展示会とは、企業が製品やサービスを来場者に対して紹介・提案するイベントであり、情報発信や商談、業界交流などを目的に開催されるビジネスの場です。BtoB企業にとっては、新規顧客の獲得や業界での存在感向上に有効なマーケティング手法の一つとなっています。
ここでは、「展示会とは何か」という基本的なことから出展準備の進め方、当日の運営ポイント、成果の測定方法、デジタル技術の活用戦略まで解説させていただきます。
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展示会とは、企業が製品・サービスを展示し、商談やPRを行うイベントです。ただ商品を並べる場ではなく、見込み客と直接交流しニーズを探ったり、取引につなげたりする場となります。業界最新動向の発信や情報交換の場としての役割も果たします。
展示会は主催者(イベント運営者)、出展者(ブース出展企業)、来場者(バイヤーや業界関係者、一般消費者)といった立場の人々が関与します。それぞれの立場で目的が異なり、出展者は商談機会の創出、来場者は情報収集や購入検討が主な目的です。メディアや業界団体が訪れて最新情報を発信する場にもなります。
展示会には企業間取引を目的としたBtoB向けの展示会(例:産業見本市)と、一般消費者にアピールするBtoC向けの展示即売会(例:〇〇フェア)があります。BtoB展示会では業界の専門家や購買担当者が来場し、商談や技術情報の交換が行われます。一方、BtoC展示会では消費者がその場で商品を体験・購入できるイベント性が重視されます。
次に、展示会にはどんな種類があるのかを把握します。自社に適した展示会を選ぶためにも、代表的な展示会の形式や特徴を理解しておいたほうがよいかもしれません。
ここでは開催目的や規模の違いによる主なタイプを紹介し、それぞれの特徴と活用法を解説させていただきます。
合同展示会(総合見本市)
複数企業が集まり共通のテーマで開催される大規模展示会です。業界全体の最新製品・技術が一堂に会するため、ビジネスマッチングや比較検討の場として有効です。来場者はそのテーマに関心の高い企業担当者が中心で、新規取引の商談が活発に行われます。幅広い見込み客にアプローチできる反面、競合他社も多数出展するため自社の差別化策が重要になります。
展示即売会・販促イベント
主にその場で商品販売を目的とした展示会です。消費者向けの○○フェアやブランドのセールイベントなどが該当し、来場者は購入意欲の高い一般客が中心です。割引販売や限定商品の提供によって集客し、売上直結の効果が期待できます。
プライベートショー(自社主催展示会)
特定の企業またはグループが自社単独で開催する展示会です。招待客(取引先や顧客)を対象に、新商品発表会や技術説明会として行われるケースが多く、自社ブランドのファンづくりや関係強化に有効です。開催にあたっては、自社で集客から会場準備まですべて行う必要があります。
一般公開ショー(パブリックショー)
一般来場者にも開放された大規模展示会です。例えばモーターショーや◯◯博のように、専門日(ビジネスデー)と一般日を分けて行うケースもあります。最新製品の展示やデモを通じて幅広い層にアプローチでき、メディア露出も高いイベントです。
ただし、開催規模が大きく来場者も多岐にわたるため、自社のターゲット層を見極めた訴求をしないと埋もれてしまう可能性があります。また一般向け展示会では入場料収入が主催者の収益源になるなど、ビジネスモデルもBtoB展示会と異なります。
上記のように展示会には様々な形式がありますが、出展効果を最大化するには自社の目的やターゲットに合致した展示会を選ぶことが重要です。
業界分野・来場者層・開催地域・規模感などを比較検討し、自社の商品やサービスに関心を持つ見込み客が多く集まりそうなイベントを選びましょう。また過去の開催実績や来場者数のデータ、主催者の情報提供(出展社募集要項等)を確認し、期待できるROI(費用対効果)に見合う展示会か見極めることも大切です。
企業が展示会に出展するメリットとして以下になります。
新規リード獲得と商談機会の創出
