目次 [ 非表示 表示 ]
AARRRモデルの中で「Acquisition(獲得)」は、もっとも最初に取り組むべき重要なステップです。ここでは「どうやって見込み顧客に出会うか」を設計します。
Acquisitionを一言で表すなら、「サービスや商品をまだ知らない人と、最初の接点を作る活動」です。単なる広告やアクセス増加ではなく、事業に貢献し得る“見込み度の高いユーザー”を見つけ、接触することがゴールになります。
Acquisitionの役割
・認知を作る:検索、SNS、広告、口コミなどを通じて「まず知ってもらう」段階。
・適切なターゲットに届く:誰でもいいわけではなく、サービスの価値を感じやすいユーザーにリーチすることが重要。
・次の行動につなげる:単に訪問してもらうだけでなく、登録・問い合わせ・資料請求など「次のステップ」に自然につながる導線を整える。
実例で理解するAcquisition
例えば、転職エージェントのサービスを考えてみましょう。
・「転職 方法」と検索した人に記事を提供 → 認知段階の獲得
・「転職サイト 比較」と検索した人に比較LPを提示 → 比較検討段階の獲得
・「リクルートエージェント 登録」と検索した人に最短で登録できるフォームを案内 → 即時CVに直結する獲得
同じ「訪問者」でも、検索意図や行動ステージが違えば価値も異なります。これを整理しながら、**「どのチャネルで、どの段階のユーザーを、どんなコンテンツや広告で獲得するか」**を計画するのがAcquisition戦略の本質です。
Acquisitionの位置付け
Acquisitionが弱いと、そもそもユーザーが入ってこないため、Activation以降のフェーズ(初回体験・継続・収益化)を改善しても成果が出ません。逆に、質の高いAcquisitionが設計できれば、その後のRetentionやRevenueの効率も大幅に改善されます。
つまりAcquisitionは、「すべての成長施策の土台」となる工程であり、AARRRモデル全体を成功に導くための出発点といえます。
Acquisitionとトラフィックの違いと定義
実務でも混同されやすい概念として、「トラフィック=Acquisition」と捉えてしまう点があります。しかし両者は似て非なるものです。
・トラフィック:単に「サイトやアプリに訪れたユーザー数」
・Acquisition:数だけでなく「適切な見込み顧客を獲得し、次のステップに進む可能性を持つ接点をつくること」
たとえば、求人サービスのサイトに学生が大量にアクセスしても、それが転職希望の社会人でなければ売上には直結しません。この場合、トラフィックは増えてもAcquisitionは成立していないのです。
つまり、Acquisitionの本質は「数」ではなく「質」にあります。CTRやCVRといった指標を設計する際も、単なるクリック数ではなく事業に貢献するユーザー接点をどれだけ獲得できたかを測ることが重要です。
ユーザーの質を上げるためのカスタマージャーニーへの理解
効果的なAcquisitionを実現するには、ユーザーがどのような道筋で商品やサービスを知り、関心を深め、最終的に購入や登録に至るのかを整理することが欠かせません。これを可視化したものがカスタマージャーニーです。
例えば「SNSで認知 → 検索で比較 → レビュー記事で安心 → 公式LPで登録」といった流れです。
カスタマージャーニーを俯瞰することで、各施策がどの段階に寄与しているかを把握でき、短期的なクリック数や流入数に惑わされずに「どの接点が成果に直結しているのか」を判断できます。こうした整理は、次に解説するKPI設計や目標設定の土台となります。
カスタマージャーニーを整理すると、「どの接点が成果に直結しているのか」が見えてきます。しかし、その重要度や改善の優先順位を判断するには、感覚ではなく数値で捉えることが不可欠です。ここで登場するのがKPI(重要業績評価指標)です。
AcquisitionにおけるKPI設計の目的は、単なる流入数やクリック数ではなく、事業成長に貢献する“質の高いユーザー獲得”を数値で管理できる状態にすることです。例えば、広告のクリック率(CTR)が高くても、それが購入や登録につながらなければ意味がありません。逆に、獲得単価(CPA)が多少高くても、その後の顧客生涯価値(LTV)が大きければ投資判断としては正解と言えます。
