営業やマーケティングで「パイプラインが大事」と言われるけれど、一体何を指すのかご存知でしょうか? 新規リードの獲得から商談、契約獲得に至るまでの各プロセスを見える化し、管理する「パイプライン」は、近年ますます注目を集めています。
中小企業のマーケティング責任者や大企業の若手マーケ担当者にとって、パイプラインを正しく理解し管理することは、売上拡大や効率的な営業活動の鍵となります。
本記事では、パイプラインの定義から営業・マーケティング双方における重要性、パイプライン設計のための手順、管理に役立つツール、注意すべきポイントまでを解説させていただきます。さらに、想定ケースから学ぶパイプライン管理のコツも紹介し、自社のビジネスに活かせるヒントを提供します。
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パイプラインとは、ビジネスプロセスや進捗の流れを可視化した枠組みを指すようになり、営業・マーケティング領域では見込み客との初めての接点から契約が成立するまでの一連のプロセスを表現するときに使われます。
営業部門では、見込み客との最初の商談アポイントメントの設定から受注までの各ステップを案件パイプラインとして管理します。一方マーケティング部門では、資料請求やお問い合わせなどから発生した最初のリード獲得から商談アポイントメントの設定、最終的には受注までのプロセスをリードパイプラインとして捉えています。
つまりマーケティングのパイプラインは「潜在顧客との接触~営業へ引き継ぎ~受注まで」の全体プロセスを含み、営業のパイプラインはその中の「営業担当者が商談アポイントの設定から商談、フォロー営業、そして契約に至るまでのプロセス」を指すと言えます。どちらもパイプを通して顧客を次の段階へ送り出すようなイメージで捉えるとわかりやすいでしょう。
マーケティングでよく使われる「ファネル(漏斗)」とも比較すると、ファネルは見込み客の購入までのプロセスを各段階で表すものになるので、顧客視点からのプロセスを見えるか化しています。それに対してパイプラインは自社(営業・マーケティング)の活動プロセスに焦点を当て、自社の視点から受注までのプロセスを各工程ごとにステータス管理を行うための考え方となります。
簡単に言えば、ファネルは見込み客の心理・行動の移り変わりをプロセスで状態を管理できるようにしていることに対して、パイプラインは自社(提供者)側で案件やリードがどの工程にいるかを管理できるようにするためのものです。
両者は表裏一体の関係ですが、パイプライン管理は自社の営業・マーケプロセスを最適化するための手法であり、ファネル視点で顧客理解を深めつつパイプラインで内部管理を行うと効果的です。
ポイント
パイプラインとは、リード(見込み客)から案件・受注に至るまでの自社内プロセスを「見える化」したもので、マーケティングから営業への一連の流れをパイプ(管)に見立てて管理することで、滞留している箇所や漏れている箇所を発見しやすくなるのが特徴です。 これにより、営業とマーケティングの両チームが共通認識を持って協力しやすくなります。
効果的なパイプライン管理は、営業チームにもマーケティングチームにも大きなメリットをもたらします。この章では、パイプラインを整備・活用することで得られる主な利点を整理します。
営業チームにとってのメリット
案件の優先度が明確になる
パイプラインによって全案件の進捗状況が一覧化されるため、営業担当者はどの案件を優先してフォローすべきかを判断しやすくなります。
例えば、「提案段階で足踏みしている案件Aより、契約直前の案件Bを先に詰めよう」といった判断が視覚的に行えるようになります。これにより時間やリソースの配分を最適化し、効率的な営業活動が可能になります。
ボトルネックの早期発見・対処
案件がどの段階で停滞しているかが一目で分かるため、「見積送付後に失注が続いている」「初回アプローチでアポ取得率が低い」などボトルネックとなっている段階を素早く発見できます。パイプライン管理を行っていれば、進捗が滞っている箇所にすぐ気づき、原因分析と対策(提案内容の改善、営業フォローのタイミングの見直しなど)を迅速に行えるのです。
受注予測・目標管理に役立つ
各案件のステージと確度が見えることで、営業マネージャーは一定期間内の売上を予測しやすくなります。例えば、現在パイプライン上に契約見込額○○円の案件が何件あり、平均成約率から○○円の売上が期待できる、というようなった予測ができるようになります。これにより目標に対する進捗を数値で把握し、達成見込みが低い場合には早めに追加施策を打つなど、プロアクティブなマネジメントができます。
マーケティングチームにとってのメリット
マーケ施策の貢献度が見える
