SASE(Secure Access Service Edge)とは?
SASE(Secure Access Service Edge)は、ネットワークとセキュリティを統合し、
クラウド経由で提供する次世代のアーキテクチャです。
リモートワークやクラウド利用が進む中、企業は安全かつ効率的なネットワーク運用が求められています。
ここでは、SASEの基本概念、特徴、活用例、そして導入におけるメリットと課題を詳しく解説させていただきます。
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SASE(Secure Access Service Edge)とは?
SASE(Secure Access Service Edge)は、ネットワークとセキュリティ機能を統合し、
クラウドを通じて提供する新しいアーキテクチャの概念です。
この概念は、2019年にGartnerによって提唱され、急速に普及してきました。
SASEは、分散したユーザー、デバイス、アプリケーションに対して、
安全で効率的なアクセスを提供するために設計されており、
特にリモートワークやクラウド利用が進む現代のビジネス環境に適しています。
SASEの主要な特徴
1. クラウドネイティブアーキテクチャ
SASEはクラウドを中心に構築されており、ネットワークとセキュリティ機能を
クラウドベースで提供します。これにより、企業は物理的な設備に依存せず、
スケーラブルで柔軟なインフラを構築できます。
2. 統合されたセキュリティ
SASEは、ファイアウォール(FWaaS)、ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)、
クラウドアクセスセキュリティブローカー(CASB)、データ漏洩防止(DLP)など、
さまざまなセキュリティサービスを統合し、包括的なセキュリティを提供します。
これにより、セキュリティポリシーの一元管理が可能になります。
3. ゼロトラストセキュリティ
ゼロトラストモデルを採用しており、すべてのアクセスを厳密に検証します。
これにより、内部脅威や不正アクセスからシステムを保護することができます。
4. SD-WANの統合
SASEはSD-WAN(Software-Defined Wide Area Network)と組み合わせることで、
ネットワークトラフィックの最適化と安全な接続を実現します。
これにより、リモートオフィスやクラウドリソースへの効率的なアクセスが可能になります。
SASEの利用例
1. リモートワークの促進
SASEは、リモートワーカーが企業リソースに安全にアクセスできる環境を提供します。
従来のVPNに代わり、クラウドを通じたセキュリティと接続性の強化が可能です。
2. クラウドアプリケーションの保護
企業が利用するクラウドサービスを保護し、データ漏洩や不正アクセスを防止するために、
SASEは重要な役割を果たします。これにより、クラウド上での業務が安全に行えます。
3. 支社や店舗のネットワーク統合
複数の支社や店舗を持つ企業において、SASEはネットワークとセキュリティ管理を
統一するためのソリューションを提供します。これにより、各拠点でのセキュリティポリシーの一貫性が保たれます。
SASEのメリットと課題
メリット
シンプルな管理と運用
SASEはネットワークとセキュリティを統合的に管理できるため、
複雑なオンプレミスインフラの管理が不要になり、運用コストの削減が可能です。
スケーラビリティ
クラウドベースであるため、企業の成長に合わせて柔軟に拡張できます。
新たなユーザーや拠点が追加されても、迅速に対応可能です。
リモートアクセスの強化
SASEにより、リモートワーカーが安全に業務を遂行できる環境が整い、
セキュリティリスクを低減できます。
課題
初期導入の複雑さ
SASEの導入には、既存のインフラとの統合が必要であり、設定が複雑になる可能性があります。
また、既存のセキュリティソリューションとの互換性を確認する必要があります。
クラウド依存
クラウドプロバイダーに依存するため、プロバイダーのダウンタイムや
障害が企業に影響を与えるリスクがあります。
コンプライアンスの確保
データがクラウドを経由するため、各国の法規制やデータプライバシーに対応する必要があります。
これには、データの暗号化やアクセス制御などの対策が含まれます。
まとめ
SASEは、ネットワークとセキュリティを統合し、クラウドを通じて提供する
新しいアーキテクチャであり、特にリモートワークやクラウド利用が進む
現代のビジネス環境において重要な役割を果たします。
シンプルな管理、スケーラビリティ、リモートアクセスの強化といった利点がある一方で、
導入の複雑さやクラウド依存などの課題も存在します。
今後もSASEの普及が進み、より高度なセキュリティとネットワークの最適化が期待されます。