このように、KPIは「ユーザーがどのステップでどの程度前進しているか」を測る“ものさし”です。次節では、代表的な指標であるCPA / CVR / CTR / ROASの関係性から整理し、さらにB2BとB2Cの違い、ノーススターメトリクスの考え方、KPIツリーの構築へと具体的に掘り下げていきます。
CPA / CVR / CTR / ROASの関係整理
カスタマージャーニーで接点を整理しても、それぞれの施策がどれだけ成果に寄与しているかは数字で確認しなければ分かりません。そこで用いられる代表的な指標がCPA / CVR / CTR / ROASです。
・CTR(Click Through Rate):広告が表示された中でクリックされた割合。広告の訴求力やターゲティングの適切さを測る指標。
・CVR(Conversion Rate):訪問者が登録・購入などに至った割合。LPやフォーム体験の質を示す指標。
・CPA(Cost Per Acquisition):1件の獲得に要した広告費。効率を測る最重要指標のひとつ。
・ROAS(Return On Ad Spend):広告費1円あたりで生まれた売上。最終的な費用対効果を示す。
これらは独立した数値ではなく、因果関係でつながる一連の流れとして捉えることが重要です。
例:CTRが高い → 流入が増える → CVRが一定ならCV数が増える → CPAが下がる → 売上が増えてROASが改善する。
一方で、CTRが高くても「購買意欲が低い層」にリーチすればCPAは悪化します。つまり、KPIは必ずカスタマージャーニーのどの段階に効いているのかとセットで考える必要があるのです。
B2BとB2CにおけるKPIの違い
KPIは業種やビジネスモデルによって解釈が大きく異なります。特にB2BとB2Cでは、Acquisitionのゴール設定が違うため注意が必要です。
B2C(例:EC)
目標:購入件数、会員登録数、アプリインストール数
重視指標:CTR → CVR → CPA → ROAS
特徴:成果が短期間で見えやすく、CPAやROASがそのまま投資判断に直結するケースが多い。
B2B(例:SaaSや人材紹介)
目標:ホワイトペーパーDL、問い合わせ件数、商談化率
重視指標:CTRやCPAに加え、MQL(Marketing Qualified Lead)やSQL(Sales Qualified Lead)を必ず確認する。
特徴:リードの価値が高く、成果が売上に反映されるまで長い時間を要する。
そのため短期KPI(DL数やCPA)と長期KPI(契約数やLTV)をつなぐ設計が不可欠。
同じ「CPA◯円」でも、B2Cでは「1購入あたり」、B2Bでは「商談につながるリード1件あたり」と意味が変わる点を常に意識しましょう。
ノーススターメトリクスの決め方
細かいKPIを追うことは大切ですが、それだけでは「事業の成長に直結しているか」が見えにくくなります。そこで必要なのがノーススターメトリクス(NSM)です。
定義:プロダクトが顧客に提供する価値を最も端的に示す指標
例:
・EC → 「購入件数」ではなく リピート購入数
・SaaS → 「有料契約数」ではなく 月間アクティブユーザー数(MAU)
・サブスク → 「新規会員数」ではなく 継続課金ユーザー数
AcquisitionにおけるCTRやCPAは大事な進捗指標ですが、あくまで「過程の数値」にすぎません。
ノーススターメトリクスを定義し、それを支える形でサブKPIを設計することで、
短期的なクリック数や獲得単価に振り回されず「事業成長に本当に効くAcquisition」に集中できます。
KPIツリーは、「売上」という最終ゴールから逆算して、途中の指標を階層的に整理したものです。
上から下へ読めば「売上を構成する要素は何か」が分かり、下から上へ読めば「小さな改善が最終的に売上にどう影響するか」を把握できます。
例として、ツリーを一歩ずつ読み解いてみましょう。
売上
└─ LTV(顧客生涯価値)
└─ CAC(顧客獲得コスト)
└─ CPA(顧客獲得単価)
└─ CVR(コンバージョン率)
└─ CTR(クリック率)
└─ Impression(表示回数)
上から下へ読む場合(売上の構成要素を分解)
・売上 は、1人あたりの LTV × 顧客数 で決まります。
・顧客数を増やすには、CAC(顧客獲得コスト)を抑えながら新規を増やす必要があります。
・CACを構成する要素のひとつが CPA(1件の獲得にかかった広告費)。
