製品開発や自社ブランド展開を進めるうえで、「ODMメーカー」という言葉を耳にする機会が増えています。
しかし、OEMとの違いや、どのようにメーカーを選べばよいのか、
費用や契約の注意点までいろいろと知っておいたほうがよいことがございます。
ODM(Original Design Manufacturing)は、
設計から開発・量産までを一貫して委託できる仕組みで、スピーディーな商品化やリソース削減を可能にします。
今回、ODMメーカーの定義やOEM・EMSとの違い、
発注から量産までの流れ、選定時のチェックポイントや費用構成を実務目線で解説します。
これからODMを検討する企業が、失敗なく最適なパートナーを見つけるための完全ガイドです。
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ODMメーカーについて、OEMとの違い・選び方・費用を解説していきます。
最初に化粧品、食品、健康食品分野のODMメーカーを一覧表で紹介させていただきます。
そこから、ODMメーカーの紹介および、ODMメーカ-とお付き合いするための知識を紹介させていただきます。
化粧品ODMメーカー
| 会社名 | 概要 | 強み(100字) | 分野 | 得意領域 | 最小ロット |
|---|---|---|---|---|---|
| セントラル・コーポレーション | コンセプト設計〜処方〜薬機対応〜量産まで一気通貫。100個〜で新規参入にやさしい。 | 小ロットの草分け。実務寄りの原価設計・販促支援まで伴走。 | 化粧品 | スキンケア中心(医薬部外品可) | 100個〜 |
| LOTTZ | 処方×デザイン×資材を一体提案。100個〜でD2C立上げを加速。 | 企画〜容器〜販促まで丸ごと支援。スピード試作でPDCAが回しやすい。 | 化粧品 | スキン/ヘア、トータルプロデュース | 100個〜 |
| コスメインターナショナル | 輸出書類まで含めたトータル支援。条件次第で100個〜に対応。 | 海外展開も視野に、少量多品種や並行開発をサポート。 | 化粧品 | スキン/ヘア/メイク | 100個〜(条件次第) |
| ウィル・グラン化粧品 | スキンケア中心に500本〜の小ロットを明記。サロン/クリニック案件に強い。 | オープンラボ等の連携で“現実解”を素早く提案。 | 化粧品 | スキンケア、ヘアケア | 500本〜 |
| 天真堂 | D2C・医薬部外品で実績。ストック処方「CSシリーズ」は1,000個〜で素早く商品化。 | 処方×ブランド戦略まで相談可。スピード量産が得意。 | 化粧品 | スキン/ヘア/医薬部外品 | 1,000個〜 |
食品(国内ODM)
| 会社名 | 概要 | 強み(100字) | 分野 | 得意領域 | 最小ロット |
|---|---|---|---|---|---|
| 日東食品工業(ニットーリレー) | 粉末飲料・スープ・調味を企画〜配合〜充填まで一貫対応。小ロットでもスピード試作〜量産へ進めやすい。 | 粉末専業の工程設計×小ロット対応。味の再現性と包材提案でEC/PBの立ち上げに強い。 | 食品(粉末) | 粉末飲料、スープ、だし、粉末調味 | 100kg〜 |
| 門井商店 | タレ・ソース等の液体調味を企画〜製造。味の微調整と試作が速く、PBや外食の瓶・袋充填に対応。 | 目安100kg〜の小ロット。粘度や具材量に応じた“売れる味”のチューニングが得意。 | 食品(液体調味) | たれ・ソース、ラーメンスープ、ドレッシング | 約100kg〜(目安) |
| K’s Factory | レトルト/瓶詰の小ロット立ち上げに特化。200個〜で検証→本番へ段階的にスケール。 | 手作業中心で柔軟。費用例を公開しており原価設計や社内稟議が通しやすい。 | 食品(レトルト/瓶) | カレー、スープ、ソース、ジャム等 | 200個〜 |