展示会には、自社の商品分野に関心を持つ見込み顧客が多数来場します。ブースで製品デモや説明を行い直接対話することで、新たな顧客との接点を作り、見積依頼や契約など具体的な商談に発展させるチャンスがあります。一度に多くの潜在顧客と出会えるのは展示会ならではのメリットとなります。
ブランド認知度の向上
大勢の来場者が集まる展示会に出展することで、市場における自社の存在感をアピールできます。ブースのロゴや製品パネルが目に触れるだけでも社名やブランドを認知してもらう機会となり、知名度が向上する可能性が高くなります。新興企業や新製品の場合、効率よく市場への露出を図れるプロモーション手段と言えます。
また対面で丁寧に応対することで、企業への信頼感や好印象を与えやすいのもメリットです。
市場調査・競合分析
多くの競合他社や業界プレイヤーが集まる場でもあるため、マーケットリサーチの好機でもあります。来場者の反応から自社製品へのニーズや評価を掴んだり、競合各社の展示内容や新技術の動向をチェックできます。展示会場を一巡するだけで業界トレンドが把握できることから、今後の自社の商品開発やマーケティング戦略立案にも役立ちます。さらに、会場には業界メディアや有識者も訪れるため、自社に有益なネットワーク形成や情報収集にもつながります。
メディアへの露出・PR効果
大きな展示会ではテレビ・新聞・Webメディアなどが取材に訪れ、新製品やユニークな展示はニュースとして取り上げられることもあります。プレスリリースの配布やメディア対応を通じて、自社のPRを広範囲に発信できるチャンスです。展示会での発表内容がきっかけで専門誌に掲載されたり、オンライン記事で拡散されれば、展示会の会場を超えてさらなる認知拡大が望めます。
展示会出展には下記のようなコストやリスクもあるため事前に考慮しましょう。メリットだけでなくデメリットも理解し、対策を練ることが重要です。
多大なコストが発生する
展示会出展にはまとまった予算が必要です。主な費用項目として、ブース出展料(小間料)、ブース施工や装飾費、展示什器や機材レンタル費、パンフレット・カタログなど配布物制作費、スタッフの交通宿泊費、ノベルティ費、さらには事前の宣伝費など、多岐にわたります。これらのコストに見合う効果を得るには綿密な計画が必要であり、出展を検討する際は費用対効果をシビアに見極める必要があります。
準備に時間と労力を要する
大規模なプロジェクトである展示会出展は、企画立案から当日運営、事後対応まで長期にわたる準備作業を伴います。社内の営業・マーケティング担当だけでなく、場合によっては開発部門やデザイナーなど複数部署の協力が必要です。
初めての場合どこから手を付けてよいか悩むことも多く、通常業務と並行して進める負担は小さくありません。十分な準備期間を確保しないと、当日の運営に支障が出たり、せっかくの機会を十分に活かせない恐れがあります。
ここからは、実際に展示会へ出展する際の具体的な準備ステップについて解説します。初めて出展する企業にとっては、何をいつまでに準備すればよいか分かりづらいものです。以下のポイントを押さえてください。
出展目的を決める
準備の第一歩は「なぜ出展するのか」を明確にすることです。新規○件の商談創出、〇〇商品の認知度向上〇%、既存顧客○社との関係強化など、具体的な目標指標(KPI)を設定しましょう。目的が明確になれば、どの展示会に出るか・どのようなブース企画にするかなど後続の判断がぶれなくなります。チーム内で目標を共有し、出展後に何をもって成功と評価するかの基準も事前に決めておきます。
全体スケジュールを策定する
展示会出展は準備項目が多岐にわたるため、逆算したスケジュール計画が欠かせません。出展検討は開催日の半年前〜数ヶ月前から始め、出展申し込み期限や公式案内への掲載締切など重要日程を洗い出します。
そこからブース設計の締切、制作物入稿日、機材手配やスタッフアサイン時期、事前集客施策の実施時期、当日の段取り確認日など、やるべきことをカレンダーに落とし込みましょう。プロジェクト管理シートやツールを使ってタスクと担当を明確にし、定期的に進捗を確認するとよいでしょう。
予算計画とコスト管理
早い段階で予算立てを行い、出展にかかる費用を可視化しておきます。想定されるコスト項目を洗い出し、大まかな見積もり額を算出します(ブース費用〇円、装飾〇円、印刷物〇円、交通費〇円…など)。