パイプラインはリード段階から追跡するため、マーケティング施策で獲得したリードがその後どのように商談化・案件化、そして受注に結びついたかを測定できるようになります。これによりマーケティング施策の投資対効果を測定しやすくなります。
「どのチャネルからのリードが最も受注率が高いか」「育成したリードのうち営業が有望と判断した割合はどれくらいか」などが把握でき、マーケティング活動を改善する指針になります。
営業との協調体制を強化
パイプライン情報をマーケと営業で共有することで、部門間の連携がスムーズになります。例えば、マーケにて獲得したリードの状況を営業がリアルタイムで把握できれば、素早くアプローチすることができるようになります。
また、営業からの報告を受けて「確度の高いリードに関する条件」をマーケティング施策に反映させるといったPDCAを回しやすくなります。パイプラインという共通言語を持つことで、マーケ・営業のミスコミュニケーションやリードの取りこぼしが減り、組織全体で効率よく商談創出・受注獲得ができるようになります。
経営視点での成長戦略立案
パイプラインのデータは経営層にとっても貴重です。リード数から商談化率、そして受注率までを各プロセスごとに数値が取れるため、「今期の売上目標を達成するには○件の新規リードが必要」といった逆算によるシミュレーションが可能になります。
これにより、マーケティング予算配分や営業人員計画などデータに基づく戦略立案をすることができるようになります。特に中小企業では勘や経験に頼った目標設定になりがちですが、パイプラインを管理しておけば現実的かつ納得性の高い計画策定に役立つでしょう。
ポイント
パイプライン管理は「現状把握」と「未来予測」の双方に威力を発揮します。営業現場では案件の見える化で日々のアクションに対して実施すべきことを優先順位をつけて実行しやすくなります。
一方、マーケティング側ではチャンネルごとのリード数とその質を調整してパイプラインを管理できるようになります。
そして組織全体では、部門間の壁を越えて一体となった収益拡大サイクルを構築できるのです。 これらのメリットから、現在多くの企業がパイプライン管理に取り組み始めています。
それでは、実際に自社のパイプラインをどのように設計・構築すればよいのでしょうか。ここでは営業とマーケティングが協力して行うパイプライン構築のステップを解説させていただきます。
ステップ1:パイプラインのステージを定義する
最初に実施することとして、自社の営業・マーケプロセスを段階に分解し、各ステージを明確に定義します。見込み客との初回コンタクトから受注までの間に、どのようなステップを踏んで進むかを書き出しましょう。BtoBマーケティングでは、一般的に以下のようなステップになります。
・リード獲得:ウェブサイトからの問い合わせ、資料請求、セミナーへの参加などで新規リード(見込み客情報)を獲得する段階です。主にマーケティング部門が担当します。
・リード育成・絞り込み:獲得したリードの中から有望なものを見極める段階です。メールマーケティングやスコアリングで営業確度の高くなるまでリードを育成し、営業が接点を持って商談化してよいリードと判断したものを有望リードとして引き継ぎます。
・商談アポイントの設定):インサイドセールス担当者がまずアプローチをてし、初回商談のアポイントを設定する段階となります。インサイドセールスや担当者が電話やメールで接触し、課題のヒアリングも同時に行います。
・提案・見積もり:顧客の課題や要望を踏まえて提案書や見積書を提示する段階。顧客社内での検討や比較が行われるフェーズでもあります。
・交渉・クロージング:契約条件の交渉や最終調整を経て、成約にこぎつける段階です。意思決定者の承認を引き出し、「受注」つまり契約成立となります。
(※その後: 場合によっては契約後のアップセル/クロスセルやフォローアップまで含めてパイプラインを設計することもあります。)
各ステージの名前や区切りは業種や営業形態により異なってくる場合もございますが、自社の顧客の購買プロセスに沿って営業活動フローを段階を設定することがポイントです。ステージの定義にあたっては営業現場の意見も聞き、マーケと認識を合わせておきましょう。
ステップ2:各ステージの基準とゴールを設定する
ステージを定義したら、各ステージの開始・終了条件(ステージ移行の基準)を明確にします。同時に、そのステージで達成すべきゴールやKPIも以下のように設定しましょう。
・リード獲得ステージ:「どのようなことをリード獲得とみなすのか」(例: 資料請求フォームの送信完了)と定義して、「月間○件の新規リード取得」を目標に掲げるなどになります。
・商談開始ステージ:「初回商談が実施」と定義した場合、、「初回商談設定率○%」をKPIとします。
・提案ステージ:「見積提出完了」を区切りにし、「商談から御見積書の提出までの提出率を○%」などと目標を設定します。