| 戸田乳業 | 乳飲料・発酵飲料のODM。味設計〜容器まで並走し、2,000本〜の小ロットに対応。 | 乳系の安定化ノウハウと小回り。ノベルティ〜ブランド立上げまで幅広い。 | 飲料(乳系) | 乳飲料、発酵飲料、清涼飲料 | 2,000本〜 |
| 磯田園 | お茶・健康茶のブレンド〜粉末化〜ティーバッグ加工を一貫対応。資材・物流まで相談可。 | 1kg/100袋〜の極小ロットでD2Cの検証→本番を素早く回せる。 | 食品(茶) | 茶葉、粉末、TB加工 | 1kg または 100袋〜 |
健康食品ODMメーカー
| 会社名 | 概要 | 強み(100字) | 分野 | 得意領域 | 最小ロット |
|---|---|---|---|---|---|
| SUNAO製薬 | サプリ全形状とドリンク・ゼリー・健康茶まで対応。目安ロットを明確提示し少量から相談可。 | 最小ロットが具体的で計画が立てやすい。リードタイム目安も公開。 | 健康食品 | 錠剤、カプセル、顆粒、ドリンク等 | 打錠30kg/カプセル5万粒/顆粒60kg/ドリンク2,000本/ゼリー3万包/茶1,000包 |
| アピ(リトルPET) | 小容量PETの美容・機能性ドリンクを量産。30,000本〜を明記、FSSC22000で品質担保。 | 高速充填×認証取得で全国流通やTV販路に適性。 | 健康食品(飲料) | 50/65/100mlドリンク | 30,000本〜 |
| タンポポ産業 | 瓶ドリンクの開発〜製造。50ml×10,000本/500ml×1,000本の明確な条件で進めやすい。 | 小〜中ロットの段階展開に強く、都心近郊で機動力。 | 健康食品(飲料) | 健康・美容ドリンク(瓶) | 50ml×10,000本/500ml×1,000本 |
| 越後薬草 | 植物発酵や健康飲料のOEM。スピード試作と1,000本〜の小ロットで検証しやすい。 | 原料・処方の提案力。テスト販売から拡張へつなげやすい。 | 健康食品(飲料) | 健康・機能性飲料 | 1,000本〜 |
| ミズバラエティー | 越境ECも視野にサプリを一気通貫で支援。1,000個程度〜を明記、在庫/物流まで相談可。 | GMP取得工場の包装出荷体制。運用面まで伴走。 | 健康食品 | 錠剤、カプセル、粉末 ほか | 約1,000個〜 |
ODMメーカーとは、製品の設計から開発・試作・量産までを一貫して請け負う製造パートナーのことです。
依頼企業(発注側)はアイデアやコンセプトを伝えるだけで、
ODMメーカーが設計図面・部品選定・試作・品質検証まで行い、完成品として納品します。
自社に開発部門がない企業でもスピーディーに商品化できるのが大きな特徴です。
近年は、開発コストを抑えながらブランドを立ち上げたい企業や、
短期間で市場投入したいスタートアップ・小売業などで利用が拡大しています。
また、ODM(Original Design Manufacturing)は、OEM(Original Equipment Manufacturing)よりも一歩進んだ生産形態です。
OEMは発注企業の設計図をもとに製造だけを請け負いますが、
ODMではメーカー側が設計・デザイン段階から主導します。
つまり、製造ノウハウ・技術力・開発設備をもつODMメーカーが、
依頼企業の要望(性能・価格帯・外観など)をもとに製品設計を行い、最終的な製品を納品する仕組みです。
ODMメーカーの役割は次のとおりです。
・製品企画・設計・デザインの提案
・部品選定・金型設計・試作評価
・量産体制の構築(品質管理・工程管理)
・各種認証・規格対応(PSE、RoHS、GMPなど)
・梱包・出荷・納品・アフターサポート
ODMを活用することで、発注企業は開発コストや時間を削減しつつ、短期間でオリジナル商品を市場に投入できます。
製造委託の形態には、ODM以外にもOEM・OBM・EMSなどがあります。
それぞれの違いを整理すると、以下のようになります。
| 項目 | OEM(受託製造) | ODM(設計付受託製造) | OBM(自社ブランド製造) | EMS(電子機器製造サービス) |
|---|---|---|---|---|