予算配分の優先順位も決めましょう(例えば「ブースは簡素でも集客施策に費用をかける」等、自社方針を明確に)。
出展申し込み・ブース位置確保
出展を決めたら主催者への申込手続きを行います。人気展示会では早期申込特典や希望小間位置の優先権がある場合もあるため、要項をよく確認し期限内に申し込みましょう。ブース位置は来場者の導線や目立ちやすさに影響します。可能であれば**集客力の高い場所(入口近く、メイン通路沿いなど)**を確保したいところです。与えられたブースの広さ・形状に応じて、後述のレイアウト計画を具体化していきます。
関係各所との調整
展示会の準備は、自社内外で多くの関係者との連携が必要です。社内では営業部門とマーケ部門が密に協力し、社内デザイナーからのサポートなども必要となってきます。社外ではブース施工業者、デザイン制作会社、レンタル機材業者、運送会社などとの打ち合わせが比津町となってきます。
各依頼先への発注内容や期日を整理したリストを作り、漏れのないよう管理しましょう。ブース装飾や印刷物の発注は余裕を持ったスケジュールで進め、直前の修正が生じないよう早め早めの確認・校正を心がけます。
事前準備チェックリスト
準備段階の終盤には、必要なものがすべて揃っているかチェックリストで最終確認します。展示物(製品サンプル、デモ機材)、配布物(パンフレット、名刺、ノベルティ)、当日使用する備品(筆記用具、名刺入れ、テープ類、延長コード等細々した物)、スタッフ用のユニフォームや名札、来場者記録用のリードシート/スキャナ、などをリストアップし、不足があれば早急に手配します。またブースでのトーク練習や当日の役割リハーサルも事前に行い、万全の体制で本番を迎えましょう。
展示会で成果を上げるには、「当日どれだけ見込み客にブースに来てもらえるか」が重要です。せっかく出展してもターゲットとなる来場者が立ち寄ってくれなければ始まりません。そこで、事前の集客施策にも注力しましょう。出展準備段階で計画すべき来場誘致のためのプロモーションについて解説します。
既存顧客・見込み客への案内
まず、自社の現在の顧客や商談中顧客に対して、展示会出展の案内を出します。DMやメールマガジンなどで、「〇月〇日開催の△△展示会に出展します。ぜひ弊社ブースへお立ち寄りください」と周知しましょう。特にキーアカウントの顧客には個別に電話で案内し、来場を働きかけます。「当日新製品をご紹介します」「粗品をご用意しています」等、来て損はないと思ってもらえるメッセージを添えることがポイントです。
オンラインでの告知拡散
自社ウェブサイトや公式SNS、プレスリリース等を活用して広く告知してください。自社サイトには展示会名やブース番号、出展内容も合わせて掲載します。SNSでは出展準備の様子や目玉展示のチラ見せ画像を投稿し、ハッシュタグ(#展示会名など)を付けて関心層にリーチします。
広告予算があればFacebookやLinkedInなどで業界ターゲットに絞ってイベントを告知するために広告を出すことも効果的です。また主催者が提供する出展社紹介ページやメールニュースがある場合は、そこにも魅力的な紹介文を掲載し、公式の集客力もフルに活用しましょう。
誘客のための工夫
「このブースに行ってみたい」と来場者に思わせる仕掛けも有効です。例えば事前登録特典として名刺交換いただいた方に○○をプレゼント、といったインセンティブを告知しておけば、興味を持った見込み客の来場を促せます。
また展示会公式サイトの出展社一覧で目立つよう、アイキャッチ画像やキャッチコピーを工夫するのも手です。さらに当日行う予定のミニセミナーやデモイベントのタイムテーブルを事前に公表し、「〇時から新製品ライブデモ実施!」などとアピールすると、それを目当てにブースに足を運んでもらえます。来場者の関心を惹く情報提供を積極的に行い、事前期待値を高めておきましょう。
展示会当日に来場者の目を引き、足を止めてもらうためには、ブースのデザインや展示内容の工夫が欠かせません。限られたスペースの中で自社の魅力を最大限伝えるために、どのようなブース設計・演出を行うと良いかポイントを紹介します。デザイン面と展示コンテンツ面、それぞれの観点から成功のコツをまとめます。