顧客視点でステージを設計することが重要です。社内都合の区切りではなく、「顧客がどの程度購買意思を固めたか」を基準に各段階を進めるようにします。
例えば、「提案書を送る」という営業側のアクションだけでステージを進めるのではなく、「顧客が社内稟議を開始した」など顧客の状態変化に着目するのが理想です。こうすることで、実態に即したパイプライン管理が可能となり、楽観的すぎる見通しを防ぐことができます。
各プロセスの設定と基準が決まったら、プロセスごとに何件あるかを洗い出し、パイプラインを「見える化」します。もし既にある程度データがあれば、このデータをもとに営業担当者やマーケ担当者にてデータを確認し、目標を達成するために追加で必要なことがあるかどうかを洗い出しましょう。
例えば、「現在、総リード数が100件、営業がアプローチ中のリードが30件、商談進行中が15件、提案済みが8件、交渉中が5件、受注見込(クロージング段階)が3件ある」等。
このようにパイプラインの全体像を数字で把握しましょう。さらに、過去のデータもあれば活用し、各ステージ間の移行率(コンバージョン率)や平均リードタイム(滞在期間)なども算出してみます。
また、売上目標に照らして必要なパイプライン規模を計算しましょう。例えば年間売上目標が1億円、平均契約単価が100万円なら100件の契約が必要です。成約率が50%なら200件の商談、商談化率が20%なら1,000件のリードが必要、という具合に逆算します。
この計算により、現在のパイプラインが目標に対して量的に足りているかを評価できます。必要数に対して現状が不足していれば、リード獲得を強化する、商談創出率を高める、といった施策検討につながります。
パイプラインのプロセスごとに現状把握ができたら、どのプロセスに課題があるかを見極めていきます。各段階の移行率(例: リード100件中商談化20件なら20%)を算出し、業界標準や自社目標値と比較してみましょう。極端に歩留まりが悪いステージがあれば、そこがボトルネックです。また、案件の滞留期間が長すぎるステージがあれば、その理由を検討します。
典型的な課題の例
・初期リードは多いが営業がアプローチできるリードが少ない → リードの質が低い。集客チャネルの見直しやリードスコアリングの導入を検討していきます。
・商談までは進むが提案後の成約率が低い → 提案内容がニーズに合っていない、競合に負けている可能性があるので、営業提案力の強化や提案資料のブラッシュアップが必要があります。
・パイプライン上部の数値が少ない(リード数自体が不足) → マーケ施策を拡充しリード数を増やす。展示会出展やコンテンツ増強、広告予算追加などを検討していきます。
・パイプライン下部で失注が頻発 → 価格や条件面で競合に劣っている可能性があります。製品・サービスの提案価値を再検討したりクロージングトークを改善する必要があります。
このように定量分析の結果と、現場の声など定性情報を組み合わせて課題を洗い出したら、具体的に改善する内容をプランニングします。アクションプランには期限と責任者を設定し、改善策を実施していきます。
例えば「商談の成約率を上げるため、来月中に営業トークスクリプトを見直し研修実施」「リード質向上のため、ホワイトペーパーを新規作成して有益なリードを集める」などです。
最後に、パイプラインを継続的にデータを管理して開園していく仕組みを構築していきます。一度作って終わりではなく、日々の運用と定期的な見直しが肝心です。
データのリアルタイム更新
営業担当者が商談の進捗を都度システムに入力し、最新状況が関係者全員に共有される体制を作ります。週次の営業会議でパイプラインをチェックする、商談発生や受注時に自動通知を飛ばすなど、リアルタイム性を意識しましょう。
定期レビューと戦略調整
月次や四半期ごとにマーケ&営業での合同会議にてパイプラインのレビューを行い、KPI達成状況や課題の変化を確認します。状況に応じて新たな施策を投入したり、逆に不要なステージを簡略化するなど、柔軟にパイプライン設計を調整します。
組織への定着
パイプライン管理を社内の営業プロセスに組み込みます。営業マネージャーが率先して活用し、成果をメンバーにフィードバックすることで、「パイプラインの各プロセスごとに数値を確認すると自分たちの状態がわかる」「パイプラインをしっかり管理することで業績アップの仕方が分かる」という意識を醸成します。最終的には、マーケティングと営業が一体となった自律的なチーム運営が目標です。
以上が基本的なステップとなります。この流れに沿って構築を進めれば、パイプライン管理の土台が出来上がるでしょう。次章では、このパイプライン管理を助けるツール類について紹介させていただきます。