・CPAを下げるためには、CVR(訪問者の何%がCVするか)を高めたり、CTR(クリック率)を改善して効率的に流入を増やすことが有効です。
・CTRを上げるには、まずimpression(広告表示回数)をどの層に届けるか、クリエイティブをどう設計するかが影響します。
この読み方は「売上が伸びない理由を特定する」場面で役立ちます。
例えば、売上低迷の原因が「CVRの低さ」なのか「CTRの低さ」なのかを切り分けられます。
下から上へ読む場合(改善の効果を逆算)
・広告表示回数(Impression)を増やしたとしても、CTRが低ければクリックにつながらない。
・CTRが改善してクリック数が増えても、CVRが低ければCVは伸びない。
・CVが増えてCPAが改善すれば、同じ予算でも獲得数が増える。
・獲得数が増えれば顧客数が増え、結果的に売上拡大につながる。
この読み方は「改善の優先順位を決める」場面で有効です。
例えば、CTR改善に注力してもCVRが極端に低ければCPAは下がらないので、まずCVR改善を優先すべき、という判断が可能になります。
実務での使い方
・広告運用チームの週次会議では、ツリーに沿って「どの指標でボトルネックが起きているか」を確認します。
・上司や経営層への報告では、CPAやROASといった分かりやすい指標を提示しつつ、改善策はCTRやCVRレベルに落として説明します。
・チャネル比較では、媒体ごとにツリーを当てはめて「検索広告はCVR改善がカギ」「SNSはCTR改善が課題」といった整理を行ないます。
ペルソナ / STP / JTBDの活用方法
効果的なAcquisitionを実現するためには、まず「誰に届けるか」を定義する必要があります。ここで役立つのが ペルソナ / STP / JTBDです。
・ペルソナ
典型的な顧客像を設定していきます。例:25歳女性、都内勤務、Instagramでファッション情報収集。
・STP(Segmentation / Targeting / Positioning)
市場を細分化し(S)、狙う顧客層を選定し(T)、自社の立ち位置を明確にします(P)。
・JTBD(Jobs To Be Done)
顧客が「やりたいこと(ジョブ)」に着目します。
例:転職サイト利用者は「転職」ではなく「安心して次のキャリアを選びたい」というジョブを持つ。
実務では「ペルソナで具体化」「STPで市場内ポジションを確認」「JTBDで行動の動機を理解」という三段構えで使うと効果的です。
価値提案と差別化の明確化
ターゲットを定義したら、次は「なぜその商品・サービスを選んでもらうのか」を明確にします。
ここで重要なのが 価値提案(Value Proposition)です。
・顧客の課題:「こんな不満や困りごとがある」
・解決策としての提供価値:「それをどう解決できるか」
・差別化ポイント:「他社にはなく自社にある強み」
例:
・SaaS(人材管理ツール) → 「人事担当者が煩雑な労務管理にかける時間を削減できる」+「国内法改正に即対応できる点で他社と差別化」
・B2C(化粧品EC) → 「敏感肌でも安心」+「国産オーガニック成分で他ブランドと差別化」
差別化を言語化する際は、「スペック」より「顧客ベネフィット」を強調することがポイントです。
クリエイティブブリーフの作り方
広告やコンテンツ制作に入る前に必須なのがクリエイティブブリーフです。ブリーフが曖昧だと、制作物の方向性がバラバラになりやすいからです。
典型的なブリーフ項目
1.ターゲット(誰に届けるか)
2.インサイト(顧客が抱えている本音や悩み)
3.提供価値(解決できること)
4.メインメッセージ(何を一言で伝えるか)
5.トーン&マナー(どんな表現方法で伝えるか)
6.成功指標(CTR、CVR、認知率など)
実務ポイント:ブリーフは「社内説明用」だけでなく、代理店や外部パートナーと共通言語を持つためにも重要です。
メッセージテストと学習サイクル(A/Bテスト・広告コピー評価)
ターゲットとメッセージを設計しても、最初から正解を出せるとは限りません。ここで重要なのがテストと学習のサイクルです。
・A/Bテスト:広告コピーやLPの見出しを複数用意し、CTRやCVRの差を比較。
・多変量テスト:画像・コピー・CTAボタンを組み合わせ、最も効果的なパターンを発見。
・SNS広告のコピー評価:短期間・少額で配信し、エンゲージメント率やコメントの反応を定性的に分析。
実務のコツ:
・1回のテストで結論を出さず、「仮説→テスト→学習→再設計」の繰り返しで精度を上げていきます。