ブースレイアウトとデザインのポイント
ブースは来場者にとっての「第一印象」を決める重要な要素です。遠目にも目立ち、近くに来たら立ち寄りやすいブース作りを意識しましょう。
シンプルで統一感を持たせつつ、キャッチコピーや大型ビジュアルで注目を集めましょう。
ブース内のレイアウトはオープンで人が入りやすい動線を確保します。壁やカウンターを前面に出しすぎず、通路から中が見渡せる開放感を出すことが大切です。
興味を引く展示物は前面に配置し、スタッフも入口付近に立って笑顔で迎えることで、来場者が声をかけやすい雰囲気を作ります。 スペース有効活用と導線: 裏方の荷物置き場や商談スペースなど機能面も考慮しつつ、来場者が自然と奥まで回遊できる導線を設計します。
立ち止まりやすいポイントにインフォメーションパネルを置く、混雑時でも窮屈にならない動線幅を取る、といった配慮が満足度向上につながります。
展示コンテンツと実演方法の工夫
ブースで何を見せるか、どのように体験してもらうかも成功のカギです。ただパンフレットを並べるだけでなく、来場者の興味を引き付け記憶に残る演出を考えましょう。
例えば、体験型コンテンツ(操作体験、ミニゲーム等)を用意できれば、他の来場者が体験しているシーンを見ることによって、ブースに訪問したくなるかも知れません。
また、ホワイトペーパーや事例集など読み応えのあるコンテンツを用意し、名刺と引き換えに提供すると見込み度の高いリード情報を得やすくなります。
ブースに人を呼び込み、記憶に残ってもらうためにノベルティ(粗品)やイベントを活用するのも定石です。来場記念として手渡すグッズは、単なるパンフレット以上に企業の印象を植えつけることができるツールです。自社ロゴ入りの実用的な小物(ボールペン、付箋等)や、話題性のあるオリジナルグッズを用意しましょう。
できれば自社製品や業界に関連したユニークな品だと、「〇〇社でもらった○○が面白かった」と後で思い出してもらえます。
抽選会やプレゼント企画など、ブース内での簡単なイベントを実施するのも集客に効果があります。例えば「アンケートに答えて○○を当てよう!」といった参加型企画を告知すれば、人が集まりやすくなりブースが賑わいます。
その際アンケート回答と引き換えに名刺情報を入手するなど、リード獲得と組み合わせることもできます。周囲のブースとの差別化にもなるため、自社のリソースで無理なくできる工夫を考えてみましょう。
入念な準備を経て迎えた展示会当日。当日のブース運営がスムーズかつ効果的に行えるかどうかで、最終的な成果が大きく左右されます。当日は限られた時間の中で最大限の商談機会を創出するべく、スタッフ一丸となって臨みましょう。ここでは、来場者対応や商談を成功させるために当日意識すべきポイントを紹介させていただきます。
スタッフの役割分担と配置
開場前にブーススタッフ全員で最終打ち合わせを行い、役割と配置を確認します。誰が来場者の受付対応をするか、誰が説明に当たるか、誰が商談やクロージングを担当するか、さらにアンケート回収や資料補充係なども決めておきましょう。
例えば「受付担当:来場者への声かけ・名刺受け取り」「説明担当:製品デモと質疑応答」「商談担当:具体案件の相談対応」「記録担当:名刺情報のメモ・アンケート依頼」など明文化します。
スタッフが適材適所に配置されスムーズに動ける体制が整えば、来場者を待たせたり対応が漏れたりするリスクを減らせます。交代要員や休憩スケジュールも決め、全員がベストコンディションで臨めるよう調整しましょう。
来場者へのアプローチ
ブースに立ち寄った方や周辺で興味を示している方には、積極的かつ自然なアプローチを心がけます。笑顔でアイコンタクトし、「こんにちは、○○にご関心ありますか?」など相手が答えやすい声かけをしましょう。
事前に用意した簡潔なヒアリング質問(「どのような課題をお持ちですか?」等)を投げかけることで、相手のニーズを引き出しつつ会話に引き込みます。説明は長々と独演会にならないよう注意し、相手の反応を見ながら双方向のコミュニケーションを意識します。