| 設計・開発 | 発注側が行う | メーカーが主導 | 自社で実施 | 発注側が行う(電子機器限定) |
| ブランド名 | 発注企業 | 発注企業 | メーカー自社ブランド | 発注企業 |
| 知的財産権 | 発注企業に帰属 | 契約による共有・帰属調整 | メーカーに帰属 | 発注企業 |
| 強み | 品質の安定 | 開発スピード・提案力 | ブランディング・収益性 | 量産力・低コスト |
| 主な利用企業 | 大手メーカー | 中小・新規ブランド | 自社ブランドメーカー | 電子機器メーカー |
| リスク | 設計リソース負担 | 知財・依存リスク | 販路拡大の必要 | 仕様変更に弱い |
このように、ODMは設計を含む包括的な製造委託モデルであり、OEMよりも上流の工程まで対応できるのが特徴です。
一方で、設計主導権を委ねるため、知財管理や独自性確保には注意が必要です。
向いている企業
・自社に設計・開発リソースがないが、自社ブランド製品を展開したい企業
・短期間で商品化し、市場投入スピードを重視する企業
・複数カテゴリーの商品を並行展開したい小売・EC事業者
・新規参入分野で、試作や品質基準をODM側に任せたいメーカー
向かない企業
・自社技術・意匠・ノウハウを厳格に守りたい企業(知財帰属リスク)
・製品の差別化・独自開発を競争優位にしたい企業
・ODMメーカーとの長期的契約に縛られたくない企業
・金型・図面・ソフトウェアを自社で保有したい場合
ODMメーカー選定は、単に見積金額や納期だけで判断すると失敗するリスクが高い工程です。
ODMは「設計を任せる=自社の製品品質や知財に直結する」ため、
設計力・品質体制・知的財産・コスト構造・サポート対応を多角的に評価する必要があります。
ここでは、発注担当者が確認すべき6つのポイントを解説します。
① 設計・開発力(要件定義〜試作スピード)
ODMの価値は「どこまで設計提案できるか」で決まります。
発注前に以下を確認しましょう。
・CAD/CAEなど設計ツールの使用実績
・試作から量産までのリードタイム(EVT→DVT→PVTの各期間)
・過去に開発した製品分野・技術領域の実績
・設計変更・最適化提案のレスポンススピード
試作段階での技術理解・改善提案が速いメーカーほど、量産トラブルを防げます。
② 品質管理体制(QMS・検査工程・監査同席)
品質はODMメーカーの信頼度を測る最重要指標です。
チェックすべき項目は次の通りです。
・ISO9001/ISO13485等の品質マネジメント認証の有無
・受入検査・工程内検査・出荷検査の仕組み
・不具合発生時の原因分析(5Why・特性要因図など)
・客先監査や第三者監査への対応可否
可能であれば、工場監査チェックリストを使い、
現場の5S・トレーサビリティ・検査記録まで確認しましょう。
③ 認証・規制対応(ISO・HACCP等)
業界により求められる認証が異なります。
化粧品はGMPやISO22716、食品ではHACCPなどがございます。
ODMメーカーがこれらを社内で取得・運用しているか、
または外部ラボと連携しているかを必ず確認しましょう。
④ 知的財産・NDA・成果物の帰属
ODMでは、設計データや金型、回路図などに関する知的財産が曖昧になりがちです。
契約前に以下を明確にすることが重要です:
・設計データ・金型の所有権(発注側or ODM側)
・共同開発の場合の特許出願・帰属ルール
・NDA(秘密保持契約)の範囲と有効期間
・図面や試作品の再利用禁止条項の有無
後から知財紛争に発展しやすい箇所なので、法務または知財部門と連携してチェックしましょう。
⑤ コスト構造(BOM・金型・MOQ・治具費)
見積比較の際は、単価だけでなくコスト構造の内訳を把握することが大切です。
主な構成項目は以下のとおり:
| 項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 材料費 | 部品・原料コスト | 為替・仕入先変動に注意 |
| 加工費 | 組立・検査・梱包工賃 | 現地労務費の影響 |