・CTRやCVRといった数値だけでなく、ユーザーの声(コメントや検索クエリの変化)を必ずチェックしていきます。
複数のチャネルをどう組み合わせるかは、Acquisition戦略の中核です。
特に日本市場では、検索・SNS・ディスプレイ広告・オフライン施策が複雑に絡み合い、各接点が相互に影響し合います。ここでは、チャネルごとの役割と全体設計の考え方を整理します。
オーガニックSEOとコンテンツマーケティング
検索キーワード戦略とEEAT強化
・キーワード選定:検索意図を「情報収集・比較検討・購入直前」の3層で整理。
・EEAT(Expertise, Experience, Authoritativeness, Trustworthiness):
著者プロフィールや専門家監修を明示 引用元リンクの明確化 体験レビューや一次情報の充実化
医療・金融・教育など「YMYL領域」では特に必須。
日本語クエリ特性最適化SEOガイド
・助詞の揺れ:「転職 の 方法」「転職 方法」で検索ボリュームが異なる
・語順:「渋谷 カフェ おしゃれ」と「おしゃれ カフェ 渋谷」は異なるSERPが表示
・同音異義語:「はし(橋・箸・端)」など文脈対応が必須
・全角/半角・ひらがな/カタカナ:「wifi / Wi-Fi / ワイファイ」
・Yahoo!検索対応:Googleと異なり、リアルタイム検索や知恵袋系コンテンツが上位表示されやすい特徴がある
ペイドメディア活用
ペイドメディアは、検索広告・SNS広告・ディスプレイ/動画広告の三本柱で設計します。
まず検索広告では、GoogleとYahoo!の違いを理解することが重要です。
Googleはスマホ中心の行動直結型ユーザーが多く、ECやSaaSに強みがあります。
一方、Yahoo!は金融・教育・不動産など中高年向け商材との相性が良いです。
入札精度はGoogleが優れていますが、Yahoo!はニュースポータル連動やYDAとの統合で効率を発揮します。
SNS広告は、LINEが30〜50代の生活導線に入り込みやすく、Instagramは20代中心にビジュアル訴求で効果的です。
X(旧Twitter)は速報性とトレンド訴求、FacebookはB2Bリード獲得に適しています。
ここでは「誰に何を届けるか」を明確にし、CTRやCVRを確認しながら改善を繰り返すことが欠かせません。
ディスプレイやYouTubeなどの動画広告は、直接CVというよりも
ブランド想起やリマーケティングに強みがあります。
ただし、広告疲労や無駄配信を防ぐため、プレースメントやオーディエンス設定を丁寧に管理する必要があります。
最後に、ペイドメディアの評価で陥りがちなのが「ブランド名検索に効果が集中して見えること」です。
他チャネルでの認知や比較が起点になっていることを前提に、アトリビューションの視点を持つことが成果最大化の鍵になります。
SNSとコミュニティ運用
SNSは、チャネルごとに役割を明確に分けて活用する必要があります。
X(旧Twitter)は速報性とトレンド拡散に強く、キャンペーンや話題化を狙う際に有効です。
Instagramはビジュアル訴求に優れ、いろいろな世代へのリーチに効果的です。
FacebookはB to Cだけでなく、B2Bのリード獲得やコミュニティ形成に役立ちます。
LINEは公式アカウントを起点に、友だち追加やチャット対応でリピーター化を促進できる点が特徴です。
アフィリエイト・インフルエンサー活用
アフィリエイトは比較検討段階のユーザーを取り込みやすく、金融・人材・教育などの分野で多く使われています。
一方、インフルエンサーはSNS上での信頼構築に有効で、特にマイクロインフルエンサーを起用することでCVR改善が見込めます。
短期的なCV効果と同時に、口コミ資産の形成という中長期的な価値も意識すると良いでしょう。
オンライン×オフライン統合戦略
テレビCM・交通広告連動と検索リフト測定
テレビCMや交通広告は直接的なCVを測りにくいため、
放映・掲出後のブランド名検索数の増加をKPIとするのが現実的です。
GoogleトレンドやSearch Consoleを活用すれば、検索リフトを定量的に確認できます。
季節性×チャネル配分テンプレート
日本市場では季節イベントが購買行動に大きく影響します。
例えば、バレンタインはInstagram+レシピSEO、ゴールデンウィークは旅行系検索+YouTube広告、