パイプラインを効果的に管理するには、デジタルツールを活用すると手間を減らして運用ができます。営業案件数やリード数を一元管理しリアルタイムで更新できるツールは、パイプラインを管理しやすくなります。ここでは代表的なツールを紹介させていただきます。
SFA(営業支援システム)/ CRM(顧客管理システム)
営業の進捗状況や顧客属性などの情報を管理するシステムです。代表的なものに Salesforce や Microsoft Dynamics 365、国産では Sansan などがあります。これらを使うと、リードから商談、商談後のフォロー状況、契約に至るまでのデータを一元管理でき、パイプラインの各工程を見える化が容易になります。
例えばSalesforceでは「商談(Opportunities)」をステージごとに管理し、金額や確度から自動で売上予測を算出する機能もあります。ポイントは、現場の営業担当者が使いやすいインターフェースのツールを選ぶことです。入力の手間が多すぎると情報更新が滞ってしまうため、できるだけスマホからも入力しやすいツールが望ましいでしょう。
マーケティングオートメーション(MA)ツール
Marketo や HubSpot、SatoriなどのMAは、リード獲得から育成、そして事前設定したスコアを超えたリードを営業に割り振るまでのプロセスを自動化できるツールです。マーケティング部門で導入することが多いですが、営業との連携機能も備えており、MA上でスコアリングした有望リードをSFA/CRMに自動連携する、といった使い方が可能です。
これによりリードから商談への引き継ぎがシームレスになり、パイプライン上部(リード段階)の管理が強化されます。MAの活用例としては、一定スコア以上のリード発生時に営業へ通知する、長期間追客が無いリードをアラートするなどがあり、リード漏れ防止やタイムリーなアプローチに寄与します。
コミュニケーション・通知ツール
パイプラインの変化をチーム内でリアルタイムに各プロセスの数値を共有できるようになるので、SlackやチャットワークといったビジネスチャットツールとSFAやCRMを連携させることにより業務効率を上げることができます。
例えば「商談が新規登録されたらSlackの#商談パイプラインチャンネルに自動投稿」「重要案件が受注になったらチームに通知」など、自動アラートを飛ばすことでリアルタイム共有を実現します。これも立派なパイプライン管理の一環であり、リモートワーク下では特に効果を発揮します。
BIダッシュボードツール
パイプラインのKPIを経営層や関連部署とも共有する場合、Tableau や Power BI 等のBIツールでダッシュボード化する方法があります。SFA/CRMからデータを取り込み、リード数や商談数、受注見込数などを図を使って表示ることができれば、一目でパイプラインの健全性を把握できます。
これらのツールを組み合わせて活用することで、「人力でExcel管理して更新が大変」といった状態に陥ることを防ぎ、最新データが誰でも見ることができるパイプライン管理体制を築くことができます。中小企業ではスプレッドシートで管理しているケースもありますが、属人的になりやすいため、可能であれば早めに適切なツール導入を検討することをおすすめします。
パイプライン管理を効果的に行うためには、いくつか押さえておくべきポイントや注意点があります。ここでは、運用上陥りがちなミスを防ぎ、成功へ導くためのチェックリストを箇条書きでまとめます。
以上のポイントを念頭に置くことで、パイプライン管理の効果を最大限発揮しやすくなります。それでは次に、実際のビジネス現場で起こり得るケースからパイプライン管理の学びを深めてみましょう。
ここでは、パイプライン運用にまつわる想定シナリオをいくつか紹介し、そこから得られる教訓を整理します。自社の状況に置き換えて考えるヒントとしてご活用ください。
シナリオ: ある中堅企業では、マーケティング部門が月に200件の新規リードを獲得していました。しかし営業部門との引き継ぎがうまくいかず、せっかく獲得したリードの多くが商談に至らず放置されていました。マーケは「せっかく興味層を集めても追客されない」と不満を持ち、営業は「質の低いリードばかりだ」とクレーム。両部門の連携は停滞し、リードは時間とともに陳腐化して競合に流れてしまいました。
学び: このケースでは、マーケティングと営業の連携不足が明確な問題です。パイプライン管理の仕組みがあれば、リード獲得から商談へのコンバージョン率が低いことが可視化され早期に対策できたはずです。教訓として、リード引き継ぎのプロセスを明確化し、双方の責任範囲を定義すること、そしてパイプライン上でリアルタイムにリード状況を共有する仕組みが必要です。また、営業がリードの質に不満を感じている場合は、両者で「有望リードの定義」を話し合いマーケ施策に反映させる改善も求められます。パイプラインは部門間の溝を埋めるコミュニケーションツールにもなるのです。