| 試作費 | 開発・評価・修正 | 複数回の見積で比較 |
| MOQ | 最小ロット | 在庫・物流リスクと連動 |
⑥ サポート・言語・時差対応
特に海外ODMメーカーを利用する場合、言語・時差・レスポンス体制がプロジェクト成功を左右します。
確認すべきポイントは以下になります。
・英語・中国語・日本語での技術コミュニケーション体制
・プロジェクトマネージャーの常駐拠点(日本窓口の有無)
・定例報告・オンラインレビューの頻度
・トラブル時の初動対応ルール(24h以内返信など)
この項目は軽視されがちですが、意思疎通の質=品質の安定性につながる重要指標です。
ODM委託では、費用の内訳が見えにくいことが最大の課題です。
「どこまでが設計費に含まれるのか」「金型や試作費は都度請求か」
「MOQによる単価変動は?」など、契約前に明確化しなければ、後工程でコストトラブルにつながります。
この章では、ODMの主な費用構成・見積書の見方・交渉ポイントを実務目線で整理します。
主な費用項目(開発費/試作費/金型費/量産単価/物流)
ODMプロジェクトの総費用は、次の5項目で構成されるのが一般的です。
| 費用項目 | 内容 | 相場・目安 | 留意点 |
|---|---|---|---|
| 開発費 | 仕様検討・設計・試験・認証準備など | 数十万〜数百万円 | ODM側が設計主導の場合は必須。途中変更で再見積もりになる場合あり。 |
| 試作費 | 試作品の部品・加工・評価・改修 | 1回あたり10〜50万円前後 | 通常2〜3回の試作が必要。材質や検証内容により変動。 |
| 金型費 | 射出成形・プレス・治具などの初期設備費 | 50〜500万円以上 | 所有権の帰属を契約で明確に。ODM保管・償却型のケースもある。 |
| 量産単価 | 製品単価×数量(BOM+加工+検査) | 製品内容により大幅変動 | MOQ(最小ロット)と歩留まり率を確認。小ロットでは単価上昇傾向。 |
| 物流・検査費 | 梱包・輸送・通関・検査報告書作成など | 数%〜10%前後 | FOB/CIF/DDPなどの条件で比較。通関責任者の所在も確認。 |
ポイント
ODMメーカーによっては「開発費・金型費を初期無料」とする代わりに、量産単価へ上乗せして回収する場合もあります。
短期コストよりも、3〜5年スパンのトータルコストで比較するのが最適です。
ODMの見積書には、初見では分かりにくい注意点がいくつかあります。
特に以下の5項目は必ず確認しておきましょう。
見積条件・有効期限
・為替や材料価格が変動するため、有効期限(通常30〜90日)を明記。
・為替変動条項がある場合はその基準レートを確認。
数量条件(MOQ・段階単価)
・MOQ(最小発注数量)が多いほど単価は下がる。
・ロットごとの価格差が小さい場合、歩留まりや設備稼働率に余裕がある可能性あり
検査・保証範囲
・出荷検査基準(AQL値など)と保証期間を確認。
・不良品交換や再生産の責任範囲を曖昧にしない。
支払条件と通貨建て
・海外ODMではUSD/CNY建てが多く、為替リスクを発注側が負うことも。
・T/T(電信送金)前払いか、L/C(信用状)か、支払条件を交渉段階で確定。
補足:見積の比較は「同一仕様・同一条件」で行うことが鉄則です。
仕様書(RFP)を統一して複数社見積を取ると、フェアな比較が可能です。
ODMメーカーとの価格交渉は、単なる値引きではなく「設計最適化による総コスト低減」を目指すのが理想です。
以下のポイントを意識しましょう。
仕様簡略化・部品共通化の提案を受ける
・ODMメーカーは複数製品を手掛けているため、共通部品・量産治具の提案をもらうと大幅にコストが下がります。
・材料・表面処理・組立工程の簡略化も有効です。
金型の共有・償却スキームを設計する
・ODM側が既存金型を流用できる場合、初期費用を最大80%削減できることもございます。
・専用金型でも、量産契約とセットで償却交渉するのが一般的です。
為替・調達コストの変動条項を明確にする