年末年始はテレビ特番連動+LINE広告といった形で「行事×チャネル」をセットで設計することが効果的です。
国内特有メディア活用
SmartNewsやGunosyはニュースアプリ経由で幅広い層にリーチ可能です。
NewsPicksはビジネス層に強く、B2B商材に有効。noteやはてなブログはSEOとUGC拡散を兼ね備えており、
中長期的な獲得基盤になります。
PR×獲得の統合設計
PR施策は単独で終わらせず、獲得と連動させることが重要です。
たとえばPR TIMESで記事を配信すると、ブランドの露出が増え、その後の指名検索数や
自然検索からのCV増加につながります。
この効果はGA4の探索機能とSearch Consoleでブランドキーワードをモニタリングすることで定量化できます。
「ペルソナ×チャネル適合度マトリクス」テンプレート
ターゲットに応じて、どのチャネルを使うべきかを整理するフレームです。
| ペルソナ | 主なチャネル | 適合理由 |
|---|---|---|
| B2C若年層(20代前半) | TikTok / Instagram | 流行に敏感で、動画やビジュアル訴求が響きやすい |
| B2C中高年層(40代以上) | Yahoo!検索 / LINE広告 | 情報収集にYahoo!、日常利用にLINEが根付いている |
| B2B決裁層 | LinkedIn / ウェビナー / 検索広告 | 仕事関連情報の収集経路として信頼性が高い |
| 地方・実店舗利用者 | Googleマップ / 地域系SNS / 口コミサイト | 店舗訪問の前に位置情報や口コミを確認する |
このマトリクスを使うと、チャネルごとの優先度が可視化でき、予算配分や施策選定の判断がスムーズになります。
ECとD2Cにおける集客戦略
ECやD2Cは「新規獲得の効率」と「リピート率」の両立させることが大切です。
短期施策(初動)
・Googleショッピング広告:商品名検索で即購入に繋がる層を獲得
・Instagram広告:ビジュアル訴求でトラフィック獲得、特にアパレル・コスメに有効
・クーポン・送料無料キャンペーンをLPやSNSで展開
中期施策(顧客育成)
・LINE公式アカウントで再購入導線を作る(リッチメニュー→おすすめ商品)
・メールマーケティングで「閲覧履歴に基づくレコメンド」配信
長期施策(ブランド化)
・UGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用したSNS投稿
・コンテンツSEO(「◯◯の選び方」「コーディネート例」)を資産化
・サブスク化(定期購入モデル)でLTVを伸ばす
指名検索数を増やす=ブランド強化の指標として必ず追うことです。
SaaSとB2Bのリードジェネレーション
B2Bは購入までに長い検討期間があり、「短期CPA」より「商談化率・契約率」で評価します。
認知拡大
・Google検索広告:「課題+解決ワード」(例:勤怠管理 自動化)
・LinkedIn広告や業界メディア広告で専門家層にリーチ
リード獲得
・ホワイトペーパーDL(例:「2025年の働き方DX動向レポート」)
・ウェビナー(事例共有・法改正解説など)で高関心層を獲得
リード育成(ナーチャリング)
・MAツールを用いてスコアリング(MQL→SQLへ)
・ケーススタディや顧客インタビューをメールで配信
営業部とのKPI連動(MQL→商談→契約率) が成果評価をするときに重要です。
業種別ユーザーフローとボトルネック分析
EC
・商品ページ → カート投入 → 決済完了
・ボトルネック=「カゴ落ち」→ 対策:EFO・リターゲティング広告
人材
・求人検索 → 会員登録 → 応募
・ボトルネック=「登録フォーム離脱」→ 対策:SNSログイン・ステップ分割フォーム
教育
・資料請求 → 説明会参加 → 入学申込
・ボトルネック=「説明会から申込転換率」→ 対策:動画説明会・個別相談導線
金融
・サービス比較 → 申込フォーム入力 → 本人確認 → 契約
・ボトルネック=「入力途中離脱・審査落ち」→ 対策:郵便番号入力支援・本人確認アプリ導入
本記事では、AARRRモデルの中でも獲得段階=Acquisitionに焦点を当て、
日本市場特有の検索・SNS・オフラインを含むチャネル設計や、KPIツリーに基づく数値管理の方法を体系的に整理しました。
さらに、ターゲット設定、チャネル戦略、業界別の実務ポイントを
具体的に解説しておりますので、ご参考になれば幸いです。