短時間で自社の強みを伝えるためのトークスクリプトやデモ手順は事前練習通りに実施しつつ、相手の興味に合わせて柔軟に内容を強調したり省略したり調整できると理想的です。また、複数名のグループで来訪した場合は全員に目配りして話を振るなど、一人でも多くの方に納得いただける対応を心がけます。
効果的な商談・プレゼンテーション
商品説明の際は、ただ機能説明を列挙するだけでなく相手の課題解決にどう役立つかを意識して話します。可能であればブース内で短いプレゼンテーションやライブデモの時間を設け、まとまった情報提供を行うのも効果的です(「毎時〇〇分から新製品紹介デモを実施します」等のアナウンス)。
周囲には競合他社のブースも並んでいるため、他社にはない強みや差別化ポイントを明確に示すことも重要です。「当社は国内シェアNo.1です」「唯一〇〇技術を採用しています」といった訴求や、実績・導入事例を紹介して信頼感を高める工夫を盛り込みましょう。
また商談見込み度の高い来場者とは、その場で次のアクション(後日の訪問アポイントや詳細提案の約束)まで取り付けるのが理想です。もし難しければ、「近日中にフォローご連絡いたします」と約束し、必ず名刺を交換しておきます。短い対話の中でも次につながる布石を打つことを意識しましょう。
リード情報の収集と管理
来場者対応に追われる中でも、接触した見込み客の情報を確実に記録することが重要です。名刺をいただいたら名刺ホルダーにしまい込むだけでなく、その裏に会話内容や相手の興味関心、案件見込み度(A/B/Cなどランク)をスタッフがメモしておきます。
最近はスマホやタブレットで名刺を撮影してデータ化したり、QRコード読み取りで連絡先を取得できるシステムもありますが、方法はアナログでも構いません。大事なのは誰がどの顧客と何を話したか後で追跡できるようにすることです。
ブースが混雑して手が回らない場合に備え、アンケートフォームを用意して自主的に興味度合いや要望を書いてもらう仕組みも有効です(回答者にはノベルティを渡すなど協力促進)。集まった名刺やアンケート用紙は紛失しないよう一箇所に集め、休憩時間や終了後にリード情報を整理しておきます。優先度の高い見込み客にはマーキングしておくなど、フォローしやすい状態にまとめることが当日中にやっておきたいポイントです。
展示会は出展して終わりではありません。終了後のフォローアップこそが商談成約につながるかどうかの分かれ目です。熱気冷めやらぬうちに適切な対応を取ることで、せっかく得たご縁を確実に次のビジネスへ結実させましょう。また、出展の成果を客観的に評価し今後に活かすことも重要です。この章では、展示会終了後に行うべきフォロー施策と効果検証のポイントを解説します。
迅速かつ丁寧なお礼・フォロー連絡
展示会終了後はできるだけ早く、ブースにお立ち寄りいただいた方へのお礼連絡を行います。お礼メールを送る場合、単なる御礼だけでなく展示会で話題に上がったポイントや提供した資料をおくります。
名刺交換した見込み客には営業担当から個別に電話やメールで改めてコンタクトし、興味度合いの高かった方とはできれば早期に商談の場を設定します。
注意事項として、展示会後のフォローにおいてスピードが命です。展示会後数日以内には何らかの連絡が届くよう計画し、「展示会で御社ブースに行ったが放置された」という事態を避けましょう。
商談育成と営業連携の強化
フォロー連絡後、見込み客とのコミュニケーションを継続し、実際の商談・受注へと育てていきます。展示会で名刺交換したお客様に対し、ニーズに合わせた提案資料や見積を準備して具体的な商談に入ります。
営業担当とマーケ担当が情報を共有し、優先度の高いリードから順に訪問やオンライン商談のアポイントを設定します。展示会特有の「熱」が冷めないうちに課題ヒアリングから提案まで一気通貫で進めることが肝心です。
また、展示会来場者の中には今すぐ案件化しなくても将来的に有望な長期フォロー案件も含まれます。そうしたリードには定期的なニュースレター送付や次回イベントへの招待など、中長期のナーチャリング施策も講じて関係を切らさないようにします。
最後に、展示会出展を検討する企業担当者から寄せられがちな質問とその回答をまとめました。疑問点を解消し、不安なく準備を進める参考にしてください。
Q1. 展示会に出展するにはどれくらいの費用がかかりますか?