・為替変動による再見積を防ぐため、変動幅(±3〜5%など)を契約に明記したほうがよいです。
・原材料の調達コスト(銅・樹脂など)連動の有無も確認しておいたほうがよいです。
数量コミットで単価を抑える
年間発注予定を提示し、スケジュールを明確にすることでODM側が生産計画を立てやすくなり、単価交渉がしやすくなる。
検査・納期の柔軟性を調整する
検査条件や納期の余裕を与えると、ODM側の工程コストが下がり、見積もり全体の圧縮につながる。
ODMメーカーを探すとき、多くの企業は「価格」「納期」「実績」だけで判断しがちです。
しかし、実際には 「技術力」「品質管理」「知財対応」「対応言語」など複数の要素を総合的に評価することが重要です。
ここでは、国内外のODMメーカーの特徴を比較しながら、効果的な探し方と比較のポイントを解説します。
国内メーカー vs 海外メーカー(比較表)
ODMメーカーは、日本国内だけでなく、アジアや欧州など海外にも多数存在します。
どちらを選ぶかは、製品分野・コスト・納期・品質基準によって最適解が異なります。
| 項目 | 国内ODMメーカー | 海外ODMメーカー |
|---|---|---|
| 言語・商習慣 | 日本語での対応が容易。法務・契約も国内基準。 | 英語・中国語での交渉が必要。契約文化が異なる。 |
| コスト | 製造コストは高めだが品質が安定。 | コスト競争力が高い。為替・物流費で変動あり。 |
| 納期 | 試作・量産ともリードタイムが短い。 | 通関・輸送を含めると長期化傾向。 |
| 品質管理 | QMS・検査体制が整備されており、監査対応も柔軟。 | 品質ばらつきあり。現地監査・サンプル評価が必須。 |
| 知財リスク | 契約法務・NDA管理がしやすい。 | 契約次第ではリスクあり。法域の確認が必要。 |
| MOQ(最小ロット) | 小ロット・試作対応が柔軟。 | 大ロット前提の条件が多い。 |
| 対応業界 | 医療・化粧品・食品など規制業界に強い。 | 電子機器・雑貨・家電など大量生産系に強い。 |
探す方法(展示会/業界ポータル/紹介/自社調査)
ODMメーカーを効率的に探すには、複数の情報源を組み合わせるのが鉄則です。
ここでは代表的な4つの探し方を紹介します。
① 展示会・見本市を活用する
・代表例:ものづくりワールド、JAPAN PACK、化粧品開発展など。
・メリット:製品を実際に確認でき、担当者と直接商談することができます。
・ポイント:展示内容・保有技術・生産設備をその場で確認し、課題を解決してくれそうな方とは後日商談を行えます。
② 業界ポータルサイト・BtoBマッチングサイト
・代表例:iPROS(イプロス), 日経テレコンBIZ, 食品OEM.jp, ものづくり.com など。
・メリット:企業情報・技術分野・導入事例を比較しやすいです。
・ポイント:掲載順位だけでなく「更新日・業界実績・得意分野」を確認項目として加えた方が良いでしょう。
③ 業界ネットワーク・紹介
・仕入先・業界団体・元メーカー出身者からの紹介は信頼性が高いです。
・特に同業界内の紹介は、品質・対応スピードの精度が高いです。
④ 自社による直接調査
・Web検索で「〇〇 ODM」「〇〇 OEM」「ODM 事例」などのキーワードで探索。
・LinkedIn・海外展示会サイト・商工会議所名簿なども活用可能。
・海外ODMはAlibaba・Global Sources・Made-in-China.comなども参考になります。
比較すべき7項目(技術・納期・MOQ・認証・言語・実績・知財対応)
ODMメーカーを比較する際は、以下の7項目をチェックすることで失敗を防げます。
| 比較項目 | 確認ポイント | 評価の目安 |
|---|---|---|
| 技術力 | 設計・回路・機構・材料技術の専門性 | 試作提案の質・スピードで判断 |
| 納期管理 | 試作〜量産までのスケジュール精度 | 実績データ・進捗報告体制 |
| MOQ(最小ロット) | 初回ロット条件・段階的発注可否 | 小ロット柔軟性が高いほど◎ |