シナリオ: 別の企業では、営業マネージャーがパイプライン会議で「現在パイプラインに100件の商談があるので目標達成は問題ない」と判断していました。しかし実際には、商談数こそ多いものの大半が初期段階で勝率が低い案件ばかりだったのです。結果的に予測より受注件数が伸びず、四半期の売上目標を大きく下回ってしまいました。パイプラインは数字上潤沢に見えていたため、新規開拓を怠っていたことも響きました。
学び: このケースからは、パイプラインの「質を見極めることの重要性」が分かります。単に案件数や金額だけで楽観するのではなく、各案件の受注確度や進捗状況を冷静に評価する必要があります。パイプラインレビューでは、数量的な指標(件数・金額)と併せてステージ比率や平均コンバージョン率をチェックし、「数は多いが薄いパイプライン」ではないかを見抜きましょう。必要に応じて見込み度の低い案件は早めに見切りをつけ、新規開拓にリソースを割く勇気も重要です。過大評価を避けるため定性評価も交えた健全な見込み管理を行うべきだと教えてくれる事例です。
シナリオ: あるソフトウェア企業では、前年までは営業担当ごとにバラバラに案件を管理していました。そこでマーケティングマネージャー発案のもと、全社共通のパイプライン管理を導入。SFAで案件ステータスを一元管理し、週次で全案件の状況をチームでレビューする体制に切り替えました。すると、当初は営業から「管理が面倒」と反発もありましたが、数ヶ月経つと明らかな効果が現れました。停滞案件のテコ入れを早めに実施できるようになった結果、平均成約率が以前の15%から25%に向上し、年間売上は前年度比で120%達成となりました。
学び: このケースは、パイプライン管理を徹底することで得られる成果を物語っています。重要なのは、導入時にしっかりチームに目的と使い方を浸透させ、最初のハードルを乗り越えたことです。現場がその価値を実感すれば、自発的に活用が進み好循環が生まれます。結果として、早期のボトルネック対処や案件フォロー漏れ防止により成約率UPや売上増加といった数字の成果に繋がりました。この事例から、パイプライン管理は短期的な管理強化だけでなく中長期で組織力強化と業績向上をもたらす投資であると言えます。自社でも小さくても良いのでパイプライン管理を始め、継続改善していくことが成功のカギです。
以上のケーススタディから、自社に活かせるヒントは見つかったでしょうか。それぞれ**「部門連携」「見込み精査」「継続運用」**という異なる側面の重要性を示しています。ぜひ自社の状況に照らし合わせ、パイプライン運営の改善に役立ててください。
本記事では、営業・マーケティング領域における「パイプライン」とは何かから始まり、その重要性や構築方法、活用ツール、注意点、ケースからの学びまで包括的に解説しました。改めて重要ポイントを振り返ってみましょう。
パイプライン管理を適切に実施すれば、マーケティングと営業が一丸となって効率よく売上拡大に取り組める体制が整います。 最初は情報整理やツール導入に手間取るかもしれませんが、得られるメリットはそれ以上に大きいでしょう。
もし「自社でどこから手を付ければいいか分からない」「効果的なパイプラインを構築できるか不安」という場合は、専門家の力を借りるのも一つの方法です。私たち**(弊社)では、マーケティング・営業プロセスの可視化やパイプライン管理の仕組みづくりを支援**しています。パイプライン構築の経験豊富なコンサルタントが貴社の状況を診断し、最適なステージ設計やツール導入、運用フローの定着まで伴走いたします。
「このままではリードが無駄になってしまうのでは…」「営業とマーケの連携を強化したいがどう進めるべき?」とお悩みの企業様は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。お問い合わせフォームよりご連絡いただければ、担当者が詳しいお話を伺い最適な解決策をご提案いたします。(※強引な営業は一切行いませんのでご安心ください。)
また、パイプライン管理や営業・マーケティング効率化に役立つ無料eBookやホワイトペーパーも多数ご用意しております。興味のある方はぜひダウンロードしてご活用ください。
自社のパイプラインを整備し、継続的に改善していくことで、リードから顧客への道筋を太くしっかりとしたものにしていきましょう。パイプラインを制する者がビジネスを制すると言っても過言ではありません。今日からぜひ、組織一丸でパイプライン管理の第一歩を踏み出してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。貴社の営業・マーケティング活動がパイプライン管理によって更なる成果につながることを心より願っております。