A. 出展規模やブース装飾の度合いによって大きく異なりますが、小間料(スペース代)と基本装飾だけでも数十万円規模になることが多いです。さらに見栄え良く装飾しようとすると200万円以上の費用が発生するケースもあります。
一般的な目安として、3m×3m程度のブースの場合、装飾・備品レンタル込みで50~150万円程度、加えて人件費・旅費や販促費用が別途かかります。事前に費用項目を洗い出し、予算計画を立てておくことが重要です。
Q2. 初めて展示会に出展する予定ですが、何から手を付ければいいでしょうか?
A. まずは出展の目的と目標(KPI)の設定から始めましょう。何を得るために出展するのか定まれば、次にどの展示会に出るか、どんなブースにするかが決めやすくなります。その後、大まかなスケジュールを作成し、社内体制の確保や予算承認を進めます。
初出展の場合は不明点も多いと思いますので、展示会主催者から提供される「出展マニュアル」を熟読し、必要な手続きを一覧化すると良いでしょう。同時に信頼できるブース施工会社や展示会サポート企業に相談し、プロの知見を借りながら準備を進めるのもおすすめです。
Q3. 展示会の効果はどのように測定すればいいですか?
A. 一般的には名刺獲得数や商談件数が分かりやすい指標となります。ただし本当の効果はその後の受注につながって初めて実現するため、展示会後も追跡して受注金額や受注率を計測しましょう。具体的には、「展示会経由で○ヶ月以内に発生した商談○件、そのうち受注○件で売上○円」といった形で集計します。
また新規リードだけでなく既存顧客との関係強化(例:展示会後に追加受注があった等)も効果の一つです。定性的な成果としてはブランド認知の向上や市場からのフィードバック獲得などもありますが、社内説明には定量データが有用ですので、先述のKPIに沿って数値化を行うようにしてください。
Q4. 展示会以外の手段と比べて本当に出展する価値はありますか?
A. 得られる価値の種類が他施策とは異なるため、一概に優劣を比較できませんが、展示会には展示会ならではの価値があります。
例えば、オンライン広告であれば費用対効果が明確でリードを獲得することはできますが、直接対話による信頼醸成や偶発的な出会いは生まれにくいです。
展示会ではその場で相手の表情や反応を見ながら提案を調整でき、人間関係構築がしやすいという大きなメリットがあります。また普段アプローチが難しい大手企業のキーマンと名刺交換できるチャンスがあるのも展示会の魅力です。
Q5. 将来的に自社でプライベート展示会(自社主催イベント)を開催することは可能でしょうか?
A. 可能ではありますが、相応のリソースとノウハウが必要です。出展者として参加する場合と異なり、主催する側になると会場手配、集客プロモーション、複数社が参加するなら出展社募集や運営事務局業務など、求められるタスクは膨大です。
ただし、自社主催イベントを開けば完全に自社のターゲットだけを集めて深い訴求ができるなどメリットも大きいです。まずは小規模なユーザー向け内覧会や勉強会などから始め、徐々に規模を拡大していくと経験値を積めます。
また最近では展示会主催向けの支援ツールも充実してきています。たとえば出展社募集・管理から来場者受付まで一括で運用できるシステムを使えば、少人数でも効率的にイベント主催が可能です。自社のファンコミュニティを広げる施策の一環として、将来的な選択肢に入れてみるのも良いでしょう。
展示会出展は決して簡単な取り組みではありませんが、適切に計画・実行すれば新たなビジネスチャンスを切り開く有力な手段です。本記事で解説したように、まずは展示会の基礎を理解し、自社の目的に合ったイベント選びと入念な事前準備を行うことが成功への第一歩となります。
当日はチームワークを発揮して来場者対応に全力を尽くし、終了後は速やかなフォローアップで関係構築と案件創出につなげましょう。デジタルツールや他のマーケティング施策も上手に組み合わせることで、展示会の効果はさらに高まります。