| 認証対応 | ISO・GMP・PSE・RoHS等の保有状況 | 証明書・更新履歴の提示 |
| 言語・サポート | 日本語/英語/中国語対応スタッフの有無 | 日本語窓口または代理店があると安心 |
| 実績・顧客業界 | 過去の製品ジャンル・OEM/ODM比率 | 類似業界の実績数を確認 |
| 知財・契約対応 | NDA・金型所有権・特許管理 | 契約書テンプレと柔軟な交渉姿勢 |
実務ヒント
比較表を自社で管理する際は、Excelなどでスコア化(例:5段階評価×7項目=合計35点)すると、客観的に判断できます。
ODM側の回答に抜けがある項目は「リスクあり」と明記しておくと後工程で役立ちます。
ODMメーカーは、業界ごとに求められる技術・認証・納期・リスクが大きく異なります。
ここでは、化粧品業界、食品業界、健康食品業界におけるODMの特徴と注意点を整理します。
これを理解しておくことで、業界特有の落とし穴を回避し、最適なODMパートナーを選定できるようになります。
化粧品
化粧品ODMは、法規制と品質基準の遵守が最も重要な分野です。
処方開発から充填・包装・出荷まで一貫対応できるODMメーカーを選ぶことで、
スピーディーな商品化が可能になります。
特徴
・ODM側が処方開発・試作・安定性試験・容器提案を一括管理
・薬機法(旧薬事法)・化粧品基準・成分表示など法的知識が必須となります。
・工場はGMP/ISO22716に準拠していることが信頼の条件です
・容器・パッケージのデザイン提案もODMが主導するケースあり
注意点
・成分処方・容器デザインの知的財産権の帰属を契約で明確化
・海外輸出時はINCI表記・輸出国規制(FDA, EU化粧品規則など)にも対応が必要
・小ロット充填ではコストが割高になるため、MOQ条件を初期に確認
目安:新処方開発〜量産までの期間は4〜8か月前後となります。。
処方流用なら2〜3か月で立ち上げ可能です。
アパレル
アパレル分野のODMは、素材調達力とデザイン提案力が競争軸です。
特に近年は小ロット生産・短納期の需要が高まり、柔軟な生産体制をもつODMメーカーが重視されています。
特徴
・ODM側がトレンド提案・デザイン画作成・パターン設計を実施
・素材の調達・染色・縫製まで一貫対応する総合型ODMが増加
・シーズンごとのコレクション提案や展示会対応が得意
注意点
・縫製工場の外注比率が高いため、生産ロットや納期の変動リスクがあります。
・サンプル品と量産品の品質差を防ぐため、検品体制の確認が必須です。
・商標・デザイン登録の扱いを契約に明記する必要がございます。(特に海外ODM)
目安:企画〜量産まで3〜6か月となります。
小ロット対応ODMでは、1型100枚〜300枚程度からの対応も可能です。
食品
食品ODMでは、安全性・衛生管理・法令遵守が中心テーマになります。
製品設計だけでなく、製造工程の衛生基準や賞味期限設定もODMの品質に直結します。
特徴
・製品開発(レシピ設計)〜製造〜包装までの一貫体制
・HACCP、ISO22000、FSSC22000などの衛生認証を取得している工場が主流
・賞味期限・保存方法・容器素材の設計支援まで行うODMもある
・原材料の産地・添加物管理が厳格に求められる
注意点
・製造許可区分(菓子/清涼飲料/健康食品など)を事前確認
・成分表示・栄養成分分析・アレルゲン表示の責任範囲を明確化
・賞味期限設計試験の実施有無と試験データの保管を確認
目安:レシピ確定〜初回ロット出荷まで2〜6か月となります。
健康食品や機能性表示食品は、申請期間を含め半年〜1年が一般的です。
日東食品工業(粉末食品)

粉末飲料・スープ・だしなどの粉末形態に強い受託メーカー。
レシピ企画から配合設計、試作、量産、充填・包装までワンストップで任せられます。
粉末専業であるため工程設計が早く、スピード試作や安定した量産立ち上げに定評があります。
小規模テストから量産スケールまで拡張でき、ECと卸の両面で的確なご提案をいたします。
