SLA(サービスレベル合意)
SLA(サービスレベル合意)は、サービス提供者と利用者の間で品質基準を定める契約です。ここでは、SLAの基本概念や重要性、具体的な指標(稼働率や対応時間)について解説させていただきます。
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SLA(サービスレベル合意)とは? 分かりやすく解説!
SLA(サービスレベル合意)とは、サービスを提供する会社と、それを利用するお客様の間で、「どのレベルのサービスを提供するのか?」を事前に決めておく約束のことです。
例えば、クラウドサービスを利用する会社が「システムがどれくらい安定して動くのか」「トラブルが起きたとき、どれくらいの時間で対応してもらえるのか」などを決めておけば、後から「こんなはずじゃなかった…」というトラブルを防げます。
SLAがあることで、以下のようなメリットがあります。
・サービスの品質が明確になる(曖昧なまま契約しない)
・お互いの責任が明確になる(問題が起きたときの対応も決めておける)
・トラブルを未然に防げる(期待するレベルのサービスが提供される)
SLAで決めるべき項目とは?
SLAを作るときは、以下のような「具体的な数値」を決めることがポイントです。
1. システムの稼働率(アップタイム)
「サービスが止まらずに動いている時間」のことを稼働率(アップタイム)といいます。
システムが止まると仕事ができなくなる場合、できるだけ高い稼働率をSLAで約束してもらう必要があります。ただし、稼働率を高くするとコストも上がるため、自社にとって最適なレベルを考えることが大切です。
以下のようなことを考えます。
・99.9%の稼働率 → 1ヶ月(約43,200分)のうち 43分程度の停止は許容される
・99.99%の稼働率 → 1ヶ月の停止時間は 約4分程度まで
・99.999%(ファイブナイン) → 1ヶ月の停止時間 26秒以内
2. 障害発生時の対応時間
システムにトラブルが発生したとき、どれくらいの時間で対応してくれるのかを決めます。
例えば、次のようなSLAを決めることができます。
・重大な障害(システム全体が使えない) → 30分以内に対応開始、2時間以内に復旧
・中程度の障害(特定の機能だけ使えない) → 1時間以内に対応開始、8時間以内に復旧
・軽微な障害(軽いバグや表示エラー) → 24時間以内に対応開始、次回のアップデートで修正
こうすることで、トラブルが起きたときも対応がスムーズになります。
3. お客様対応の応答時間
サポート窓口に問い合わせたときに、どれくらいの時間で返信をもらえるのかを決めることも重要です。
以下のように決めます。
・メール対応 → 1営業日以内に返信
・電話対応 → 5分以内にオペレーターにつながる
・チャット対応 → 30秒以内に自動返信、5分以内に担当者が対応
このように決めることで、ユーザーは「問い合わせてもすぐに対応してもらえない」と不満を持つことがなくなります。
SLAを導入するときの注意点
SLAを決めるときは、次のようなポイントに注意しましょう。
1. 具体的な数値を決める
「なるべく早く対応します」ではなく、「◯時間以内に対応します」というように、明確な基準を決める必要があります。
2. 会社のビジネスに合ったレベルにする
例えば、銀行のシステムなら「99.999%の稼働率」が必要ですが、小さな社内システムなら「99.9%」でも十分かもしれません。
コストと品質のバランスを考えて決めることが大切です。
3. SLA違反時のペナルティを決める
「SLAで約束したレベルを守れなかった場合、どうするのか?」も決めておく必要があります。
例えば、以下のように決めます。
サービスが1時間以上停止した場合、利用料金の◯%を返金する
3回以上SLA違反が発生した場合、契約解除できる
こういったルールを決めておくことで、「守られなかったらどうするの?」という不安がなくなります。
まとめ
SLA(サービスレベル合意)とは、サービスを提供する会社と利用する会社が「どんなレベルのサービスを受けられるのか?」を事前に決める約束のことです。
これを決めることで、
・サービスの品質を明確にできる
・問題発生時の対応がスムーズになる
・トラブルを防ぐことができる
などのメリットがあります。
SLAを作るときは、以下のような事項を具体的な数値で決めることが重要です。
・システムの 稼働率
・障害発生時の 対応時間
・サポートの 応答時間
また、「SLAが守られなかったときのペナルティ」も設定しておくことで、安心してサービスを利用できます。
SLAをしっかり決めておけば、「思っていたのと違った…」というトラブルを防ぎ、スムーズな運用ができるようになります。これからITサービスを導入する際は、ぜひSLAを意識してみてください。