討期間の長いBtoBユーザーを追いかけることもお奨めします。