味づくりと歩留まりのバランスも取りにいく実直なものづくりが持ち味です。
・得意:粉末飲料・スープ・調味粉末
・強み:粉末特化のライン設計/小回りの良さ
・最低ロット:粉末100kg〜(目安)
画像参照元サイト:日東食品工業の公式サイト
門井商店(調味料・ソース)

ラーメンのスープや焼肉のたれ、万能ソースなど液体調味のODM/OEMを手がける老舗。
味の方向性をヒアリングし、原材料の選定から配合、粘度・色味の微調整まで
売れる味にチューニングしていきます。
小ロットの試作/検証から店頭・EC向けの定番立ち上げまで段階的に伴走します。
ラベル・ボトルの提案や法規チェックまで一通り頼れるので、初めての自社PBにも向きます。
・得意:液体調味・ソース
・強み:ODM/OEMの両対応/短距離での味決め
・最低ロット:約100kg〜(目安)
画像参照元サイト:門井商店の公式サイト
K’s Factory(レトルト・瓶詰)

カレーやスープなどのレトルト、ジャムや調味ソースの瓶詰めを
200個〜の極小ロットで立ち上げることができます。
まずは売れ筋を探る検証ロット⇒改良⇒本番ロットへ段階的にスケールさせたい企業様から評価を頂いております。
工程を手作業で丁寧に回すため、複雑な具材や限定レシピでも細かい再現がしやすいのが強みです。
価格感の目安も公開されており、原価設計が組みやすい点も実務で助かります。
・得意:レトルト(カレー/スープ等)、瓶詰
・強み:200個〜の検証ロット/価格目安あり
・最低ロット:200個〜
画像参照元サイト:K’s Factoryの公式サイト
戸田乳業(乳飲料・発酵飲料ほか)

ミルクを使った飲料・発酵飲料の企画から製造まで対応できます。
小規模からでも相談しやすく、2,000本〜の最小ロットでスタートできます。
乳系ならではの加熱条件や風味の維持、分離対策など、
落とし穴を踏みがちな論点を実務でケアしつつ、パッケージも合わせて提案します。
喫飲シーンに合わせた味設計や糖度・酸度の最適化など、売れる味づくりに手堅く寄り添うメーカーです。
・得意:乳飲料・発酵飲料
・強み:最小ロット2,000本/乳系の安定化ノウハウ
・最低ロット:2,000本〜
画像参照元サイト:戸田乳業の公式サイト
セントラル・コーポレーション

スキンケア中心に、コンセプト策定⇒処方設計⇒試作⇒薬機対応⇒量産までを
ワンストップで対応できます。
まずはスモールで市場検証を回したいブランドに向けて、100個〜の小ロットでも対応できます。
原価設計や販促までビジネス目線で伴走する点が評価されています。
幹細胞エキスなど話題成分も扱い、スピードと差別化の両立を狙える一社です。
・得意:スキンケア全般
・強み:100個〜の小ロット/実務的な原価設計支援
・最低ロット:100個〜
画像参照元サイト:セントラル・コーポレーションの公式サイト
LOTTZ(ロッツ)

処方+デザイン+資材の一体提案が得意なトータルプロデュース型のODMメーカーです。
化粧水・クリームなど100個〜で立ち上げでき、容器・箱・販促物まで対応することができます。
試作のレスポンスが速く、D2Cの立ち上げ~改良のPDCAを回したいというニーズがある
D2C・通販企業様にとって頼れる伴走型メーカとなります。
小さく始めて当たりを探し、ヒット後にスケールする設計がしやすい会社です。
・得意:スキンケア、ヘアケア、パッケージ提案
・強み:処方×デザイン一体提案/100個〜
・最低ロット:100個〜
画像参照元サイト:LOTTZ(ロッツ)の公式サイト
コスメインターナショナル

国内外向けの輸出書類サポートまで含めて処方〜量産を一気通貫にて
100個〜の小ロットに対応することができます。
スキンケア/ヘアケア/メイクまで幅広く相談できます。
並行して海外展開を視野に入れたいブランドや、
多品種少量のラインナップで揃えたいニーズがある場合、最適な化粧品ODMメーカーの1社となります。
まずは小さく市場検証→勝ち処方を磨く運用がしやすい体制です。
・得意:スキンケア/ヘアケア/メイク
・強み:100個〜/海外書類サポート
・最低ロット:100個〜
画像参照元サイト:コスメインターナショナルの公式サイト
ウィル・グラン化粧品

スキンケアのODM/OEMを主軸に、500本〜での小ロットに対応しております。
原料の選定〜処方、容器・意匠の調整まで現実解で詰めてくれる実務力が魅力です。
美容室・サロン由来のプレミアムラインを小さく始め、
需要を見ながら段階的に拡大したいブランドに相性良しです。
納期とコストの線引きを早期に共有してくれるため、企画段階から動きやすい一社です。
・得意:スキンケア全般
・強み:500本〜の明記/実装フェーズの段取り力
・最低ロット:500本〜
画像参照元サイト:ウィル・グラン化粧品の公式サイト
SUNAO製薬

錠剤・カプセル・顆粒など幅広い剤形に対応しております。
配合設計や法規対応、GMP/ISO対応工場での量産まで一連で任せられます。
最低ロットは1,000個以下を目安としつつ、
剤形に応じて打錠30kg〜/カプセル5万粒〜/顆粒30kg〜の具体的な目安となります。
まずは小さく検証したいEC/D2Cの立ち上げや、機能性表示の申請準備まで含めた相談にも向きます。
・得意:錠剤・カプセル・顆粒
・認証:GMP/ISO系工場で製造可
・強み:小ロットの柔軟対応/法規サポート
・最低ロット:打錠30kg〜/カプセル5万粒〜/顆粒30kg〜(目安)
画像参照元サイト:SUNAO製薬
アピ(リトルPETドリンク)

機能性・美容系の“飲むサプリ”をリトルPET(50/65/100ml)で量産できる国内大手メーカーです。
食品安全規格FSSC22000のもとで、最小ロット30,000本となります。
大量生産の安定品質、容器・包装仕様の選択肢が豊富で、
テレビショッピングや量販向けの拡販にも耐えられる体制です。
ドリンク系で本格的に攻めたい中〜大規模案件に強いです。
・得意:清涼飲料(機能性・美容ドリンク等)
・認証:FSSC22000
・強み:充填300本/分の高い生産性
・最低ロット:30,000本〜(50/65/100ml)
画像参照元サイト:アピの公式サイト
タンポポ産業(瓶入り健康・美容ドリンク)
昭和29年創業、ガラス瓶入り飲料に特化したOEM/ODMメーカーです。
企画〜試作〜量産までを対応することができます。
小容量ショットから中容量まで対応レンジが広く、
健康・美容ドリンクのまずはやってみるを現実的な条件で支えます。
50ml×10,000本/500ml×1,000本の最小ロット目安があるため計画が立てやすいのも実務的です。
・得意:瓶入り健康・美容ドリンク
・強み:小〜中ロットの段階立ち上げ
・最低ロット:50ml×10,000本/500ml×1,000本(目安)
画像参照元サイト:タンポポ産業の公式サイト
磯田園(健康茶・ハーブティー)

日本茶・健康茶・ハーブティーのODMメーカーです。
味づくりの方向性を決め、茶葉ブレンドや粉末化、ティーバッグ加工まで一気通貫で対応。
「最小1kgまたは100袋」という極小ロットから立ち上げられるので、
D2Cでのテスト販売やギフト需要の検証にも最適です。
資材や物流まで面倒を見てくれる“ワンストップ・スモールスタート”の代表格。
・得意:健康茶・日本茶・ハーブティー(茶葉/粉末/ティーバッグ)
・強み:1kg/100袋〜の極小ロット/資材・物流まで支援
※茶以外の剤形は対象外
・最低ロット:1kg または 100袋〜
画像参照元サイト:磯田園の公式サイト
本記事では、ODMの仕組みをOEM・EMS・OBMとの違いから整理し、契約や知的財産の考え方まで実務目線で解説しました。
メーカー選びの基準(設計力・品質・認証・コスト・言語対応)や費用の見方、
開発工程(EVT→DVT→PVT)の流れを具体的に紹介しております。
国内の食品・化粧品・健康食品ODMメーカーを最小ロット付きで厳選し、
比較表とRFPテンプレートで初めての発注を支援します。
交渉術やコスト削減のコツ、リスク回避チェックリストまで網羅した“実務で使える完全ガイド”です。